三百坂

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昼食は蒲田の蕎麦屋家族亭で。久しぶりに満足できる食事。

京浜東北線に乗り込む。最初は田端でおりようと思っていたが、途中で気が変わって上野でおりた。公園口から散歩開始。

西洋美術館の前の地獄の門にちょっと立ってみた。思い入れのある場所。つい賽銭箱を探してしまうのは相変わらずだ。

上野動物園はもう閉まりかけていた。それぞれの動物ごとに何時まで公開しているかというスケジュールがぶらさげてある。

公園内にある東照宮でお参り。参道の両側に灯篭が並んで、ちょっと裏寂れた雰囲気がいい。

上野の山と不忍池の間の道をいく。動物園からいわゆる獣の臭いがただよってくる。根津の駅前を通り過ぎて、東大農学部の方へ。本郷通りを北にいき、すぐに枝分かれしている国道17号に入った。

国道17号(中山道)はちょっとおもしろいコースをたどる。日本橋が起点で、そこからしばらくは中央通りをいく。万世橋をわたったところで左折し、神田明神下から本郷通りに入る。そして、東大農学部前の交差点の先で本郷通りから別れる比較的せまく交通量の少ない通りに入るのだ。その先は白山通りに合流する。

ぼくは17号にはつきあわず白山通りの前で左折した。このあたりはかなり散歩し尽くしているが、今まで歩いたことのない階段や坂を選んで歩いてみた。胸突坂、伊達坂、御殿坂。いろいろな名前がついているものだ。三百坂という坂は由来が面白い。「主君が登城のとき、玄関で目見えさせ、後衣服を改め、この坂で供の列に加わらせた。もし坂を過ぎるまでに追いつけなかったときは、遅刻の罰金として三百文を出させた」ので、三百坂と呼ばれるようになったらしい。

学芸大付属の竹早高校の前で携帯電話で話しながら若い女性がうろうろしていた。どうやら道に迷っているらしい。高校の用務員らしき人に声をかけて道をたずねると、すぐに駆け出した。全然見当違いの場所を歩いていたのかもしれない。

神田川を渡って江戸川アパートというおそろしく古びたアパートの前を通った。コンビニの袋をぶらさげて前を歩いていた男性がアパートの中に入っていく。取り壊し寸前だと思っていたが、まだ人が住んでいるようだ。見ると玄関には裸電球がついていた。

大久保通りにたどりつくと、初老のスポーツバックを抱えた男性に道を尋ねられた。市ヶ谷はどちらだという。そうはいうものの、ここはほとんど飯田橋。市ヶ谷ははるかに遠い。遠いですよと忠告したが、なおも道を尋ねるので、飯田橋にいって、あとは線路沿いだと教えた。無事たどりつけただろうか。

ぼくは神楽坂の通りまで出て、坂をくだり、飯田橋の駅を通り過ぎ、靖国神社方面へ向った。九段下のスタバでいつものように休憩して、その先の神保町で散歩を終えた。8.7km。蒸し暑くて汗だくになってしまった。

三省堂で、宮沢章夫さんのエッセイ集『青空の方法』と、講談社新書の『ドルースの哲学』を買った。

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