破れた障子

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ガラス戸がかたかたなるので、風が強い日だということはわかっていた。でも、天気予報では最高気温20度。湿度も40%台だったので、からっとして散歩日和と思い込んでいた。2時半過ぎ、外に出て、冷たい風の洗礼を受けるまでは。

最寄駅が蒲田という交通至便なところなので、どこから散歩をはじめるか決めていないときに最初に迷うのは、どの電車に乗るかだ。京浜東北線か東急多摩川線か。東急池上線だと、ゆけるところがかなり限定されてしまうので、あまり乗らない。今日は、ちょうど多摩川線が発車しそうだったので、あわてて乗り込んだ。

食事は田園調布の蕎麦屋兵隊家で。ここでは穴子せいろ(穴子の天ぷらが絶品なのだ)しか食べたことがなかったが、今日は奮発して旬菜三色蕎麦を注文した。白っぽい更科の蕎麦と、黒っぽい田舎蕎麦、そして多分梅だと思うのが、赤いものを練りこんだ変わり蕎麦、の三色蕎麦と、エビ、イカ、野菜の天ぷら、よくわからないけど煮物、そしてデザートまでついてくる。ちなみに値段は1600円だ。

いったん駅まで戻ろうかと思っていたが、面倒になったので、そのまま散歩を開始することにする。田園調布だと自然に足は自由が丘の方に向いてしまう。にぎやかな街を通り抜け緑ヶ丘の方へ。瀟洒な二階建ての家のベランダで、若い母親が子供を抱きかかえて、道の続いている先のほうを眺めていた。なんかとても幸せそうな光景だった。もう少し歩を進めると、その家の一階が目に入った。こちらに面した障子がびりびりに破かれている。なんか不吉な印象を与える。破れた障子の向こう側に見える室内がやたらと暗く見えた。

歩いているうちに西小山の商店街のはずれにたどりついた。そういえばこの前観た竹中直人の『連弾』という映画で、この辺がロケ地に使われていた。家は逗子からバスに乗っていくようなところにある設定だったのだが、なぜか、買い物は西小山。まあ、よくあることだ。

武蔵小山の商店街から戸越銀座という黄金の商店街コースをたどる。携帯電話の店がちらほら。やはり、そろそろ買うべきかな。

散歩は大崎まで。9.6kmだった。今履いているスニーカーは、ソウルのクッションが十分でないので、足裏から疲れがやってくる。

山手線で渋谷へ。雑誌『せりふの時代』春号を買う。この間観た芝居『カフカズディック』の戯曲と、渡辺えり子ともたいまさこの対談が載っていた。

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