冬至過ぎ

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どうやら昨日が冬至だったらしい。これからが冬本番だが、少なくとも昼間の長さは日一日と長くなり、太陽の光も強まってゆく。その光をたよりに今日もまた歩く。幸い風のない穏やかな一日だ。

あてもなく東京駅でおりた。いつものカレー屋アルプスでカレーを食べながら、どこにいこうか考えていたら、香辛料の作用で本郷界隈の風景が頭に浮かんだ。それで御茶ノ水に向かったのだった。

まずは駿河台の坂をくだって猿楽町方面へ。一時期よく散歩で歩いたところだ。全然変わっていない。

水道橋を渡って文京区側に出た。元町公園の脇の道をゆく。炭団坂の階段をおりるのはやめて、左手の崖沿いの道をいくことにした。見下ろすと崖には無造作に竹がおいしげっている。夏目漱石の『門』(最初だけ読んで現在中断)で主人公が住んでいたのも確か竹が生えた崖下だった。このあたりが舞台かもしれない。

すぐにT字路にぶつかって右に折れる。その道も昔よく歩いた。鐙坂という坂をおりる。雨が降ったすぐ後にはからからという水が流れる音が響いていた。今日は何も聞こえない。

白山通りを渡って善光寺坂をのぼる。坂の登り口に段ボール箱がおいてあって、中にはたくさんのぬいぐるみ。「ご自由におもちください」という書き置きが入っている。買ってきたものではなく自分で作ったもののようにみえた。この前横浜でみてきた奈良美智展にもたくさんのぬいぐるみが使われていて、子供時代の象徴として扱われているようだった。確かに、誰でも大人になると同時に今まであれだけ可愛がっていたぬいぐるみをぽいっと放り出してしまう。このぬいぐるみも大人になった(あるいはなろうとしている)誰かが捨てたものかもしれない。でもゴミに出すことはできなかったらしい。

坂をおりて水道通りという長く曲がりくねった道を歩いていたら、二階建ての洋館でもいったような建物のまわりにたくさんの彫像が規則性なく置かれている。ギリシア神話を題材にしたような古典的なやつだ。窓の中にもいくつか見えた。どういう家なのだろう?

江戸川橋を渡り、新宿区側へ。南榎町で可愛い猫をみつけた。ちょっと縞のはいったオレンジ色でおなかは白い。寒いのか、毛をふわりとふくらませている。アパートの入り口のところにちょこんと座っいた。じっと見ていたら、くしゃみでもするように短く「にゃっ」と挨拶してくれた。

このあたりのランドマークは自衛隊の通信塔。どこからでも見える。細長くてごてごてと突起があってとてもグロテスクな形をしている。

市谷柳町の駅に着いたが、もう一駅先若松河田まで歩いた。女子医大病院のすぐ近くだ。8.3km。

大江戸線に乗る。新宿でおりようかと思ったが、青山一丁目までいって銀座線に乗り換えて、渋谷に出た。

ブックファーストにいくがめぼしい本はなかった。読む本はたくさんたまっている。次に東急ハンズで、また知恵の輪を買った。会社の人に貸したら、奥さんがやってたら力をいれすぎて壊れてしまったので、お金は払うから買ってきてくれといわれていたのだ。それにしてもすごい力だ。

タワーレコード。なんとなくStina Norenstamの新作が出ていそうだなと思ったら、はたしてあった。“This is Stina Nordenstam”というアルバム。一応買った。キリンジの新作も出ていたが、こちらは実質19%引きのヨドバシあるいはビックで買うことにした。19%は大きい。

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