SAQ: 2008年アーカイブ

1845年のドルの価値

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Q

はじめまして。いままさに森の生活を読んでいます。ソローさんの生活にかかった費用が詳しく出てきますよね?1845年のドルなんて!!石炭ニ樽2ドル40セントが「高い!」っておっしゃっていますが、僕の感覚だとえ?300円?てかんじなんですよね。1845年。1ドルおいくらなのでしょうか・・・?ご存知でしたらどうか教えてください。(これゆきさんからの質問)

A

一番最初にお金の話をもってくるところが、ソローのリアリズムを感じさせて、ほんとうの理想主義というのはこういうことだよな、と強く感心したことを覚えています。

さて、ヒントはまさにこの本の中にあります。本の中からいくつか数字をあげてみましょう。

  • 家賃の相場は年額25ドルから100ドル
  • ふつうの家屋を購入するには800ドル
  • 厚手の上着は5ドル、厚手のズボンは2ドル
  • 労働賃金は1日あたり1ドル

一番比較しやすいのは労働賃金ですね。非常におおざっぱにいうと2008年の日本では1日あたり1万円くらいです。そうすると1845年の1ドルは今の日本でいうと1万円くらいになるのではないかと思います。

さて、石灰はあまりおおきな技術革新もなさそうなので、今と価格水準があまりちがっていないような気がします。念のため石灰の値段で1845年の1ドル=1万円という比率が正しいかどうか検証してみましょう。

家の壁を塗るのに使ったものなので、たぶん消石灰つまり水酸化カルシウムでしょう。これが2樽ですから、仮に石油の単位になったバレルくらいの樽だとして、1つあたり160リットル、2つで320リットル。消石灰の見かけ比重が0.5ということですから、重量160kgということになります。これが2ドル40セントなので1kgあたりの単価は1.5セントです。例の比率で換算すると150円。

現代日本での消石灰の小売値は調べてみると用途などによって千差万別ですが、だいたい100円~200円というところです。というわけで結構いい線いってるみたいです。

スピノザと日本

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Q

17世紀オランダの哲学者スピノザが日本に関して言及していると話をききました。その頃日本は江戸時代で鎖国していたはずですが、どんな形で言及されているのでしょうか?

A

スピノザが活躍した頃の日本は四代将軍徳川家綱の時代で、鎖国体制の下、幕藩体制が安定してきた頃です。鎖国とはいっても例外的にオランダとの間では貿易が行われていたので、スピノザの元にもなにがしかの情報が入っていたのでしょうね。

すべての著作をチェックできたわけではありませんが、とりあえず発見できたのは、『神学・政治論』の第5章です。キリスト教の儀式を行うことと幸福との間に関連はないという文脈で、一例として、キリスト教が禁止されている日本で暮らしているために儀式を行うことができないオランダ人について触れています。

We have an example of this in Japan, where the Christian religion is forbidden, and the Dutch who live there are enjoined by their East India Company not to practise any outward rites of religion. (R. H. M. Elwesによる英訳)

これが日本に関する言及といえるかどうか微妙なところですが、スピノザは少なくとも日本という国の存在とキリスト教が禁止されていたことは知っていたんですね。