ふらんせ入門: 2002年アーカイブ

さて、文法の紹介については一段落したところで、今回は「フランス語とインターネット」というテーマで書きたいと思います。

フランス語に触れる

語学では何といってもその言語に触れることが大切です。日本でふつうに生活しているとあまりフランス語に触れる機会はないですが(ショップの名前には意外なほど多く使われてはいますけど)、インターネット上にはそれこそ無数のテキストが転がっています。適当なフランス語の単語をキーに検索をかけるだけで、あっという間に生きたフランス語に触れることができます。とりあえずは新聞社のサイト、Le FigaroLibérationなどがいいかもしれません。次には自分が興味ある分野のサイトを探してみるのがいいでしょう。好きなことだと、読もうという気になるものですから。

便利なサイト

アメリカのシカゴ大学にARTFL(American and French Research on the Treasury of the French Language )というすばらしいプロジェクトがあります。その中からいくつか便利なページを紹介しておきます。

インターネット用語

フランス語ではインターネット用語をどういうのでしょうか。辞書にはもちろん載っていないので、インターネットで調べてみました。

Webサイト
“(un) site de la toile”とか “(un) site sur la toile”が正しい言い方のようです。“toile”はフランス語で蜘蛛の巣です。また、“(un) site web”という表現もよく見かけました。
インターネット
これはそのまま internet です。男性名詞です。
電子メール
サービスとしての電子メールは“(un) courrier électronique”または“(un) messagerie électronique”というようです。
メールアドレス
“(une) adresse de courrier électronique”です。電話番号を“Tél.”というように“Mél.”と略されることが多いようです。
ブラウザ
(un) navigateur または (un) logiciel de navigation です。explorerではないようですね。
FAQ
(un) fichier des questions courantesともいうようですが、(une) foire aux questionsであれば英語同様FAQを略語に使えます。foireは見本市という意味です。
ホームページ
(une) page d'accueil。単に accueil ともいいます。意味はおうちではなく受付です。
リンク
(un) lien。ひもという意味です
チャット
(une) causette。おしゃべりという意味です。
サーチエンジン
(un) moteur de rechercher。エンジンはフランス語で moteur (=モーター)というようです。
URL
基本的にこういう一般的な略語はそのまま使われるようです。フランス語で書き下す場合には、Localisateur uniforme de ressourceとなるそうです。Uniformed Resource Locator をそのままフランス語にした言葉です。
ユーザー
(un) utilisateur。utilisatriceという女性形がありますが、特に性別を限定する場合しか使わないと思います。
パスワード
(un) mot de passe
ファイル
(un) fichier。カードボックスという意味。
ディレクトリ
(un) répertoire。目録とか一覧という意味。
ダウンロード
名詞としては (un) déchargement、動詞としては décharge。もとの意味は積荷をおろすことで、downloadと対応しています。Microsoft Franceでは(un) téléchargement/télécharge が使われていますが、用語として適してないとかほかのところでいわれています。
アップロード
名詞としては(un) dépôt、動詞としては déposer。預けるという意味です。
ウイルス
(un) virus。英語と同じ綴りです。

それぞれフランス語があるようですが、実際は英語そのままの形で使っている例も多いようです。

接続法

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今回は接続法。事実ではなく主観を述べるときに使う用法です。嘘とか間違いとか空想とかいうのではなく、その事柄を「」の中に入れてネタとして使うという感じです。たとえば『「宝くじで100万円あたった」わけがない』とか。この場合、「」の中だけ立ち聞きされると、ほんとうにあたったと思われてしまうわけですけど、接続法で述べておけばその心配がなくなるわけです。

使い方はそれほど難しくありません。まず、必ず従属節の中で用いられます。主節の中で用いられることはありません。またこういう場合は接続法というパターンがいくつか決まっていて辞書に載っています。たとえばクラウン仏和辞典だと、 sub.と書かれているところが接続法を使うことを意味しています。

活用

接続法にも現在、半過去、過去、大過去という時制がありますが、ここでは現在形のみ紹介します。

原形 一人称単数 二人称単数 三人称単数 一人称複数 二人称複数 三人称複数
avoir aie aies ait ayons ayez aient
être sois sois soit soyons soyez soient
aimer aime aimes aime aimions aimiez aiment
finir finisse finisses finisse finissions finissiez finissent
valoir vaille vailles vaille valions valiez vaillent
vouloir veuille veuilles veuille voulions vouliez veuillent
ouvrir ouvre ouvres ouvre ouvrions ouvriez ouvrent
venir vienne viennes vienne venions veniez viennent
courir coure coures coure courions couriez courent
lire lise lises lise lisions lisiez lisent
voir voie voies voie voyions voyiez voient
acheter achète achètes achète achetions acheiez achètent
prendre prenne prennes prenne prenions preniez prennent
mettre mette mettes mette mettions mettiez mettent
aller aille ailles aille allions alliez aillent
dire dise dises dise disions disiez disent
faire fasse fasses fasse fassions fassiez fassent
connaître connaisse connaisses connaisse connaissions connaissiez connaissent

まずは典型的な例から

Je ne crois pas qu'il vienne.(わたしは彼が来るとは思わない)

「彼が来る」というネタを主節で「思わない」と否定しています。そういうときは接続法を使います。

Je crois qu'il vient.(わたしは彼が来ると思う)

対照的にこの場合は、「彼が来る」のはネタではなく事実です。そういう場合は直説法です。

いくつか接続法の例を見てみましょう。

Je suis content que vous me invitiez.(お招きいただいてうれしいです)

招いてもらったのは事実でしょうから、これは直説法でも可な例です。事実かどうかは問題ではなく、そのことをネタとしてうれしいという気持ちを伝えるので接続法です。

Il faut que nous travaillions bien.(われわれはしっかり働かなければならない)

faut(=falloir)「~でなければならない」では「~」の部分はネタとして扱われます。

副詞との組み合わせ

このほか副詞と組み合わせることにより、目的や譲歩をといったような特殊な意味をもちます。

pour que 接続法
~するために
sans que 接続法
~しないで
à moins que 接続法
~しないと
bien que
~とはいえ
Courez pour que vous attrapiez le train.(電車に間に合うように走りなさい)
Bien qu'il preuve, il fait chaud.(雨が降ってはいるが暖かい)

完結

さてこれで一応このコーナーでとりあげようと思っていた内容は一通り書いたつもりです。ここまでくるまでに予想外にたくさんの時間がかかってしまいました。

今後ですが、まずは間違いとか、わかりにくいところとか、構成を変えたほうがいいとかいろいろあると思うので、その辺を見直すことにします。そのあとは辞書のページを充実させたり、フランス語の詩を読むページを作るとか、そんなこともやろうかとも思っています。

まあ、とりあえずはいったん完結ということで...

Au revoir, tout le monde.

その他の時制

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これまで触れなかった4つの時制、単純過去、大過去、前過去、前未来を紹介します。

単純過去

会話には使われず文章のみに使われます。過去のある時点のできごとを表します。複合過去には4つの用法、完了・継続・経験・過去の一点というのがありましたが、そのうち「過去の一点」を表現するときのみ文章では単純過去を用います。他の3つの用法は文章でも複合過去を用いるので注意してください。なお、「単純」というのは「助動詞をとらない」ということです。別に簡易版とかいうのではありません。

活用

「単純」という名前とうらはらに活用は簡単ではありません。一応基本的な動詞について活用を紹介しておきます。

原形 一人称単数 二人称単数 三人称単数 一人称複数 二人称複数 三人称複数
avoir eus eus eut eûmes eûtes eurent
être fus fus fut fûmes fûtes furent
aimer aimai aimas aima aimâmes aimâtes aimèrent
finir finis finis finit finîmes finîtes finirent
valoir valus valus valut valûmes valûtes valurent
vouloir voulus voulut voulut voulûmes voulûtes voulurent
ouvrir ouvris ouvris ouvrit ouvrîmes ouvrîtes ouvrirent
venir vins vins vint vînmes vîntes vinrent
courir courus courus courut courûmes courûtes coururent
lire lus lus lut lûmes lûtes lurent
voir vis vis vit vîmes vîtes virent
acheter achetai achetas acheta achetâmes achetâtes achetèrent
prendre pris pris prit prîmes prîtes prirent
mettre mis mis mit mîmes mîtes mirent
aller allai allas alla allâmes allâtes allèrent
dire dis dis dit dîmes dîtes dirent
faire fis fis fit fîmes fîtes firent
connaître connus connus connut connûmes connûtes connurent

これだけならべるとさすがに規則性が浮かび上がってきますね。-er動詞とそれ以外で大きく分かれて、-er動詞以外の語幹は過去分詞と同じものが多いことがわかります。êtreはなんか信じられない変化をしてますね。どこから"f"が出てきたんでしょう。

例を一つだけ。小説の中の一文と思ってください。

Il ouvrit la porte à ce moment. (彼はそのときドアを開けた)

口語では複合過去を使って以下のようにいいます。

Il a ouvert la porte à ce moment.

大過去

こちらは会話の中でもよく使われる表現です。フランス語では"Plus-que-parfait"(完了以上)といわれるように。複合過去や単純過去でいい表わされる時点よりさらに過去をふりかえって述べるときに使います。英語でいうと過去完了形に相当します。語形は以下の通りです。

助動詞の半過去形 + 過去分詞
Elle avait déjà lu le livre qu'il a acheté.(彼女は彼が買った本をすでに読んでしまっていた)
Quand je suis arrivé à la gare, il était rentré.(わたしが駅に着いたとき、彼は帰った後だった)

このほか、半過去のところで述べたような感情的な含みを伝えることもあります。半過去が現在の状態に未完という含みをもたせたように、大過去は過去のできごとに未完という含みをもたせます(約束した[ことを果たしていない]とか、いった[ことを信じていない]とか…)。

Tu m'avais promis de rentrer à cinq heures. (君は5時に帰ると約束したのに)

前過去

前過去も単純過去同様文章にしか使いません。大過去同様、過去のある時点からさらに過去を振り返るときにつかいます。語形は以下の通りです。

助動詞の単純過去 + 過去分詞
Le nez de Cléopâtre : s'il eut été plus court, toute la face de la terre aurait changé. (クレオパトラの鼻:もしそれがもっと低かったら、地球の姿は変わっていただろう)

前未来

未来の時点で完了していることを振り返ります。また、完了したことを推測する場合にも使います。

助動詞の単純未来 + 過去分詞
Le jeu aura fini à sept heures.(試合は7時には終わっているでしょう)
Il sera mort dans l'auto. (彼はきっと車の中で死んでしまった)