とりあえず散歩をしようと外に出てみたが、なんか気分がのらない。とりあえず食欲をナビゲータにして新宿に向かった。
まずはヨドバシカメラでキリンジのCDがあるかどうか確認。たくさん置いてあったので、ここで買わなくても平気だろうという結論に達した。CD一枚でも荷物になるのだ。
第一希望は牡蠣フライ、第二希望は蕎麦だったが、店の前に置いてあった肉じゃがの写真にひかれて、牛タンのねぎしに入ってしまった。写真の塩タン肉じゃが定食を注文。安くておいしかった。
散歩開始。相変わらず気乗りのしないまま、何度も歩いたワシントンホテルの前の道をゆく。そのまま惰性で歩いてしまうと、マンネリ街道まっしぐらなので、直感を研ぎ澄まして、魅力的な道があれば迷わず入ってゆくことにした。
それがよかった。結果的にはこの3日間で最高の散歩になった。関東国際高校の方までいってから不動通りにもどり、幡ヶ谷、駒場野公園。ここかしこに猫がたくさんいた。
三宿のセブンイレブンの前でトナカイの着ぐるみをきた女の子がスパークリングワインを売っていた。なんだかその姿がとてもおかしくて、笑いそうになるのをこらえながら必死に通り過ぎた。
三軒茶屋に続く緑道を歩く。空は最後の光をまぶして紫色に染まっている。街灯はスポットライトみたいに緑道のところどころを浮かび上がらせる。なんだか別世界を歩いているようだった。
散歩は三軒茶屋まで。9.3km。
スターバックスで、隣のテーブルに座っていた学生の男三人組の会話に聞き入ってしまった。三人の中の二人は眼鏡をかけていて見るからに秀才タイプ、もう一人はいまどきの普通の若いやつという感じだ。中東紛争が話題で、いまどきのやつは、イスラエルとパレスチナが何であんなふうに争っているかを知らなかったのだ。よせばいいのに、彼はほかの二人に尋ねた。こうして2000年前からの因縁をめぐる話がはじまった。キリスト誕生から、オスマントルコ、第一次世界大戦。いまどきのやつはときおり口をはさむが、まったくとんちんかんなことをいっている。聞いた話も半分くらいしか理解できていないようだ。
三軒茶屋の改札の前で、不意に高揚感がやってきた。歩きとコーヒーの相乗効果だろうか。
永田町乗換えで有楽町に向かう。ビックカメラでキリンジのアルバムを買おうと思ったが、売っていなかった。代わりに、PS2のソフトを2本も買ってしまった。「クラッシュバンディクー4」と「ICO」だ。「シーマン」を全然やっていないという前科があるだけにためらわれたが、高揚感に突き動かされてしまった。今日はクリスマスイブ。自分へのプレゼントだ。
ついでにプレゼントをもうひとつ。無印良品でマフラーを買った。この前きたときデザインが気に入っていた。茶とグレーのチェック柄。
でも、最大のプレゼントは、今日の散歩と、そのあとの高揚感だ。

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