初冬

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冬だ、冬。

大崎広小路の遊庵という蕎麦屋に行こうと思っていたが、ぐずぐずしているうちに2時を回ってしまった。この蕎麦屋は昼の営業時間が一応3時までということになっているが、蕎麦がなくなり次第終わりだ。家から大崎広小路までは30分くらいかかる。休みの日にあせりたくなかったので、やめることにした。

代わりに渋谷に向かう。山手線の電車が異常に混んでいた。前の電車が大崎止まりだったのかと思ったが、そういうわけでもないらしい。大崎で反対側のホームに停まっていた山手線には車体広告があった。東京ミネナリオの広告だ。去年はふとしたことからいってしまった。今年はいかない。

渋谷駅の埼京線ホームに、ステンレスボディーにオレンジと緑のラインが入った逗子行きの列車が停まっていた。湘南新宿ラインだ。いずれ乗ってみようとは思っているが、住んでいる場所とよくいく目的地の関係上、ちょっと無理をしないと乗ることができない。年内の課題ということにしよう。

さあ、渋谷。まずは食事だ。マークシティーの中の夢吟坊という京風うどん屋に入る。ぼくのすぐ目の前の客はすぐに席に案内されたが、それで満席になってしまい、ぼくは少し待たされた。といってもほんの数分だ。あなご天丼を注文。うどんがセットでついてくる。塩気の少ない上品な味でおいしかった。

散歩開始。公園通りから一本か二本ずれた道をたどって山手線の線路沿いに出た。持ってきたデジカメで、線路の向こう側のホテルの給水塔を撮ろうとしたら、ピーピーピーという警告音。なんとメモリーカードを指してくるのを忘れてしまった。大失敗。そういうときに限って撮りたいものが次から次へと現れる。皮肉なものだ。

水無橋という狭い橋を渡って山手線の内側へ。この橋を渡るのは初めてかもしれない。その先にはなんともいい感じの道が続く。明治通り、青山通りを渡って、青学の脇の狭い通りへ。

白人の男性(南仏かスペインという感じ)が掌くらいの大きさの白いものをもっていた。なんだか薄汚れた人形の帽子のようで、つばの角度を整えようとしているように見えた。ところが、男はいきなりそれをぱくりと口に入れた。よくみると肉まん(あるいはあんまん)だった。

その先の交差点で若い白人の女性が信号を待っていた。待ちきれないようで、しきりに足踏みをしたり、足を前後に動かしてステップを踏んでいる。まるで、出番を待つバレリーナのようだった。

気温は低いが風はそれほどでもない。道はとぎれることなく次から次へと湧き出してくる。歩くことが歩くことの目的であり結果であるような満ち足りた感覚。ウォーキングハイというやつだ。

広尾ガーデンヒルズの並木道をぬけて有栖川宮記念公園の中へ。黄色い落葉に灯ったばかりの街灯があたって、淡く輝いていた。

公園を出てしばらく歩くと、目の前に建築中の高層ビル。元麻布の景観が一変しつつある。麻布十番へ続く一本松坂を下ると、正面にはライトアップされた東京タワー。散歩のしめくくりの絶景だ。

スターバックスで休憩後、麻布十番駅で散歩は終わり。7.1kmだった。

南北線と有楽町線を乗り継いでいつものように有楽町へ。ビックカメラで、PC用のクッション(手置き)と『Photoshopの仕事術』という本を買った。先週買ったムック本だけだとやはり不十分だ。ソフマップ、無印良品の前ではシャンソンのミニコンサートをやっていた。フランス人の女性歌手と男のアコーディオン奏者。いったことはないが、気分はパリだ。

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