白いテーブル

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散歩?それって何のことだっけ?

夏になると白い丸テーブルのことを考える。ほかのことは何一つ考えない。テーブルの上には江戸切子の涼しげなグラスが置かれており、中には青く透き通った液体がなみなみと注がれており、溶けきらない氷がぷかぷかと浮かんでいる。ああ、飲みたい。ぼくはその液体がのどに流し込まれる瞬間のひんやりした感触を想像する。きっと、生きかえったような気持ちがするのだろう。

今日も頭の中は白いテーブルのことでいっぱいで散歩どころではないので、映画を見ようと思っていた。『ざわざわ下北沢』だ。上映開始時刻は11時、13時、15時、17時、19時と毎奇数時で非常にわかりやすいが、目が覚めたときすでに12時をまわっていたので、11時と13時はもう間に合わない。久しぶりにエアコンのフィルターの掃除をしていたらあっという間に14時を過ぎてしまい、家を出たのは15時の回にも間に合わない時間だった。

それほど髪が伸びていたわけではないのだが、夏で鬱陶しいのでまず床屋に行った。その後、食事。大阪で入ったラーメン屋『天下一品』が蒲田にも店を出していると聞いていたので、今日ようやく行ってみた。時間がおそかったせいもあるが、客はぼくだけだった。ラーメン屋というと行列するものというイメージがあるので、ちょっと心配になったが、味は大阪とあまりかわらない。クリームシチューのようなこってりしたスープが癖になる。ラーメン、チャーハン、餃子のセットを注文してしまったので、苦しいくらい腹がいっぱいになる。食べすぎだ。

ヘッドフォンが欲しかった。ぼくはマウスコレクターとして知られているが、ヘッドフォンのコレクションも相当なものだ。耳への装着感と音質両方に満足いくものがなかなかないので、ついいろいろ試したくなってしまうからだ。今主に使っているソニーのMDR-G82は耳をすっぽり覆うタイプで、冬場は暖かくて重宝したが、さすがに夏はつらい。新宿のヨドバシカメラで同じくソニーのMDR-Q33という耳にぶらさげるタイプのを買った。ヘッドフォンキャップの部分を取り替えることができるようで、標準で2色ついてきて、ヘッドフォンキャップだけ別売りもされている。さすがのぼくもそれまで集めようとは思わない。

スターバックスで、おなかの中からきく冷房、フラペチーノを飲んだが、今日の陽気ではあっという間に効果がなくなってしまった。小田急の南新宿から下北沢に向かい17時の回を観ようと思っていたが、駅の前で時計を見て、17時をまわっていることに驚かさせる。次は19時だが、もうそこまで待つ元気がなくなっていた。

何となく渋谷に行った。もし一番好きな町はどこかと聞かれたら、30秒考えた末に渋谷というだろう。ついつい足が向く。ブックファーストで『BT美術手帳8月号』を買う。特集は「ロンドン2000東京21世紀」。ロンドンに新たにできたテイト・モダンという美術館の話と、それと対比するような形で、東京における美術の現状が語られている。まあ、金ぴかの城がセンスがいいと思っている人間が力を持っている国のことだ。どうにもならないだろう。

タワーレコードでCDを2枚買った。ジャズギタリストJesse Van Rullerの“herbs, fruits, balms and spices”とちょっと変わった半音階的なメロディーの女性ジャズボーカルのアルバム“Karen Mantler's Pet Project”。両方とも軽快なリズムの軽めの音楽だ。音楽にせよ映画にせよ、なぜか重厚なものを選んでしまう傾向がある。重いものは結局あまり観なかったり聴かなかったりするので、軽いものの方が好きなのは間違いないと思う。ぼく自身も相当軽い人間だ。これからも羽のように軽く生きていこうと思う。

東急東横店の地下の食品売り場で夕食のパンを買った。昼食べ過ぎたので、夕食は軽めにしようと思ったのだ。その後、レピシエでマスカットのフレーバーティーを買った。秋深い森の中で落ち葉を踏みしめたときのような不思議な香りのするお茶だ。おまけとして、お茶がおいしい天然水というのをもらって、荷物が少し重くなってしまった。

それにしても、早く秋にならないかな。吹き抜けていく風の肌寒さと心細さが待ち遠しい。

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