ふらんせ入門の最近のブログ記事

さて、文法の紹介については一段落したところで、今回は「フランス語とインターネット」というテーマで書きたいと思います。

フランス語に触れる

語学では何といってもその言語に触れることが大切です。日本でふつうに生活しているとあまりフランス語に触れる機会はないですが(ショップの名前には意外なほど多く使われてはいますけど)、インターネット上にはそれこそ無数のテキストが転がっています。適当なフランス語の単語をキーに検索をかけるだけで、あっという間に生きたフランス語に触れることができます。とりあえずは新聞社のサイト、Le FigaroLibérationなどがいいかもしれません。次には自分が興味ある分野のサイトを探してみるのがいいでしょう。好きなことだと、読もうという気になるものですから。

便利なサイト

アメリカのシカゴ大学にARTFL(American and French Research on the Treasury of the French Language )というすばらしいプロジェクトがあります。その中からいくつか便利なページを紹介しておきます。

インターネット用語

フランス語ではインターネット用語をどういうのでしょうか。辞書にはもちろん載っていないので、インターネットで調べてみました。

Webサイト
“(un) site de la toile”とか “(un) site sur la toile”が正しい言い方のようです。“toile”はフランス語で蜘蛛の巣です。また、“(un) site web”という表現もよく見かけました。
インターネット
これはそのまま internet です。男性名詞です。
電子メール
サービスとしての電子メールは“(un) courrier électronique”または“(un) messagerie électronique”というようです。
メールアドレス
“(une) adresse de courrier électronique”です。電話番号を“Tél.”というように“Mél.”と略されることが多いようです。
ブラウザ
(un) navigateur または (un) logiciel de navigation です。explorerではないようですね。
FAQ
(un) fichier des questions courantesともいうようですが、(une) foire aux questionsであれば英語同様FAQを略語に使えます。foireは見本市という意味です。
ホームページ
(une) page d'accueil。単に accueil ともいいます。意味はおうちではなく受付です。
リンク
(un) lien。ひもという意味です
チャット
(une) causette。おしゃべりという意味です。
サーチエンジン
(un) moteur de rechercher。エンジンはフランス語で moteur (=モーター)というようです。
URL
基本的にこういう一般的な略語はそのまま使われるようです。フランス語で書き下す場合には、Localisateur uniforme de ressourceとなるそうです。Uniformed Resource Locator をそのままフランス語にした言葉です。
ユーザー
(un) utilisateur。utilisatriceという女性形がありますが、特に性別を限定する場合しか使わないと思います。
パスワード
(un) mot de passe
ファイル
(un) fichier。カードボックスという意味。
ディレクトリ
(un) répertoire。目録とか一覧という意味。
ダウンロード
名詞としては (un) déchargement、動詞としては décharge。もとの意味は積荷をおろすことで、downloadと対応しています。Microsoft Franceでは(un) téléchargement/télécharge が使われていますが、用語として適してないとかほかのところでいわれています。
アップロード
名詞としては(un) dépôt、動詞としては déposer。預けるという意味です。
ウイルス
(un) virus。英語と同じ綴りです。

それぞれフランス語があるようですが、実際は英語そのままの形で使っている例も多いようです。

接続法

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今回は接続法。事実ではなく主観を述べるときに使う用法です。嘘とか間違いとか空想とかいうのではなく、その事柄を「」の中に入れてネタとして使うという感じです。たとえば『「宝くじで100万円あたった」わけがない』とか。この場合、「」の中だけ立ち聞きされると、ほんとうにあたったと思われてしまうわけですけど、接続法で述べておけばその心配がなくなるわけです。

使い方はそれほど難しくありません。まず、必ず従属節の中で用いられます。主節の中で用いられることはありません。またこういう場合は接続法というパターンがいくつか決まっていて辞書に載っています。たとえばクラウン仏和辞典だと、 sub.と書かれているところが接続法を使うことを意味しています。

活用

接続法にも現在、半過去、過去、大過去という時制がありますが、ここでは現在形のみ紹介します。

原形 一人称単数 二人称単数 三人称単数 一人称複数 二人称複数 三人称複数
avoir aie aies ait ayons ayez aient
être sois sois soit soyons soyez soient
aimer aime aimes aime aimions aimiez aiment
finir finisse finisses finisse finissions finissiez finissent
valoir vaille vailles vaille valions valiez vaillent
vouloir veuille veuilles veuille voulions vouliez veuillent
ouvrir ouvre ouvres ouvre ouvrions ouvriez ouvrent
venir vienne viennes vienne venions veniez viennent
courir coure coures coure courions couriez courent
lire lise lises lise lisions lisiez lisent
voir voie voies voie voyions voyiez voient
acheter achète achètes achète achetions acheiez achètent
prendre prenne prennes prenne prenions preniez prennent
mettre mette mettes mette mettions mettiez mettent
aller aille ailles aille allions alliez aillent
dire dise dises dise disions disiez disent
faire fasse fasses fasse fassions fassiez fassent
connaître connaisse connaisses connaisse connaissions connaissiez connaissent

まずは典型的な例から

Je ne crois pas qu'il vienne.(わたしは彼が来るとは思わない)

「彼が来る」というネタを主節で「思わない」と否定しています。そういうときは接続法を使います。

Je crois qu'il vient.(わたしは彼が来ると思う)

対照的にこの場合は、「彼が来る」のはネタではなく事実です。そういう場合は直説法です。

いくつか接続法の例を見てみましょう。

Je suis content que vous me invitiez.(お招きいただいてうれしいです)

招いてもらったのは事実でしょうから、これは直説法でも可な例です。事実かどうかは問題ではなく、そのことをネタとしてうれしいという気持ちを伝えるので接続法です。

Il faut que nous travaillions bien.(われわれはしっかり働かなければならない)

faut(=falloir)「~でなければならない」では「~」の部分はネタとして扱われます。

副詞との組み合わせ

このほか副詞と組み合わせることにより、目的や譲歩をといったような特殊な意味をもちます。

pour que 接続法
~するために
sans que 接続法
~しないで
à moins que 接続法
~しないと
bien que
~とはいえ
Courez pour que vous attrapiez le train.(電車に間に合うように走りなさい)
Bien qu'il preuve, il fait chaud.(雨が降ってはいるが暖かい)

完結

さてこれで一応このコーナーでとりあげようと思っていた内容は一通り書いたつもりです。ここまでくるまでに予想外にたくさんの時間がかかってしまいました。

今後ですが、まずは間違いとか、わかりにくいところとか、構成を変えたほうがいいとかいろいろあると思うので、その辺を見直すことにします。そのあとは辞書のページを充実させたり、フランス語の詩を読むページを作るとか、そんなこともやろうかとも思っています。

まあ、とりあえずはいったん完結ということで...

Au revoir, tout le monde.

その他の時制

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これまで触れなかった4つの時制、単純過去、大過去、前過去、前未来を紹介します。

単純過去

会話には使われず文章のみに使われます。過去のある時点のできごとを表します。複合過去には4つの用法、完了・継続・経験・過去の一点というのがありましたが、そのうち「過去の一点」を表現するときのみ文章では単純過去を用います。他の3つの用法は文章でも複合過去を用いるので注意してください。なお、「単純」というのは「助動詞をとらない」ということです。別に簡易版とかいうのではありません。

活用

「単純」という名前とうらはらに活用は簡単ではありません。一応基本的な動詞について活用を紹介しておきます。

原形 一人称単数 二人称単数 三人称単数 一人称複数 二人称複数 三人称複数
avoir eus eus eut eûmes eûtes eurent
être fus fus fut fûmes fûtes furent
aimer aimai aimas aima aimâmes aimâtes aimèrent
finir finis finis finit finîmes finîtes finirent
valoir valus valus valut valûmes valûtes valurent
vouloir voulus voulut voulut voulûmes voulûtes voulurent
ouvrir ouvris ouvris ouvrit ouvrîmes ouvrîtes ouvrirent
venir vins vins vint vînmes vîntes vinrent
courir courus courus courut courûmes courûtes coururent
lire lus lus lut lûmes lûtes lurent
voir vis vis vit vîmes vîtes virent
acheter achetai achetas acheta achetâmes achetâtes achetèrent
prendre pris pris prit prîmes prîtes prirent
mettre mis mis mit mîmes mîtes mirent
aller allai allas alla allâmes allâtes allèrent
dire dis dis dit dîmes dîtes dirent
faire fis fis fit fîmes fîtes firent
connaître connus connus connut connûmes connûtes connurent

これだけならべるとさすがに規則性が浮かび上がってきますね。-er動詞とそれ以外で大きく分かれて、-er動詞以外の語幹は過去分詞と同じものが多いことがわかります。êtreはなんか信じられない変化をしてますね。どこから"f"が出てきたんでしょう。

例を一つだけ。小説の中の一文と思ってください。

Il ouvrit la porte à ce moment. (彼はそのときドアを開けた)

口語では複合過去を使って以下のようにいいます。

Il a ouvert la porte à ce moment.

大過去

こちらは会話の中でもよく使われる表現です。フランス語では"Plus-que-parfait"(完了以上)といわれるように。複合過去や単純過去でいい表わされる時点よりさらに過去をふりかえって述べるときに使います。英語でいうと過去完了形に相当します。語形は以下の通りです。

助動詞の半過去形 + 過去分詞
Elle avait déjà lu le livre qu'il a acheté.(彼女は彼が買った本をすでに読んでしまっていた)
Quand je suis arrivé à la gare, il était rentré.(わたしが駅に着いたとき、彼は帰った後だった)

このほか、半過去のところで述べたような感情的な含みを伝えることもあります。半過去が現在の状態に未完という含みをもたせたように、大過去は過去のできごとに未完という含みをもたせます(約束した[ことを果たしていない]とか、いった[ことを信じていない]とか…)。

Tu m'avais promis de rentrer à cinq heures. (君は5時に帰ると約束したのに)

前過去

前過去も単純過去同様文章にしか使いません。大過去同様、過去のある時点からさらに過去を振り返るときにつかいます。語形は以下の通りです。

助動詞の単純過去 + 過去分詞
Le nez de Cléopâtre : s'il eut été plus court, toute la face de la terre aurait changé. (クレオパトラの鼻:もしそれがもっと低かったら、地球の姿は変わっていただろう)

前未来

未来の時点で完了していることを振り返ります。また、完了したことを推測する場合にも使います。

助動詞の単純未来 + 過去分詞
Le jeu aura fini à sept heures.(試合は7時には終わっているでしょう)
Il sera mort dans l'auto. (彼はきっと車の中で死んでしまった)

条件法

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今回は「もし~」という仮定文をフランス語ではどう表現するかを紹介します。

仮定文

「もし」はフランス語では"si"です。"si"はほかにもいろいろな意味に使われるので、間違えないようにしてください。

S'il fait beau, je sortirai.(晴れたら外出します)

siが導く条件節の動詞は未来時制にならないことに注意してください。(S'il fera beau, ...)

条件法現在

"If I were a bird, I could fly." のように、英語には、現在と矛盾する仮定を表現するのに、仮定法という特殊な構文がありました。フランス語にも同様な形があります。

Si j'étais un oiseau, je volerais.(もしぼくが鳥なら、飛ぶのに)

ここで si が導く条件節の動詞の時制は半過去です。主節の動詞 volerais の活用が条件法現在になります。(英語の仮定法過去形は条件節の動詞の活用に使うので、仮定法という似通った名前を持ちながらフランス語の条件法とは役割がちがいます)

活用

条件法現在形の活用を紹介します。

語幹は単純未来と同じなので、そちらを参照してください。

語尾は半過去の語尾の前に"r"がつくだけです。

半過去 条件法現在
一人称単数 -ais -rais
二人称単数 -ais -rais
三人称単数 -ait -rait
一人称複数 -ions -rions
二人称複数 -iez -riez
三人称複数 -aient -raient

仮定文以外の用法

条件法現在のそのほかの用法を紹介します。

語調の緩和
Je voudrais voir M.Poirot.(ポワロさんに会いたいのですが)

この場合は「もし、おいやでないのなら」が省略されていると考えられます。

過去の一時点から見た未来
Il dit qu'il partira en vacances.(彼はバカンスにでかけるでしょうと言う)

上記の主節の動詞 "dire"を複合過去にすると、

Il a dit qu'il patirait en vacances.(彼はバカンスにでかけるでしょうと言った)

というように従属節の単純未来の動詞は時制の一致で条件法現在形になります。

条件法過去

ついでに条件法過去もやってしまいましょう。いうまでもなく過去と矛盾する仮定を表現するときに使います。語形は以下のとおりです。

助動詞の条件法現在形 + 過去分詞

パスカルの有名な言葉を例にあげます。

Le nez de Cléopâtre : s'il eut été plus court, toute la face de la terre aurait changé. (クレオパトラの鼻:もしそれがもっと低かったら、地球の姿は変わっていただろう)

このように主節の動詞が条件法過去になっています。

条件節の動詞はこの場合前過去形(助動詞の単純過去形 + 過去分詞)になります。単純過去や前過去にはこれまで触れてきませんでしたが、文章中にのみ使われる過去形です。この場合口語では 大過去形(助動詞の半過去形 + 過去分詞)が使われます。(つまり s'il avait été...)

これらの過去形は次回まとめて紹介します。

関係代名詞

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久しぶりの更新の今回は、関係代名詞。英語でさんざんやったと思います。フランス語も似たようなものです。安心?してください。

先行詞=関係節の主語

Regardez ça voiture.
+
La voiture semble haut.

Regardez ça voiture qui semble haut.(あの高そうな車をごらんなさい)
Hier j'ai rencontré une femme.
+
La femme étais très gentille.

Hier j'ai rencontré une femme qui étais très gentille.(昨日とても親切な女性に会った)

最初の例は先行詞は"voiture"で「もの」、二番目の例は"femme"で「人」。先行詞が関係節の主語にあたる場合は、「もの」、「人」どちらでも関係代名詞は"qui"を使います。英語では「人」の場合は"who"、「もの」の場合は"which"と分かれていましたよね。

先行詞=関係節の直接目的語

C'est la pipe.
+
J'ai connais la pipe.

C'est la pipe que j'ai acheté. (それはわたしが買ったパイプです)
Il est un médecin.
+
Je connais le médecin.

Il est un médecin que je connais.(彼はわたしの知り合いの医者です)

先行詞が関係節の直接目的語にあたる場合は、「もの」、「人」どちらでも関係代名詞は"que"を使います。

前置詞+関係代名詞

今までは、先行詞が「人」であっても「もの」であっても区別しませんでしたが、前置詞が絡んでくると、区別が必要になってきます。

La garçon est mon fils.
+
Elle marche avec la garçon.

La garçon avec qui elle marche est mon fils.(彼女がいっしょに歩いている少年はわたしの息子だ)

このように、先行詞が人の場合は、"前置詞 + qui"という形になります。(ただし前置詞が"dans"または"parmi"の場合は以下に示す"lequel"を使う)

Voila la maison.
+
J'habitais dans la maison.

Voila la maison dans laquelle j'habitais.(あれがわたしが住んでいた家です)

このように、先行詞がものの場合は"前置詞 + lequel"という形になります。この場合の注意事項は以下の通り。

  • lequel は先行詞の性・数に応じて変化する。
  • 前置詞が"à"または"de"の場合は"lequel"、"lesquels"と縮約して1語になる。

dont

前置詞が"de"の場合、関係代名詞は"de qui"または"duquel"("de laquelle"、"desquels"、"desquelles")となるわけですが、実はその代わりに"dont"を使うことができます。

C'est le livre.
+
Je t'ai parlé du livre.

C'est le livre dont je t'ai parlé.(それが君に話していた本です)
( C'est le livre duquel je t'ai parlé. でもよい)

間接話法

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筒井康隆の短編に「関節話法」というのがありましたが、今回はぽきぽき鳴らない「間接話法」です。

直接話法

これまで紹介していなかったので、まずは直接話法の書き方から。

Elle m'a dit : « Je veux du thé ». (彼女は「お茶がほしい」とわたしにいった)

このようにフランス語で引用をする場合は "«" と "»" で囲みます。

Je lui demande : « Quelle heure est-il? » (わたしは彼に「何時ですか?」とたずねる)

平叙文の間接話法

直接話法の最初の例文を間接話法に変えてみましょう。

Elle m'a dit qu'elle voulait du thé.

注意することは3つあります。

  1. 平叙文(否定文も)を間接話法にする場合は、接続詞 "que"が必要。
  2. 代名詞の人称が変わる。"je"→"elle"。
  3. 時制が変わる。元は現在形でしたが、主節が複合過去なので、時制の一致を受けて半過去(過去における現在)になります。

間接疑問文

直接話法の二番目の例文を間接話法に変えてみます。

Je lui demande quelle heure il est.

  1. 疑問文を間接話法にする場合は、接続詞 "que"は不要で、"que"の位置には疑問詞がきます。
  2. 語順は「主語→動詞」です。

例外として、«Qu'est-ce que ...?»、«Qu'est-ce qui ...?»というタイプの疑問文の場合、間接疑問の疑問詞はそれぞれ"ce que"、"ce qui"になります。

Paul me demande ce que c'est.(ポールはわたしにそれは何ですかとたずねる)
Je demande à Paul ce qui est la question.(わたしはポールには何が問題ですかとたずねる)

疑問詞がない疑問文の場合は"si"(~かどうか)を使います。

Je lui a demandé si elle était heureuse.(ぼくは彼女に幸せかどうかときいた)

時制の一致

主節が複合過去のとき、直接話法を間接話法に直すと動詞の時制は次のように変化します。

  1. 現在形→半過去形
  2. 複合過去形→大過去形(複合過去の助動詞が半過去になったもの)
  3. 半過去形→半過去形

複合過去→大過去の例を示します。

直接話法:
Elle m'a demandé : « Quand avez-vous passé l'examen? »(彼女はぼくに「いつ試験を受けましたか」ときいた)
間接話法:
Elle m'a demandé quand j'avais passé l'examen.

命令の間接話法

Elle m'a dit : « Fais un beau rêve ».(彼女はわたしに「いい夢を見てね」と言った)

これを間接話法にすると、

Elle m'a dit de faire un beau rêve.

このように "de"をつけて動詞を原形に変えます。

単純未来

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過去の次は未来です。複合過去のような助動詞をとらず動詞単独で活用するので「単純未来」と呼ばれます。

語形

まずは語尾から覚えましょう。

一人称単数 -rai
二人称単数 -ras
三人称単数 -ra
一人称複数 -rons
二人称複数 -rez
三人称複数 -ront

覚え方は簡単で、「最初は"r"、続いてはavoirの直説法現在の活用の語尾」です。

語幹は一種類ですが、動詞のほかの活用形と全く独立なので、各動詞ごとに覚える必要があります。

不定形 avoir être aimer
(第1群規則動詞)
finir
(第2群動詞)
valoir voloir ouvrir venir courir
単純未来の語幹 au- se- aime- fini- vaud- voud- ouvri- tiend- cour-
不定形 lire voir acheter prendre mettre aller dire faire connaître
単純未来の語幹 li- ver- achète- prend- mett- i- di- fe- connaît-

以上紹介したようにバラバラです。

意味

単純未来という名のとおり未来のことを述べる場合に使いますが、定まった予定について述べる場合には使えません。この場合は現在形を使うので注意してください。

意志
Je me lèverai tôt demain.(明日は早起きするつもりだ)
推量
Il fera beau cet après-midi.(今日の午後は晴れるでしょう)
命令
Nous irons en France la semaine prochaine.(来週フランスにいきましょう)
予定は現在形
La réunion commence à trois heures.(会議は三時からはじまります)

半過去

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複合過去はそのできごとがすでに完了したことを意味していました。今回紹介する半過去形は、それとは対照的に、そのできごとが未完の状態にあることを意味します。

語形

複合過去はavoir, êtreという助動詞を使いましたが、半過去は動詞そのものを活用させます。語幹は、être以外は現在形の一人称複数形と同じです。たとえば、avoirの半過去形の語幹は、現在形の一人称複数形avezと同じなので、"av-"です。なお、êtreの半過去形の語幹は"ét-"です(例外)。

語尾は全て共通で以下のようになっています。

一人称単数 -ais
二人称単数 -ais
三人称単数 -ait
一人称複数 -ions
二人称複数 -iez
三人称複数 -aient

たとえば、aller(いく)の半過去形の活用は以下のようになります。(一人称複数現在形はallons→)

一人称単数 allais
二人称単数 allais
三人称単数 allait
一人称複数 allions
二人称複数 alliez
三人称複数 allaient

意味

冒頭でも述べたように、半過去形の意味の特徴は中途半端、つまり未完了ということです。大きくわけて二通りの意味をもちます。

現在の視点

過去のある時点の出来事が、中断してしまったとか、継続しているとかの理由で、いまだに完了していない(あるいは完了したかどうかはっきりしない)場合に使います。したがって、「~まで」とか「~の間」などの期間を表す言葉とはいっしょに使えません(→いっしょに使うときは複合過去)。また、複合過去がどちらかといえば事実を客観的に伝えていたのとは対照的に、感情的な含みを持つことが多いようです。

Je t'aimais depuis longtemps.(君のことがずっと好きだったのに)
On parlait d'elle justement.(今彼女のことを話していたんだ)
Ah, j'oubliais...(おっと、忘れてた…)
過去の視点

過去のことを、そのときの視点で語ろうとするとき(つまり「過去からみた現在」)には、半過去を用います。

Je visitais la maison tous les soirs.(わたしは毎晩その家を訪れていた)
Quand Je me promenais, il a commencé à pleuvoir.(散歩していると、雨が降りはじめた)
Elle dormait à ce mement-là.(彼女はそのとき眠っていた)

受動態

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過去分詞を使った構文ということで前回の複合過去に続いて、今回は受動態をとりあげます。

当然のことながら受動態になるのは他動詞だけです。Aが主語でBが目的補語になっている"A 他動詞 B."という文を受動態に変えると、以下のようになります。

B + être + 過去分詞 + (par A).
  • 動作主を明示したい場合だけ"par A"(Aによって)をつけます。Aが「みんな」を意味する言葉の場合など、"de A"というように前置詞に"de"を使うこともあります。
  • 過去分詞は主語Bと性数の一致をします。
  • 複合過去のところで説明したように、一部の自動詞と全ての代名動詞は助動詞としてêtreを使うので、一見受動態とまぎらわしいですが、「他動詞の過去分詞なら 受動態。それ以外なら複合過去」と覚えてください。
Elle est aimée de tout le monde.(彼女はみんなから愛されている)
Ces documents sont détruits.(それらの文書は破棄される)

受動態を複合過去にすることもできます。êtreを複合形にして"avoir + été"にするだけです。

De la soie a été exportée par notre enterprise.(絹は私たちの会社によって輸出されていた)

複合過去

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フランス語では一口に過去形といっても、複合過去、半過去、単純過去、大過去、前過去など多くの形があります。それぞれ微妙に意味合いが違うのですが、その中から今回は、もっともよく使われる複合過去を紹介します。

語形

複合過去は過去分詞を使って、次のいずれかの形をとります。複合過去という名前の由来は、助動詞(avoirとまたはêtre)と複合して一つの動詞の役割を果たすところからです。

avoir + 過去分詞
être + 過去分詞

全ての他動詞、ほとんどの自動詞はavoirを使い、場所の移動および生死を表す一部の自動詞と、代名動詞はêtreを使います。

êtreの場合、過去分詞は主語と性・数の一致をします。

J'ai mangé du poisson hier.(わたしは昨日魚を食べた)
Tu as été à Paris?(君はパリにいったことがありますか?)
Elle est née le 12 janvier.(彼女は1月12日に生まれた)
Ils se sont mariés l'autre jour.(彼らは先日結婚した)

用法

活用の形をみてわかるように、複合過去は英語でいうと"have + 過去分詞"という形の現在完了形に似ています。同じように、複合過去は完了(~してしまった)、経験(~したことがある)、継続(~してきた)という意味をもつことができます。これに加えて、英語では現在完了形ではなく過去形を使う、過去のある一点の出来事を表します。

J'ai déjà lu ce livre.(わたしはすでにその本を読んでしまった)→完了
Elle n'a jamais été à Tokyo.(彼女は一度も東京いったことがない)→経験
Nous avons dormi pendent tros jours.(わたしたちは3日間眠り続けた)→継続
Je suis arrivé justement à midi.(わたしはちょうど12時に着いた)→過去の一点

複合過去は口語的過去とも呼ばれ、よく会話で用いられます。

近接過去と近接未来

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21世紀になったので、いよいよ時制の話に入っていきます。本格的な過去形・未来系について紹介する前に、まずはこて調べとして、比較的近い過去や未来のことを表す方法について紹介します。

近接過去

たった今終わったようなことがらを表します。日本語でいうと「~したばかりだ」となります。形は以下のとおりで、venir(来る)という動詞を使います。

venir de + 動詞の原形
Elle vient de sortir.(彼女は出て行ったばかりだ)
Nous venons de rentrer.(わたしたちは帰ってきたばかりだ)

近接未来

上とは逆にこれからすぐ起きることがらを表します。日本語でいうと「~するところだ」となります。形は以下のとおりで、aller(行く)という動詞を使います。英語で"be going to ~"で未来を表すのと似ていますね。

aller + 動詞の原形

近接過去とは異なって、deはないので注意してください。

Il va sortir.(彼は外出するところだ)
Je vais t'offrir ce vin pour ton anniversaire.(誕生日にはそのワインを君に贈りましょう)

この他、"aller + 動詞の原形"は「~しに行く」とか命令などの意味をもちます。

Ils vont pêcher à la rivière.(彼らは川に釣りをしに行く)
Vous allez écouter mon avis.(わたしの忠告をききなさい)

過去分詞

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過去分詞は、複合形を作ったり、受身形を作るときに用いられます。用法の説明はそれぞれの項目で行い、ここでは活用のみ紹介します。とはいうものの、過去分詞は他の活用形から自動的に作ることはできず、それぞれ覚えなければなりません。

語形

これまでに活用を紹介した動詞全てについて過去分詞を示します。

原形 過去分詞
avoir eu
être été
aimer(第1群規則動詞) aimé
finir(第2群動詞) fini
valoir valu
vouloir voulu
ouvrir ouvert
venir venu
courir couru
lire lu
voir vu
acheter acheté
prendre pris
mettre mis
aller allé
dire dit
faire fait
connaître connu

"é"でおわるもの、"i"でおわるもの、"u"でおわるものなど様々です。

現在分詞

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語形

語尾は"-ant"、語幹は基本的には直説法の第一人称複数形と同じです。例えば"aimer"の現在分詞は"aimant"、"finir"は"finissant"、"faire"は"faisant"(フザ)です。

例外が3つあります。"être"の現在分詞は"étant"、"avoir"は"ayant"、"savoir"は" sachant"です。

用法

形容詞的に名詞を修飾したり、副詞的に主節全体を修飾したりします。

Je me assois, étant fatigué, (疲れているのでわたしは座る)
J'ai un ami parlant français.(わたしにはフランス語を話す友人がいる)
Le film finissant, ils sortent.(映画が終わったので、彼らは外に出る)

最後の例のように独自の主語をもつこともできます。

ジェロンディフ

"en + 現在分詞" という形をジェロンディフとよび、同時、時間、原因・手段、条件、譲歩・対立などの意味を持ちます。

Elle se promène en écoutant la musique.(彼女は音楽を聴きながら散歩をする)←同時
En arrivant à Paris, J'ai eu un rhume.(パリについたら、風邪をひいた)←時間
Il a mal au ventre en mangeant trop.(食べ過ぎて彼はおなかがいたい)←原因
En courant, tu arriveras à l'heure.(走れば間に合うよ)←条件
En étant triste, j'ai ri.(悲しいにもかかわらず、わたしは笑った)←譲歩

主語は必ず主節と同じになります。

代名動詞

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フランス語の辞書をみていると"se ~"というように動詞の頭に"se"がついた形が見出しになっていることに気がつくと思います。これが代名動詞です。

代名動詞とは、補語となる代名詞が主語と同じ対象を指している動詞のことです。つまり英語でいうと、目的語にmyself, yourselfなどの代名詞が使われているだけということになってしまうのですが、フランス語の場合はもともとの動詞とは異なる意味をもつので、別の見出しになっています。

辞書の見出しでは"se"がついていますが、主語に応じて、"je"の場合は"me"、" tu"の場合は"te"、"nous"の場合は" nous"、"vous"の場合は"vous"という形をとります。ただし主語が三人称の場合は、補語は性・数に関係なく常に" se"という形になります。

Je m'appelle Paul.(わたしの名前はポールです)
Jules et Jim se détestent.(ジュールとジムは憎みあっている)

もともとの動詞と代名動詞の意味の違いはおよそ次の4つに分類できます。

対象が自分自身
appeler(~を~と呼ぶ)→se appeler(自分を~と呼ぶ)
他動詞が自動詞になる
guérir(~を治す)→se guérir(治る)
受身の意味になる
oublier(忘れる)→s'oublier(忘れられる)
相互作用
aimer(愛する)→s'aimer(愛し合う)

一つの代名動詞が上記の複数の意味をもつこともあります。

主語と補語代名詞が同じ対象を指していて代名動詞だと思ったら、辞書を引くときには、動詞単独の意味ではなく、"se + 動詞"の方の意味を調べるようにしてください。

比較の表現

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英語でいうところの比較級、最上級、つまり形容詞や副詞に比較の意味を追加する方法を説明します。

2つのものの間の比較

比較の方向、つまりより甚だしくそうなのか(優等比較級)、より控えめにそうなのか(劣等比較級)、同程度にそうなのか(同等比較級)によって3つの形があります。

Paul est plus vieux que moi.(ポールはわたしより年上だ)
Je cours moins vite que Paul.(わたしはポールより走るのが速くない)
Elle est aussi belle que sa sœur.(彼女は彼女の姉と同じくらい美しい)

このように形容詞や副詞の前に、plus, moins, aussiをつけqueのあとに比較の対象をおきます。ただし、形容詞 bon(よい) の優等比較級はplus bonではなくmeilleurで、副詞 bien(よく)の優等比較級はplus bienではなくmieuxになります。例外的なのでこの2つだけは覚えてください。(形容詞mauvais(悪い)の比較級にpireを用いることもあります。)

比較級を強調して、「はるかに~」という意味をもたせるにはplusの前にbienbeaucoupを置きます。

Elle est bien plus grande que moi.(彼女はわたしよりはるかに背が高い)

plusやmoinsを単独で用いたり、あとにdeを伴ったりして、数量や程度の比較を行うこともできます。

Ils ont plus d'argent que toi.(彼らは君よりたくさんお金をもっている)
Paul travalle moins qu'elle.(ポールは彼女ほどは働かない)
Henri a autant de courage que Paul.(アンリはポールと同じくらい勇敢だ)

最後の例のように、他の形容詞、副詞を伴わない同等比較級は"aussi"でなく"autant"を用いることに注意してください。

最上級

「一番~だ」という最上級の作り方はとても簡単で、比較級の前に定冠詞(または所有形容詞)をつけるだけです。

La cuisine de ce restaurant est la meilleure de la ville.(このレストランの料理は町じゅうで一番美味しい)

このように、「~じゅうで」という最上級の表現の有効範囲を示すには "de" を使います。

Paul est le plus vieux de mes amis.(ポールはぼくの友人の中では一番年上だ)
Je cours le moins vite de la classe.(ぼくはクラスじゅうで一番走るのが遅い)

副詞の場合の定冠詞は必ず"le"です。

Plends le plus grand sac possible.(できるだけ大きな袋を持っていきなさい)

不規則動詞の活用(2)

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être, avoirもそうですが、ほかにも前回紹介した規則にあてはまらない動詞があります。ここでは、aller(行く)とdire(言う)、faire(する、作る)、connaître(知っている)の活用を紹介します。

aller

一人称単数 je vais
二人称単数 tu vas
三人称単数 il va
一人称複数 nous allons
二人称複数 vous allez
三人称複数 ils vont

dire

一人称単数 je dis
二人称単数 tu dis
三人称単数 il dit
一人称複数 nous dison
二人称複数 vous dites
三人称複数 ils disent

faire

一人称単数 je fais
二人称単数 tu fais
三人称単数 il fait
一人称複数 nous faisons(発音はフゾ
二人称複数 vous faites(発音はフェトゥ)
三人称複数 ils font

connaître

三人称単数形が特殊です。

一人称単数 je connais
二人称単数 tu connais
三人称単数 il connaît
一人称複数 nous connaissons
二人称複数 vous connaissez
三人称複数 ils connaissent

不規則動詞の活用(1)

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いままで規則動詞とêtre, avoirの活用(直説法現在のみ)を紹介しました。今回と次回でそれ以外の動詞の活用を紹介します。

規則動詞ではないので、不規則動詞とは呼ばれますが、完全に不規則というわけではありません。語尾の部分には一定の法則性があります。ただ、語幹の部分が、辞書の見出しになっている不定法の形から推測できないものがほとんどです。

語尾の変化の仕方は大きく2つにわかれます。規則動詞のところでとりあげた第1群規則動詞-erの型と第二群-irの型です。復習してみましょう。

-er型 -ir型
一人称単数 -e -s(-x)
二人称単数 -es -s(-x)
三人称単数 -e -t
一人称複数 -ons -ons
二人称複数 -ez -ez
三人称複数 -ent -ent

単数形はすべて同じ語幹になり、一人称複数と二人称複数も同じ語幹です。三人称複数は単数形と同じ語幹になる場合もありますし、一人称複数や二人称複数と同じ場合になる場合もありますし、全く独自の形になることもあります。つまり覚えることは4つあるということになります。

  1. -er型、-ir型どちらの活用か?
  2. 単数形の語幹
  3. 一人称複数と二人称複数の語幹
  4. 三人称複数形の語幹

なお、-ir型で-xという活用になるのは語幹の末尾が-eu, -ou, -eau, -auなどで終わる場合です。

vivre(生きる)という動詞について見てみましょう。

  1. -ir型です。
  2. vi-
  3. viv-
  4. viv-

devoir(~しなければならない)という動詞について見てみましょう。

  1. -ir型
  2. doi-
  3. dov-
  4. doiv-

代表的なものをまとめて一覧で紹介します。

valoir
(価値がある)
vouloir
(~したい)
ouvrir
(開く)
venir
(来る)
courir
(走る)
mettre
(置く)
lire
(読む)
voir
(見る)
acheter
(買う)
prendre
(とる)
活用の種別 -ir型(-x) -ir型(-x) -er型 -ir型 -ir型 -ir型 -ir型 -ir型 -er型 -ir型
単数形の語幹 vau- veu- ouvr- vien- cour- met-
(ただし三人称単数はmet)
li- voi- achèt- prend-
(ただし三人称単数はprend)
一人称複数と二人称複数の語幹 val- voul- ouvr- ven- cour- mett- lis- voy- achet- pren-
三人称複数形の語幹 val- veul- ouvr- vienn- cour- mett- lis- voi- achèt- prenn-
  • mettreやprendreのように単数形の語幹が-tや-dで終わる場合には三人称単数形の語尾-tは省略
  • c, gなどのように後続の母音により発音が異なる文字が含まれる場合、発音にあわせてスペルが変更されるため、同じ単数形同士や一人称、二人称複数形でも微妙に活用が異なる場合があります。

不定法と命令法

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英語の動詞にも仮定法というのがあったように、フランス語の動詞にも法があります。法(mood)という言葉を広辞苑で調べると、「 インド‐ヨーロッパ語で、文の内容に対する話者の心的態度を示す動詞の語形変化。」だそうです。フランス語の場合には、直説法、条件法、接続法、命令法、不定法の5つがあります。それぞれの法の中に、さらに現在・過去・未来という時制があり、それがさらに人称と数によって変化するので、フランス語の動詞の活用形はものすごい数になります。なお、これまで紹介してきた動詞の活用は、直説法のなかの現在時制です。

今回は、これらの中から不定法と命令法をとりあげます。

不定法

不定法とは動詞を名詞的に扱う法です。日本語に訳すと、「~すること」になります。英語にも、動詞の頭に"to"をつけて不定詞にするというのがありますが、ちょうどそれに対応します。

不定法の活用は、辞書の見出しそのままです。つまり、être, avoir, aimerなどが不定法の活用です。不定法は動詞の補語などに使われることが多いです。辞書には"~+inf"という表記で、その位置に不定法の動詞がくることが示されています。

いくつか例を示します。

Il dit avoir faim.(彼はおなかがへったと言っている)
Je sais nager.(わたしは泳ぐことができる)
Nous marchons sans parler.(わたしたちは話さずに歩く)
Ce poisson est bon à manger.(この魚は食用に適している)

命令法

その名のとおり、命令するための形です。命令する相手によって三種類の形があります。

  • 二人称単数(tuでよびかける人に対する命令)
  • 二人称複数(vousでよびかける人もしくは人たちに対する命令)
  • 一人称複数(nousに対する命令;~しよう)

それぞれ基本には対応する直説法現在形と同じ活用をします。

Cours à toutes jambes.(全速力で走りなさい)
Regardez-moi.(わたしを見なさい)
Allons en voiture.(車で行きましょう)

例外として、-er動詞の二人称単数に対する命令の場合、最後の"s"を省きます。例えばregarderの直説法現在二人称単数形はregardesですが、命令の場合、regardeになります。

Regarde-moi.(わたしを見なさい)

ただし、-er動詞の二人称単数でも、次に"en"か"y"が続く場合は"s"をつけます。

  • aimes-en.

このほか、不規則な活用をする動詞があります。しかし、これらは高々4つなので、簡単に覚えられるでしょう。

être avoir savoir vouloir
二人称単数 sois aie sache veuille
一人称複数 soyons ayons sachons veuillons
二人称複数 soyez ayez sachez veuillez
Sois sage.(大人しくしなさい)
Ayez une conversation avec lui.(彼と会話をしなさい)

enとy

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今回はフランス語をわかりにくくしている元凶のような人称代名詞二つをとりあげます。

en

前置詞のところでも"en"をとりあげましたが、今回は人称代名詞としてのenです。enが受けるのは"de + 物・人"です。

Elle était très belle. Je m'en souviens.(彼女はとても美しかった。わたしは彼女のことを覚えている。)

enを使わないならば、

Je me souviens d'elle.

となりますが、"d'elle"全体を一語の"en"で受けているわけです。人称代名詞なので、動詞の前に来ていることに注意してください。

As-tu lu ce livre?(その本を読みましたか?)
Non, je n'en sais que le nom.(いいえ、名前だけ知っています。)

enを使わないと、以下のようになります。

Non, je ne sais que le nom de ce livre.
Avez-vous de l'argent?(お金をもっていますか?)
- Oui, j'en ai beaucoup.(うん、たくさんもっている。)

enを使わないと、以下のようになります。

Oui, j'ai beaucoup d'argent.

この他、複数不定冠詞つきの名詞や、部分冠詞つきの名詞を受けて、「~のうちいくつか(いくらか)」という意味を表すこともあります。

Il y a de l'eau. En voulez-vous? (水があります。いくらかほしいですか?)
Ces tableaux coûtent cher, mais j'en achètrai.(それらの絵は高いが、いくつか買うつもりだ。)

y

yが受けるのは「à, dans, en等の場所を表す前置詞 + 名詞」です。

Est-ce qu'il est à Paris?(彼はパリにいますか?)
- Non, il n'y est pas.(いいえ、そこにはいません。)

「à + ~」については場所を表す意味でない場合でも、yで受けることがあります。

J'y pense toujours. (いつもそのことを考えている。)

否定文と疑問文

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否定文

フランス語で否定文を作るには主語の後から動詞の後までをnepasで囲みます。

例えば

Je suis étudiant.(わたしは学生です)

を否定すると

Je ne suis pas étudiant.

になります。

neは次に母音または無声のhがくるとエリジョンして"n'"になります。

Ce n'est pas une pipe.

否定文の直接目的補語(~を)や"il n'y a pas ~" (~がない)という構文では不定冠詞、部分冠詞はすべて"de"に変わります。

Je ne veux pas d'eau.(わたしは水はほしくない)
Il n'y a pas de maison près de moi.(わたしのそばに家はない)

ただし、属詞の場合はdeにならない。

Ceci n'est pas une pipe.(これはパイプではない)

"ne ~ pas"の代わりに"ne ~ jamais" で囲むと「決して~ない」という意味になり、"ne ~ plus"だと、「もはや~ない」、"ne ~ que"だと「~しかない」、"ne ~ guère"は「ほとんどない」という意味になります。

Je n'y vais jamais.(わたしは決してそこへいかない)
Il ne pleut plus.(もう雨は降っていない)

疑問文

フランス語で疑問文を作るには3つの方法があります。

  1. 基本的には。主語を動詞の後ろに倒置します。主語が代名詞の場合は間に"-"をつけます。
  2. 語順はそのままで主語の前にest-ce queをつける形もあります。
  3. (会話のみ)語順はそのままで最後に"?"をつけます。発音上は語尾のイントネーションをあげます。

「あなたは学生ですか?」をフランス語でいうと次の3通りが考えられます。

Vous êtes étudiant?
Est-ce que vous êtes étudiant?
Êtes-vous étudiant?

"est-ce que"の"que"は次が母音または無声のhの場合エリジョンして、"qu'"になります。

Est-ce qu'il y a la gare?(駅がありますか)

倒置して母音が続く場合間に"t"をはさみます。

Y a-t-il la gare?(駅がありますか)

否定疑問文(~じゃないですか?)は、以下のように主語まで含めて、"ne ~ pas"で囲みます。

N'y a-t-il pas la gare?

疑問文に対する返事

「はい」は"oui"、「いいえ」は"non"です。否定疑問文に対しては、相手のいうとおり「~じゃない」場合は"non"、「~だ」という場合は"si"といいます。

Ne mangez-vous pas ce pain?(そのパンを食べないんですか?)
Si, je le mange.(いいえ、食べます)
Non, je ne le mange pas.(はい、食べません)

疑問代名詞

「何」、「誰」、「どれ」といった言葉を使った疑問文を作るには、主語を動詞の後ろに転置して、その前に以下の疑問代名詞をつけます。

疑問代名詞 英語 意味
que, quoi
(queは母音または無声のhとエリジョンしてqu')
what que…何を、何が、何(属詞)
quoi…何(前置詞のあと)、何を
qui who, whom 誰(前置詞のあと)、誰が、誰を、誰(属詞)
lequel(男性単数)+複数名詞
laquelle(女性単数)+複数名詞
lesquels(男性複数)+複数名詞
lesquelles(女性複数)+複数名詞
which どれ、どちら
Qui est-il?(彼は誰ですか?)
À qui est ce cahier?(このノートは誰のですか?)
Qu'aimes-tu?(君は何が好きですか?)
Lequel de ces livres aimez-vous?(それらの本のうちどれが好きですか?)

queを強調して"qu'est-ce que"(目的補語、属詞)、"qu'est-ce qui"(主語)という言い方もできます。この場合は主語と動詞の倒置はしません。

Qu'est-ce que c'est?(それは何ですか?)
Qu'est-ce qui est la question?(何が問題ですか?)

同様にquiについても"qui est-ce que"(目的補語、属詞)、"qui est-ce qui"(主語)という言い方ができます。

Qui est-ce que vous aimez?(あなたは誰を好きですか?)
Qui est-ce qui vient?(誰がきますか?)

さらに会話では以下のように平叙文と語順をかえない言い方もできます。(この場合"que"でなく"quoi"を使う)

Vous aimez qui?
C'est quoi?

de + lequel = duquel, à + lequel = auquel, de + les(quels, quelles) = des(quels, quelles), à + les(quels, quelles) = aux(quels, quelles)と縮約します。

Auquelle de tes amies est ce livre?(その本はあなたの(女)友達のうち誰のものですか?)

疑問形容詞

ここでは"quel"を紹介します。意味は「どんな」とか「どれくらいの」です。形容詞なので性・数の一致をします。ただし、女性形は l を重ねて"quelle"です。

Quelle heure est-il maintenant?(今、何時ですか?)
Quel âge aves-vous?(あなたは何歳ですか?)
De quelle couleur sont ses cheveux?(彼(女)の髪は何色ですか?)

疑問副詞

主語を動詞の後ろに転置して、その前に以下の疑問副詞をつけます。

疑問副詞 英語 意味
quand when いつ
where どこ
pourquoi why なぜ
combien how many, how mach いくつ、いくら、どれくらい
comment how どうやって

Combien de pommes y a-t-il?(いくつのりんごがありますか?)

Où vas-tu?(君はどこへ行くんですか?)
Quand part le train?(その列車はいつ出発しますか?)
Pourquoi vous excusez-vous?(なぜ謝るんですか?)
- Parce que je n'ai pas d'argent.(お金をもっていないからです)

会話では"est-ce que"を使った言い方もできます。

Où est-ce que tu vas?

会話ではさらに以下のような言い方も出来ます。

Tu vas où?