まずは参院選の投票。投票日にわざわざ駅とは反対方向の小学校まで15分かけて歩くのがいやだったので、忘れないうちに区役所で不在者投票をすませてしまおうと思ったのだ。
区民なのに蒲田に移転してきてからの大田区役所に入るのは初めて。話には聞いていたがかなり豪華だ。二回の会議室にいって投票。今回は誰に投票していいかほんとうに困ってしまう。すべての政党に投票したくない理由があるのに、投票したい理由はほとんどない。といってもどうしても投票したくない政党がいくつかあるので、消去法でニ、三人にしぼられる。地方区はその中からえいやで選んだ。
その点比例区は何の迷いもない。ツルネン・マルテイだ。以前は神奈川選挙区だったので、神奈川県から東京都に引っ越した唯一の心残りが、ツルネンに投票できなくなることだった。今回ツルネンは比例区に移り、しかも比例区でも候補者の名前が書けるようになったので、今こうしてツルネンの名前が書けるわけだ。感無量。
この暑さでは今日も散歩は無理。でも街の空気にふれないわけにはいかない。多摩川線の電車のなかでどこへいこうか考えた。候補は3箇所。下北沢、自由が丘、二子玉川。砧公園あたりでのんびりしたかったので、結局二子玉川にした。
暑くて店を探す気力がなかったので、ニコタマにおける定番の店、ラボールへ。暑いときはカレーだ。シーフードカレーおいしい。
いつもならニコタマから砧公園までなら歩くのだが、今日はバス。美術館行きのバスを待っていたら東急コーチだった。普通のバスより小型で、狭い道をくねくね曲がりながら抜けていく。まっすぐ砧公園に向えばあっという間だと思うのだが、あちこち回り道をするので歩くのとたいしてかわらなかった。
区立総合運動場で下車。さあ砧公園だ。芝生の日陰になっているところで寝転がる。視界に入るのは青い空、空、空。飛行機がときおり視界をかすめる。ツバメが行き来する。長いことこうやっていられないのは貧乏性だ。立ち上がってふらふら歩き出し吊橋を渡る。橋がゆれているのか自分がゆれているのかわからない。
いつの間にか世田谷美術館の前に出ていた。福田繁雄・美蘭父娘の展覧会。予備知識はまったくなかったが、せっかくなので見てみることにした。砧公園には何度もきているが世田谷美術館ははじめてだ。
まずは父の福田繁雄。ビーナスの頭部がいくつも並べられ、それぞれに有名人の似顔絵が書き込まれている。アインシュタイン、モナリザなどなど。せっかくの3Dの造形が、2Dの似顔絵に侵食されているのがおもしろい。前から見るのと横から見るのとで、違う形に見える立体。使いにくい食器―先端の一つがねじれているフォーク、取っ手が内側についているカップ。エッシャーの描いたありえない建物を模型にしたもの。もちろん実際に再現することはできていないが、見る角度によって版画のように見えるのだ。スプーンをランダムに組み合わせたガラクタのようなオブジェ。なぜか影はバイクに見える。そのほか多数のポスター。どの作品にも上質のユーモアが感じられた。
次に娘の美蘭。模写が得意なようで絵そのものにオリジナリティは感じられないのだが、和洋さまざまな技法をためしている。父親譲りのユーモアに実験精神が加わって、冷蔵庫の中やティッシュの空箱のなかに絵が描いてあったり、目が実際に動く絵があったりした。この他、コピーライトという制度には独特の思い入れがあるらしく、ディズニーなどのキャラクターを極限までわからないように画面に配置した作品や、キャラクターの上に“©”と書かれた皿を置いた作品(皿は観客が取り去ることができる)があった。
偶然入ったにしては、とてもおもしろかった。ちょっと憂鬱な日曜日の気分がふきとんだ。
美術館の前で休んでいたら、若い男性から、「写真の勉強をしているんですけど撮らせてもらっていいですか」ときかれた。了解したが、「砧公園の間抜け面」というタイトルをつけられていたらどうしよう。
バスで千歳船橋まで。思ったより近かった。
小田急で下北沢に出て、ちょっと街を歩き回る。ヴィレッジヴァンガードでとてもいい感じのBGMが流れていた。大貫妙子そっくりな声で、ちょっと昔のフォークロック調。確認したらイノトモという(少なくとも写真は)若い女性で、最近のアルバムだった。買おうかどうしようか迷ったが、秋葉原で買ったほうが安いかなと思って、次回にすることにした。
下北沢駅のそばの携帯電話の店の名前を見たら、「でんぱっぱ」だった。笑った。

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