予報では夕方から雪になるとのことだった。ついでのようにいっていた最高気温は4度。確か水の比重が最大になる温度だ。いつものように重装備で外にでたが、あまりの寒さに散歩できるような気がしなかった。なんだか憂鬱な一日になりそうだった。
そこで脳裏をかすめたのが、さっき家でみたAKIBA PC Hotline!(http://www.watch.impress.co.jp/akiba/)の記事。ここのところのメモリーの値下がり傾向はものすごく、いつの間にか256MBのメモリーが1万円くらいで買えるようになっているようなのだ。散歩が無理なら、気晴らしにせめてメモリーを増設しようと思った。歩いているうちに思いはどんどん広がって、ついでにハードディスクやマザーボード、CPUまで1セット買うことになってしまっていた。今回ボーナスで特に大きな買い物をしていないので、それくらい自分にごほうびをあげてもいいだろう。
ちょっとうきうき気分になって、蒲田の蕎麦屋で食事。鴨せいろがうまい。蕎麦湯でうすめてつゆを残さず飲んだ。
さて、秋葉原。まずはメモリー。ラジオデパートの中を見てみたが、あまり安くない。12000円くらいした。最近円安が進んでいるので、あっという間に値上がりかと、ちょっと気分をそがれた。しかし、ここは気を取り直して、ほかの店も見てみることにした。
箸勝の上にあるユーザサイドへ。10800円。ほぼWWWで見た値段だ。ついでにハードディスクも買ってしまうことにした。IBMの45GBのやつ。7200回転だ。17000円台半ばくらい。
ここまでは予定通り。あとのマザーボードとCPUに関しては迷いがあった。やはり、どうせアップグレードするなら、1GHzの壁を越えておきたいという思いがあったが、そうなるとIntelのPentiumIIIは値段が高くて手が出せない(Pentium4はなおのことだめだ)。そうなるとAMDのAthlonということになるが、リテール版は品薄で売っていないらしい。まあそれに関しては、ファンを別に買わなければならないだけで、別にバルクでもいいのだが。問題は、電源がAthlon対応のものでなければならないので、ケースの買い替えが必要になることと、発熱が多そうなので、いろいろ気を使わなければいけなそうなところだ。PentiumIIIならば866MHzが比較的リーズナブルな金額だ。
今日は見送って、ケースを含めてAthlonへの移行を考えるか、PentiumIII866MHzを今買うか、選択は二つに一つだ。あちこち歩き回りながらああでもないこうでもないと考えた末に、結局ツクモでPentiumIII866MHzを買ってしまった。マザーボードASUS CUSL-2Cとのセットだ。2つあわせて4万円ちょっと。かなり散在してしまった。決めた理由は特にない。強いていうなら、衝動にまかせてみたということだ。
大きな袋を抱えて神保町まで歩く。途中小川町のあたりで、雪がちらついてきたかと思ったら、あっという間に本降りになった。スターバックスで休憩しようかと思ったが、席が埋まっていたのでやめた。雪で交通機関が乱れる恐れもあったので、なるべく早く用事をすませたかったというのもあった。
用事といっても、本の購入だ。三省堂へ。北村薫の新作『リセット』が売っていた。『スキップ』、『ターン』に続く時に関する三部作の完結編だ。完結編といっても散策の間にストーリー上の関連はないはずだ。とりあえず今日は見送ることにした。今日ほしかったのは、井伏鱒二の詩集『厄除け詩集』と、沢木耕太郎の写真集?『天蓋 1 鳥は舞い 光は流れ』だ。前者は先週渋谷で探したが見つけられなかった本だ。講談社刊の文庫本になっているという話を聞いていたので、まず、講談社文庫、次に講談社学術文庫を探してみたが、ない。おかしいなと思って後ろを振り返ると、講談社文芸文庫というのがかたまっておいてあって、その中で発見。この文庫の存在はもちろん知っていたが、講談社だというはっきりとした認識がなかった。
『厄除け詩集』の中でぼくが読みたかったのは『勧酒』という、中国の于武陵という人の詩を訳したものだ。
コノサカヅキヲ受ケテクレドウゾナミナミツガシテオクレハナニアラシノタトエモアルゾ「サヨナラ」ダケガ人生ダ
沢木耕太郎の方は今月文庫になったばかりなのですぐに発見できた。写真は素人だということだが、なかなかのセンスだと思う。いくつかの文学作品からとられた添え物の文章がまたいい。
裏通りを通って神保町の駅に向かっていたら、その手前で意外な人にあった。今仕事でお世話になっている人だ。おたがいその近くに住んでいるわけでもなんでもないので、そんなところで会うなんていうのはよほどの偶然だ。この偶然を驚きあったあと、今やっている仕事について、よい知らせを話してくれた。実は、帰ってから少し仕事をしようと思っていたのだが、この知らせのおかげでやらなくてもよくなった。おかげで、明るい気持ちで家路につくことができた。
人生は「サヨナラ」だけでなく「デアイ」もある。それも、いい「デアイ」が。

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