音楽は流れる

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結局、昨夜は雪にならず雨だった。すべてが吹き込んできた雨に濡れてきらきら輝いていた。

東京駅でおりようと思ったが、改札の手前で思いとどまった。なんとなくラーメンが食べたくなったからだ。ラーメンといえば前回正月休み中で再訪を果たせなかった中野のラーメン屋にいくしかない。というわけで中央線に乗り込んで中野。

家を出たときは燦々と陽がさしていたが、都心に近づくにつれて昨日と同じような厚い雲がたれこめてきた。一瞬ぱらぱらと雨が落ちてきたようだ。

駅前の自称手相を勉強している若者たちの間をすりぬけサンモール、ブロードウェイへ。すごいにぎわいで楽しくなる。ラーメン屋はさすがに開いていた。年末はとんこつにしたので、今日はさっぱりとしょうゆ味のチャーシュウ麺にした。今日もスープまで残さず飲み干したので、多分おいしいのだと思う。

駅に戻って歩き始める。住宅地の細い道をジグザグ。8mmフィルムに焼き付けたような家々が立ち並ぶ。散歩中の犬が門扉の向こうの犬に尻尾をふって挨拶をしていた。友だちなのだろう。

鍋屋横丁、中野新橋。気まぐれな日差しに照らされてオレンジ色に輝く新宿の高層ビル群の上に青白い月がぽっかりと浮かんでいた。

六号通りを通って幡ヶ谷。そして渋谷区スポーツセンターへ。かなり歩いたが、さきほどとさして変わらない新宿のビル群。だが空は青さを増し、月が輝きはじめていた。

代々木八幡のくらがりを横目に明るい富ヶ谷の商店街に入る。そのまままっすぐ渋谷へ。

Bunkamuraの脇で緒方拳を見かけた。歩道の隅に彫像のように凛と立って、静かに目の前の若い女性の話に耳を傾けていた。女性の「…音楽がさあっと流れて…」という言葉だけが耳に残った。緒方拳はやはりかっこよかった。

Tally'sに入った。ハニーミルクラテを注文。蜂蜜の甘みがラテにマッチしてとてもおいしかった。

そして、しめはブックファースト。特に何も買わなかった。

散歩は渋谷までで、8.4kmだった。

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