ウールの鎧

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目が覚めたら2時20分で驚きを通り越して諦めの境地に達した。今日一日なにもできなくてもいい。あせらずにいこう。

まずはSAQの調べ物をするために駅前の図書館に向かう。明かりが消えて真っ暗なので、よく見ると、12月29日から1月4日まで年末年始の休みと書いてあった。なんかふんだりけったりだ。ほんとうに何一つできやしない。

憮然たる思いで駅へ。そして京浜東北線に乗り込む。最初は近場の大井町までいってそこから歩こうかと思ったが、結局東京までいってしまった。

遅い遅い昼食。八重洲地下街で噺屋という店を見つけた。創作和風料理とそばの店と書いてある。「そば」という言葉にひかれて入ってみた。山御飯というのを注文。肉じゃが、油揚げとぜんまいの煮物、それにご飯とそばがついていて850円。そばはこしがあってなかなか本格的な味。専門店に負けていない。全体的にはまあまあという感じ。

日本橋の東西線乗り場まで歩く。途中、地下にスタンドタイプのスターバックスがあった。席や飲食するスペースはなくテイクアウト専門だ。なかなかの盛況。

江東方面へ。最初に来たのが快速だったので、東陽町までいって各駅を待ち、一駅だけ乗って、南砂町で降りた。

外に出たのはちょうど5時だった。空にはまだかすかに青みが残っていたが、夜はもうすっかりあたりを浸していて、心の中まで滲みこんでくる。ぼくはずぶずぶと歩き始めた。満月に近い月が道連れだ。

夜の街は昼とうってかわった表情を見せて、まるで違う街のような新鮮さがある。いつもは重さを嫌ってジャケットを着て散歩するのだが、今日はダッフルコートにしてみた。重さはあまり気にならず、やはり暖かい。つきささる寒さから身を守るための鎧だ。

橋を渡るときに都心の方角がなんともいえない淡い色に染まっていた。はるか昔の記憶の中にのみ残っていて、思い出そうとしても思い出せない色のようだ。

今までついてきた月が厚い雲の陰にかくれたら、ちょうど砂町銀座到着。にぎやかな通りの光景を多重露光でこの目にやきつける。お惣菜の天麩羅屋。レンコンの天麩羅がおいしそう。その隣には豆腐屋。水を流す音が天麩羅を揚げる音に聞こえる。

ジグザグに砂町を通り抜け、大島へ。いつの間にか月が顔を出していたが、なんだかさっきより欠けているようだった。雲の中で何かにかじられたということにしておこう。

緑道を歩く。夜の緑道はトンネルの中を歩いているようでとてもいい。曲がり角の先に何かいいことが待っているような気がする。

亀戸のサンストリートの脇に出た。信号を渡って、小道に入ると、亀戸駅の東口があった。ものさみしいローカル線の終点近くのような雰囲気。東口があったとはまったく知らなかった。はじめてサンストリートに来たときも西口から大回りしていったが、東口からなら目の前だった。ここから電車に乗ったらどこか知らないところに連れて行かれそうだったので、ぐるっと大回りして表の方に出た。5.8km。

スターバックスでラテ。どういうわけか信じれないくらいおいしかった。

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