床屋を出て、ラーメン屋に向かう途中、バイクの事故を目撃した。駐車していたバンのミラーに接触したのだ。最初、わざと車を壊す悪ガキかと思ったが、転倒したところをみるとそうではないらしい。幸い重傷ではないようで、すぐに上半身だけ起き上がり、ヘルメットをとった。女性だった。バイクで先にいった連れらしい男が戻ってきたり、通りがかりの人が三々五々集まってきた。ぼくはかたまってしまってしばらく動けなかった。
予定通りラーメン屋へ。ネギタンタンメンは最高だ。
久しぶりに池上線に乗った。短編小説を一つ読み終えたときに、ちょうど石川台の駅についたので、そこから散歩開始だ。
大岡山方面へ向かい、駅の手前で右折して洗足方面へ。西小山の手前で、「ハウス鈴木」という古びたアパートを見つけた。お笑い芸人みたいな名前だ。前方に腕をふって元気よく歩いている人がいた。歩くというのは簡単なようで難しい。腕と肩の力を抜いて手は軽く握って、大きく腕をふる。ついついそのことを忘れてしまう。今日は意識的にそうするように歩いてみた。重かった体がすこし軽くなった。
中目黒で昔『男女七人』の主題歌を歌っていた森川由加里を見た。帽子を深々とかぶっていて絶対そうだとはいえないが、まず間違いないと思う。男性といっしょだった。
恵比寿のスターバックスへ。スターバックスも久しぶりだ。プラリネモカを飲んでみた。シナモンの味がきいていてうまい。ずっと本を読んでいたのだが、ふと顔を上げると、前の席に座った女性が片方の鼻の穴にティッシュをつっこんでいた。読んでいたのがシリアスな物語だったからよかったものの、そうでなかったら吹き出してしまうところだった。危ない、危ない。
店内に“STARBUCKS PRESS”というPR誌のようなものがおいてあった。それによるとスターバックスが国内200店舗に達したそうだ。200店舗は立川伊勢丹店。また、アメリカにおける第1号店はシアトルのパイクプレイスストアで、1971年開店だそうだ。
散歩は恵比寿まで。8.4km。山手線で渋谷へ向かう。
井の頭線の改札へと向かう通路の柱の陰で、青い作務衣を着た背の高い男が身じろぎもせずたたずんでいる。頭をがっくりと下に落とし、目つきはどんよりと沈み、見るからにふつうじゃない。白塗りの前衛舞踊が似合いそうな男だった。何かのパフォーマンスだろうか。それにしては、注目を集めるというより、思わず視線をそらしたくなるようなオーラを発していた。
ブックファーストで本をいろいろ見るが、特にほしいものはなかった。
駅に戻ってきたら、さっきの男が同じ場所でしゃがみこんでいた。実は目に見えないようなゆっくりとした速度で、体を動かしているのかもしれない。一時間後またきてみたら、きっと逆立ちをしているのだろう。

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