東京-ロンドン

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昨日も暖かかったが、今日はそれより暖かい。マフラー、手袋と重装備ででかけたことをすぐに後悔した。

鬱陶しくなってきたのでまず床屋にいった。いつもぼくを担当してくれる人が今度横浜で開かれるコンテストに出場するそうだ。ぜひがんばってほしい。一ヶ月ぶりにまじまじと見るぼくの顔はなんだかむくんでいて、ちょっと年をとったように見えた。

食事をするためとりあえず東京駅に出た。カレーかラーメンか迷ったが、結局サンラータン麺とかなんとかいう(「サ」と「ラ」と「タ」が含まれていたのは確か)ラーメン。唐辛子と酢が入った辛酸っぱいスープに、冷麺が入っている(普通の麺も選べる)。味はまあまあだったが、なんとなく物足りなさを覚えた。カレーにすればよかった。

東西線で高田馬場までいって散歩開始。山手線の外側に足を踏み出し、早稲田通りを歩く。駅前の商店街としてはちょっとさみしい。小滝橋の交差点でどちらに進むか途方にくれたが、北新宿の街に分け入ってみた。日本閣の脇の橋を渡ると中野区。山手通りを渡ったところで、今日の散歩コースを北にとるか南にとるか一世一代の選択をした。選んだのは南。

中央線の線路を越えたところにある不思議な家。一見ふつうの民家なのだが、「トムトム研究所」というわけのわからない表札がかかっている。いったい何を研究しているのだろう。その先ですれちがった犬を散歩させている若い女性は、明らかに犬の糞が入っていると思われるビニール袋をくるくるとまわしていた。護身用だろうか。

花見橋、川島通り、東大付属前、氷川神社などを通って初台まで。8kmちょうど。

初台で散歩を終えたのは偶然ではなく、北か南かの選択で南を選んだ瞬間から決めていた。ついでに、東京オペラシティギャラリーをのぞく計画だ。オーソドックスなファインアートもいいが、それより突拍子がない現代美術のほうが刺激的で面白い。そんなぼくは定期的にここをのぞくようにしている。展示内容は前もって確認してなかったが、「JAM:東京-ロンドン」というもの。まだ見ていないのは間違いない。1000円払って入ることにした。

東京とロンドンで活躍する43人のアーティスト、デザイナーの展覧会。ビデオ作品が多かった。ぼくが個人的におもしろいと思ったのは、小山田圭吾率いるコーネリアスのビデオクリップ。高速で流れていく東京の風景をビデオドラッグのようにつなぎあわせたり、一見関連性がないようなシーンを連続させることで、その間の類似性を浮かび上がらせたりする。もちろん音楽もよかった。あと、その隣のブースでやっていたキュピキュピというグループのビデオ作品がキッチュでエロチックでとてもおもしろかった。

2階に上がって、収蔵品展を観る。ここの収蔵品は寺田小太郎という個人のコレクションで、日本人の画家を中心としたもの。今回の展示は「日本画への視点」ということで、日本画の技法を使ったものばかり。日本画というとなんか古臭いような印象があったりするが、じっくり見てみると、写実より抽象的な表現を重視するところは西洋絵画より先をいっているし、くすんでいる中にはっとするような色彩があったりして美しい。紅葉の隙間から月がのぞいている絵はほんとうにすばらしかった。こうして何回か観てみて思うのは、この寺田という人は目が肥えた人だなあということ。

新人を紹介するproject Nというコーナーでは田中栄子展。以前観たリュック・タイマンスにちょっと似た感じだ。

外に出たら風が強くなっていて、マフラーと手袋は、結局正解だった。

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