くしゃみエトランジェ

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かなりおそい時間に家を出た。調べ物のヒントになるようなものはないかと図書館に寄ってはみたが、すぐにあきらめた。

久しぶりにタンタン麺が食べたくなったので京急の駅の方にいく。途中個人タクシーが「自家利用」というプレートを料金メーターのところに置いて、駐車しているのをみかけた。なるほど、そうすれば自家用車として利用できるわけだ。

タンタン麺の店パンダが満員だったので、前から少し気になっていたペッパーランチという店に入ることにした。ステーキ系の定食屋だ。松屋と同じように食券を販売機で買うスタイル。席がすべてカウンターなのも同じだ。カレーペッパーランチというのにしてみた。ペッパーランチというのはごはんの上に肉、野菜、スパイスをまぶして鉄板の上で焼いたもの。それのカレー味だ。料理が出来上がるのには松屋と違って少し時間がかかった。多少くどい感じもしたが味はまあまあ。

JRの駅にもどると、駅前に救急車が乗りつけて救急隊員が構内に入っていこうとしている。人身事故かと思ったが、ホーム上で人が倒れたらしい。担架に乗せられてすっぽり毛布をかぶせられた病人の禿げた頭だけが見えた。

電車の中でぼくの正面に座ったのはインドなどの南アジア系の若い女性。続けざまにくしゃみをしている。その音はヘプシュンと聞こえた。どことなく異国風の響きだった。

品川でおりて散歩開始。柘榴坂をのぼる。のぼりきったところでいつもは右手に曲がることが多いのだが、今日は左手に曲がってみる。しばらく歩いて右手に階段が見えたので曲がってみた。階段の坂は好きなのだ。その階段は戦後になってから一度も補修していないのではないかという荒れようだった。段と段をわける縁が磨耗して段がなくなりつつある。おまけにしばらくいくと左側に金網がせりだして道幅が80cmくらいになり、側溝をまたぐように歩かなければならなくなった。ワイルドでなかなかいい。

五反田方向に向かうつもりが見慣れない高層ビルにひかれて曲がる。手前には広大な空き地が広がり、2, 3棟の高層ビルがその向こうにそびえていた。オーバルコートという名前らしい。えらく立派なビルだが、日曜のせいか人気がほとんどない。山手線に残されたら最後の辺境である大崎周辺も少しずつ街らしくなっていくようだ。

山手通りといっしょに山手線の外側へ。峰原通りという道をいく。立正大学の前の通りだ。さらにまっすぐいくと戸越銀座と交わるが、かまわず直進。そこも宮前商店街という商店街だが、日曜なのでほとんど閉まっている。その先は戸越公園中央商店街。駅の踏切を越えると戸越公園駅前南口商店街に名前が変わる。そしてちょっとさみしくなってゆたか商店会。どこまでも続く商店街。

その商店街が尽きてしばらく歩くと西大井駅。5.4kmだった。

西大井から二駅なので、数年ぶりに横浜の駅周辺にいってみることにした。

相変わらず人が多い。もちろん人が多いのは好きだ。ほしい本があるので本屋をまわることにした。横浜のことなんてほとんど忘れてしまっているし、来なかった間にいろいろ変わってしまっているが、本屋の場所だけは目をつむっていてもわかる。ダイアモンド地下街からジョイナス、ルミネ、ポルタとまわってみるが、結局お目当ての本は見つからない。ぼくの足が横浜から東京に向くことになったそもそものきっかけは、横浜の本屋が数だけは多いくせにどこも今ひとつ使えないことだったを思い出した。まあ、今回はとてもマイナーな本(平田オリザ『冒険王』の戯曲)を探していたので、なくても仕方がないともいえるが。やはり東京が一番だ。

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