久しぶりの土曜日の休み。まず、うっかりして1週間延滞してしまった本を返しに図書館へ向かう。
図書館は3階だ。今日は散歩しようと思っているので、別にここで体力を消耗する必要もない。ちょうど一階にとまっていたエレベータにのりこんだ。3階のボタンを押して、しばし気をぬく。人は誰でもエレベータのボタンを押した直後に気が抜けるものなのだ。瞬き二回分くらいたって、ぼくはふとわれにかえった。エレベータが動いていないのだ。ボタンをかちゃかちゃ押しても、何の反応もない。故障で閉じ込められたかと一瞬青くなったが、もういちど落ち着いて「開」ボタンを押してみた。ぼくの目の前でがたがたという音をたてて扉が開いたとき、心底ほっとした。どうやらあわてていて「閉」ボタンを押してしまっていたらしい。「呼び出し」ボタンを押さなくて本当によかった。赤っ恥をかくところだった。
気を取り直して、階段を登ろうとすると、「本日は図書館は休みです」と書いてあった。どおりで、エレベータが3階までいかないはずだ。入り口のところにも大きな文字で書いてある。いつもぼうっと歩いているからこういうことになる。
そばでも食べようかと思っていたが、もっと腹にたまるもの、例えばステーキが食べたくなった。今日の散歩は最近続いた都心方面をやめて、目黒・世田谷にしようと思っていたので、自由が丘のステーキ屋にいくことにした。
今日もビル・エヴァンス似の中年の店員さんが迎えてくれた。注文したのはスライスステーキという、文字通り、あらかじめステーキがスライスされてでてくるもの。ソースの味を選ぶことができるのだが、今日は刺激の強さがほしかったので、ガーリックにしてみた。
肉はなかなかやわらかくて、味もよかった。ただスライスされたにんにくがそのままふりかけのようにかかっているので、食べ終わった頃には、口の中全体がにんにくの味で一杯になってしまった。食後のアイスコーヒーで少しでも口の中をすっきりさせようとしてみたが、コーヒーまでにんにくの味がする。ガーリックコーヒーだ。
散歩開始。自由が丘の街は今日もにぎわっている。気候がいいせいか、少し歩いているだけで、とても気持ちよくなってきた。金木犀の花の香りがそこかしこから漂ってくる。もし、この香りに色がついていたら、この季節の街はとても幻想的だろう。香りの感じからして黄色系統がいいような気がする。
自由が丘の駅からほどちかい電柱に、「女の子用の安い部屋18000円」という貼り紙が貼ってあった。どんな部屋なのだろう。「女の子用」というのが怪しい感じがする。
駅前の商店街を北に直進し、つきあたりで右折し西へ向かった。環七を渡り、西小山へ。そのまま目蒲線ぞいを目黒方向に歩く。久々に林試の森公園にいってみた。かなり暗くなっていたが、人はまだいっぱいいた。それもそのはずで、園内の時計をみるとまだ5時なのだ。いつの間にか暗くなるのがほんとうに早くなっている。これからは、もう少し早起きしないと。
木々を見渡すと、紅葉はまだまだという感じだ。広場には、犬を連れた人たちが集まっている。3つ並んだベンチの右端に中年の男が座ってギターを弾いている。クラシックでもジャズでもタンゴでもなくファンキーなロックンロールだ。左端に座っている同年代くらいの男は、そのリズムに耳を傾けているようにみえた。自分だけのための無料コンサートだ。
目黒駅を越え、白金台まで歩いた。白金台の駅は何となく目黒からすぐなのではないかと想像していたが、かなり白金高輪よりだった。8.3km。
来た電車が南北線だったので、白金高輪で三田線に乗り換え神保町まで行った。「文学界」11月号に宮沢章夫さんの『砂の上のキューブ』が掲載されているので、探してみたが見当たらない。そのときはまだ発売されていないのかとも思ったが、家に帰ってから調べたら10月7日発売ということだった。売り切れだろうか。
このサイトでやっている「ふらんせ入門」は、実はあやふやな記憶と辞書の説明をもとに書いている。間違いや抜けがあるのではないかととても不安なので、白水社刊西村牧夫著『解説がくわしいフランス文法問題集』というのを買った。なかなかわかりやすい、いい本だと思う。
「散歩の達人」11月号を買う。板橋・王子・赤羽特集だ。
秋葉原まで歩く途中、小川町でスターバックスを見つけた。淡路町のスターバックスによろうと思っていたのだが、それより近くにあったとは知らなかった。久しぶりにキャラメルマキアートを飲む。昔飲んだときは甘すぎるように感じたが、今日飲んだらなかなかおいしかった。
スターバックスを出ると、サンタクロースの格好で呼び込みをしている人がいる。スノーボードの呼び込みとはいえ、10月、しかもこんな暖かい日にいくらなんでもその格好はないだろう。
秋葉原では、『パパと呼ばないで』の第8巻を買った。

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