ふらんせ入門: 2001年アーカイブ

条件法

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今回は「もし~」という仮定文をフランス語ではどう表現するかを紹介します。

仮定文

「もし」はフランス語では"si"です。"si"はほかにもいろいろな意味に使われるので、間違えないようにしてください。

S'il fait beau, je sortirai.(晴れたら外出します)

siが導く条件節の動詞は未来時制にならないことに注意してください。(S'il fera beau, ...)

条件法現在

"If I were a bird, I could fly." のように、英語には、現在と矛盾する仮定を表現するのに、仮定法という特殊な構文がありました。フランス語にも同様な形があります。

Si j'étais un oiseau, je volerais.(もしぼくが鳥なら、飛ぶのに)

ここで si が導く条件節の動詞の時制は半過去です。主節の動詞 volerais の活用が条件法現在になります。(英語の仮定法過去形は条件節の動詞の活用に使うので、仮定法という似通った名前を持ちながらフランス語の条件法とは役割がちがいます)

活用

条件法現在形の活用を紹介します。

語幹は単純未来と同じなので、そちらを参照してください。

語尾は半過去の語尾の前に"r"がつくだけです。

半過去 条件法現在
一人称単数 -ais -rais
二人称単数 -ais -rais
三人称単数 -ait -rait
一人称複数 -ions -rions
二人称複数 -iez -riez
三人称複数 -aient -raient

仮定文以外の用法

条件法現在のそのほかの用法を紹介します。

語調の緩和
Je voudrais voir M.Poirot.(ポワロさんに会いたいのですが)

この場合は「もし、おいやでないのなら」が省略されていると考えられます。

過去の一時点から見た未来
Il dit qu'il partira en vacances.(彼はバカンスにでかけるでしょうと言う)

上記の主節の動詞 "dire"を複合過去にすると、

Il a dit qu'il patirait en vacances.(彼はバカンスにでかけるでしょうと言った)

というように従属節の単純未来の動詞は時制の一致で条件法現在形になります。

条件法過去

ついでに条件法過去もやってしまいましょう。いうまでもなく過去と矛盾する仮定を表現するときに使います。語形は以下のとおりです。

助動詞の条件法現在形 + 過去分詞

パスカルの有名な言葉を例にあげます。

Le nez de Cléopâtre : s'il eut été plus court, toute la face de la terre aurait changé. (クレオパトラの鼻:もしそれがもっと低かったら、地球の姿は変わっていただろう)

このように主節の動詞が条件法過去になっています。

条件節の動詞はこの場合前過去形(助動詞の単純過去形 + 過去分詞)になります。単純過去や前過去にはこれまで触れてきませんでしたが、文章中にのみ使われる過去形です。この場合口語では 大過去形(助動詞の半過去形 + 過去分詞)が使われます。(つまり s'il avait été...)

これらの過去形は次回まとめて紹介します。

関係代名詞

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久しぶりの更新の今回は、関係代名詞。英語でさんざんやったと思います。フランス語も似たようなものです。安心?してください。

先行詞=関係節の主語

Regardez ça voiture.
+
La voiture semble haut.

Regardez ça voiture qui semble haut.(あの高そうな車をごらんなさい)
Hier j'ai rencontré une femme.
+
La femme étais très gentille.

Hier j'ai rencontré une femme qui étais très gentille.(昨日とても親切な女性に会った)

最初の例は先行詞は"voiture"で「もの」、二番目の例は"femme"で「人」。先行詞が関係節の主語にあたる場合は、「もの」、「人」どちらでも関係代名詞は"qui"を使います。英語では「人」の場合は"who"、「もの」の場合は"which"と分かれていましたよね。

先行詞=関係節の直接目的語

C'est la pipe.
+
J'ai connais la pipe.

C'est la pipe que j'ai acheté. (それはわたしが買ったパイプです)
Il est un médecin.
+
Je connais le médecin.

Il est un médecin que je connais.(彼はわたしの知り合いの医者です)

先行詞が関係節の直接目的語にあたる場合は、「もの」、「人」どちらでも関係代名詞は"que"を使います。

前置詞+関係代名詞

今までは、先行詞が「人」であっても「もの」であっても区別しませんでしたが、前置詞が絡んでくると、区別が必要になってきます。

La garçon est mon fils.
+
Elle marche avec la garçon.

La garçon avec qui elle marche est mon fils.(彼女がいっしょに歩いている少年はわたしの息子だ)

このように、先行詞が人の場合は、"前置詞 + qui"という形になります。(ただし前置詞が"dans"または"parmi"の場合は以下に示す"lequel"を使う)

Voila la maison.
+
J'habitais dans la maison.

Voila la maison dans laquelle j'habitais.(あれがわたしが住んでいた家です)

このように、先行詞がものの場合は"前置詞 + lequel"という形になります。この場合の注意事項は以下の通り。

  • lequel は先行詞の性・数に応じて変化する。
  • 前置詞が"à"または"de"の場合は"lequel"、"lesquels"と縮約して1語になる。

dont

前置詞が"de"の場合、関係代名詞は"de qui"または"duquel"("de laquelle"、"desquels"、"desquelles")となるわけですが、実はその代わりに"dont"を使うことができます。

C'est le livre.
+
Je t'ai parlé du livre.

C'est le livre dont je t'ai parlé.(それが君に話していた本です)
( C'est le livre duquel je t'ai parlé. でもよい)

間接話法

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筒井康隆の短編に「関節話法」というのがありましたが、今回はぽきぽき鳴らない「間接話法」です。

直接話法

これまで紹介していなかったので、まずは直接話法の書き方から。

Elle m'a dit : « Je veux du thé ». (彼女は「お茶がほしい」とわたしにいった)

このようにフランス語で引用をする場合は "«" と "»" で囲みます。

Je lui demande : « Quelle heure est-il? » (わたしは彼に「何時ですか?」とたずねる)

平叙文の間接話法

直接話法の最初の例文を間接話法に変えてみましょう。

Elle m'a dit qu'elle voulait du thé.

注意することは3つあります。

  1. 平叙文(否定文も)を間接話法にする場合は、接続詞 "que"が必要。
  2. 代名詞の人称が変わる。"je"→"elle"。
  3. 時制が変わる。元は現在形でしたが、主節が複合過去なので、時制の一致を受けて半過去(過去における現在)になります。

間接疑問文

直接話法の二番目の例文を間接話法に変えてみます。

Je lui demande quelle heure il est.

  1. 疑問文を間接話法にする場合は、接続詞 "que"は不要で、"que"の位置には疑問詞がきます。
  2. 語順は「主語→動詞」です。

例外として、«Qu'est-ce que ...?»、«Qu'est-ce qui ...?»というタイプの疑問文の場合、間接疑問の疑問詞はそれぞれ"ce que"、"ce qui"になります。

Paul me demande ce que c'est.(ポールはわたしにそれは何ですかとたずねる)
Je demande à Paul ce qui est la question.(わたしはポールには何が問題ですかとたずねる)

疑問詞がない疑問文の場合は"si"(~かどうか)を使います。

Je lui a demandé si elle était heureuse.(ぼくは彼女に幸せかどうかときいた)

時制の一致

主節が複合過去のとき、直接話法を間接話法に直すと動詞の時制は次のように変化します。

  1. 現在形→半過去形
  2. 複合過去形→大過去形(複合過去の助動詞が半過去になったもの)
  3. 半過去形→半過去形

複合過去→大過去の例を示します。

直接話法:
Elle m'a demandé : « Quand avez-vous passé l'examen? »(彼女はぼくに「いつ試験を受けましたか」ときいた)
間接話法:
Elle m'a demandé quand j'avais passé l'examen.

命令の間接話法

Elle m'a dit : « Fais un beau rêve ».(彼女はわたしに「いい夢を見てね」と言った)

これを間接話法にすると、

Elle m'a dit de faire un beau rêve.

このように "de"をつけて動詞を原形に変えます。

単純未来

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過去の次は未来です。複合過去のような助動詞をとらず動詞単独で活用するので「単純未来」と呼ばれます。

語形

まずは語尾から覚えましょう。

一人称単数 -rai
二人称単数 -ras
三人称単数 -ra
一人称複数 -rons
二人称複数 -rez
三人称複数 -ront

覚え方は簡単で、「最初は"r"、続いてはavoirの直説法現在の活用の語尾」です。

語幹は一種類ですが、動詞のほかの活用形と全く独立なので、各動詞ごとに覚える必要があります。

不定形 avoir être aimer
(第1群規則動詞)
finir
(第2群動詞)
valoir voloir ouvrir venir courir
単純未来の語幹 au- se- aime- fini- vaud- voud- ouvri- tiend- cour-
不定形 lire voir acheter prendre mettre aller dire faire connaître
単純未来の語幹 li- ver- achète- prend- mett- i- di- fe- connaît-

以上紹介したようにバラバラです。

意味

単純未来という名のとおり未来のことを述べる場合に使いますが、定まった予定について述べる場合には使えません。この場合は現在形を使うので注意してください。

意志
Je me lèverai tôt demain.(明日は早起きするつもりだ)
推量
Il fera beau cet après-midi.(今日の午後は晴れるでしょう)
命令
Nous irons en France la semaine prochaine.(来週フランスにいきましょう)
予定は現在形
La réunion commence à trois heures.(会議は三時からはじまります)

半過去

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複合過去はそのできごとがすでに完了したことを意味していました。今回紹介する半過去形は、それとは対照的に、そのできごとが未完の状態にあることを意味します。

語形

複合過去はavoir, êtreという助動詞を使いましたが、半過去は動詞そのものを活用させます。語幹は、être以外は現在形の一人称複数形と同じです。たとえば、avoirの半過去形の語幹は、現在形の一人称複数形avezと同じなので、"av-"です。なお、êtreの半過去形の語幹は"ét-"です(例外)。

語尾は全て共通で以下のようになっています。

一人称単数 -ais
二人称単数 -ais
三人称単数 -ait
一人称複数 -ions
二人称複数 -iez
三人称複数 -aient

たとえば、aller(いく)の半過去形の活用は以下のようになります。(一人称複数現在形はallons→)

一人称単数 allais
二人称単数 allais
三人称単数 allait
一人称複数 allions
二人称複数 alliez
三人称複数 allaient

意味

冒頭でも述べたように、半過去形の意味の特徴は中途半端、つまり未完了ということです。大きくわけて二通りの意味をもちます。

現在の視点

過去のある時点の出来事が、中断してしまったとか、継続しているとかの理由で、いまだに完了していない(あるいは完了したかどうかはっきりしない)場合に使います。したがって、「~まで」とか「~の間」などの期間を表す言葉とはいっしょに使えません(→いっしょに使うときは複合過去)。また、複合過去がどちらかといえば事実を客観的に伝えていたのとは対照的に、感情的な含みを持つことが多いようです。

Je t'aimais depuis longtemps.(君のことがずっと好きだったのに)
On parlait d'elle justement.(今彼女のことを話していたんだ)
Ah, j'oubliais...(おっと、忘れてた…)
過去の視点

過去のことを、そのときの視点で語ろうとするとき(つまり「過去からみた現在」)には、半過去を用います。

Je visitais la maison tous les soirs.(わたしは毎晩その家を訪れていた)
Quand Je me promenais, il a commencé à pleuvoir.(散歩していると、雨が降りはじめた)
Elle dormait à ce mement-là.(彼女はそのとき眠っていた)

受動態

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過去分詞を使った構文ということで前回の複合過去に続いて、今回は受動態をとりあげます。

当然のことながら受動態になるのは他動詞だけです。Aが主語でBが目的補語になっている"A 他動詞 B."という文を受動態に変えると、以下のようになります。

B + être + 過去分詞 + (par A).
  • 動作主を明示したい場合だけ"par A"(Aによって)をつけます。Aが「みんな」を意味する言葉の場合など、"de A"というように前置詞に"de"を使うこともあります。
  • 過去分詞は主語Bと性数の一致をします。
  • 複合過去のところで説明したように、一部の自動詞と全ての代名動詞は助動詞としてêtreを使うので、一見受動態とまぎらわしいですが、「他動詞の過去分詞なら 受動態。それ以外なら複合過去」と覚えてください。
Elle est aimée de tout le monde.(彼女はみんなから愛されている)
Ces documents sont détruits.(それらの文書は破棄される)

受動態を複合過去にすることもできます。êtreを複合形にして"avoir + été"にするだけです。

De la soie a été exportée par notre enterprise.(絹は私たちの会社によって輸出されていた)

複合過去

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フランス語では一口に過去形といっても、複合過去、半過去、単純過去、大過去、前過去など多くの形があります。それぞれ微妙に意味合いが違うのですが、その中から今回は、もっともよく使われる複合過去を紹介します。

語形

複合過去は過去分詞を使って、次のいずれかの形をとります。複合過去という名前の由来は、助動詞(avoirとまたはêtre)と複合して一つの動詞の役割を果たすところからです。

avoir + 過去分詞
être + 過去分詞

全ての他動詞、ほとんどの自動詞はavoirを使い、場所の移動および生死を表す一部の自動詞と、代名動詞はêtreを使います。

êtreの場合、過去分詞は主語と性・数の一致をします。

J'ai mangé du poisson hier.(わたしは昨日魚を食べた)
Tu as été à Paris?(君はパリにいったことがありますか?)
Elle est née le 12 janvier.(彼女は1月12日に生まれた)
Ils se sont mariés l'autre jour.(彼らは先日結婚した)

用法

活用の形をみてわかるように、複合過去は英語でいうと"have + 過去分詞"という形の現在完了形に似ています。同じように、複合過去は完了(~してしまった)、経験(~したことがある)、継続(~してきた)という意味をもつことができます。これに加えて、英語では現在完了形ではなく過去形を使う、過去のある一点の出来事を表します。

J'ai déjà lu ce livre.(わたしはすでにその本を読んでしまった)→完了
Elle n'a jamais été à Tokyo.(彼女は一度も東京いったことがない)→経験
Nous avons dormi pendent tros jours.(わたしたちは3日間眠り続けた)→継続
Je suis arrivé justement à midi.(わたしはちょうど12時に着いた)→過去の一点

複合過去は口語的過去とも呼ばれ、よく会話で用いられます。

近接過去と近接未来

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21世紀になったので、いよいよ時制の話に入っていきます。本格的な過去形・未来系について紹介する前に、まずはこて調べとして、比較的近い過去や未来のことを表す方法について紹介します。

近接過去

たった今終わったようなことがらを表します。日本語でいうと「~したばかりだ」となります。形は以下のとおりで、venir(来る)という動詞を使います。

venir de + 動詞の原形
Elle vient de sortir.(彼女は出て行ったばかりだ)
Nous venons de rentrer.(わたしたちは帰ってきたばかりだ)

近接未来

上とは逆にこれからすぐ起きることがらを表します。日本語でいうと「~するところだ」となります。形は以下のとおりで、aller(行く)という動詞を使います。英語で"be going to ~"で未来を表すのと似ていますね。

aller + 動詞の原形

近接過去とは異なって、deはないので注意してください。

Il va sortir.(彼は外出するところだ)
Je vais t'offrir ce vin pour ton anniversaire.(誕生日にはそのワインを君に贈りましょう)

この他、"aller + 動詞の原形"は「~しに行く」とか命令などの意味をもちます。

Ils vont pêcher à la rivière.(彼らは川に釣りをしに行く)
Vous allez écouter mon avis.(わたしの忠告をききなさい)