ミスター・ヴァーティゴ

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はじまりは昨日の深夜だった。

灯を消して布団に潜り込んだぼくに突然おそいかかったそれを、当然のように睡魔だと思ったのだが、なんか違う。もやあっと、まだ暗闇に慣れない視界がずれていって、意識もそれにあわせてずれてゆく。やばい、このまま意識を失ったら、二度と目覚めないかもしれない。そんな気がして、引きずり込まれないように、深い呼吸をしてみたり、身体を動かしたりした。それは眩暈というやつだった。寝ていて眩暈を感じたのは初めてだ。

今朝、起きてその症状は改善どころか悪化していて、当然仕事を休むべきだったのだが、やむにやまれぬ状況で、なんとか服を着込んで外に出てみた。こつは遠くを見ずに近く、自分の足下を見ることだ。そうすれば、いくらフォーカスがずれても容易に補正できる。

つらかったのは混んだ電車の中だ。つり革につかまってゆれていると、だんだん息苦しくなり、足にぶるぶる震えがきた。肉体的なつらさというよりこのまま意識を失うのではないかという恐怖にとらわれて、いやな汗が噴き出してくる。深く呼吸してものどのあたりがひりつくだけだ。隣駅のホームに着いた瞬間、外に飛び出して、ベンチにへたりこんだ。

そんなこんなで、会社にたどりつけたのは、ほとんど奇跡といってよい。でも、当然のように誰も祝福はしてくれない。目をつむると虹がゆらゆら揺れている。

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だ、だいじょうぶですか?!

ご心配いただいてありがとうございます。昨日一日伏せっていたら何とか眩暈はおさまりました。今日はどうしても出社しなければならなかったため、とてもラッキーでした。こういうときには、健康のありがたさが身にしみますね。

健康のありがたさを実感するためには、病気というものが必要なんでしょう。そういう意味で病気もありがたいというか、病気のときの、浅い眠りの繰り返しや、寝転がりながらDVDを見て過ごすのも悪くないと思ったりもします。

でも、ほんとうに調子の悪いときに眠ろうとすると、腕やら脚やら胴体やらがいくつもからみあっていて、自分の身体が自分じゃないような感覚がありました。つらかったです。

猿虎さんも風邪をひかれているようですが、悪化しないように気をつけてください。

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