渋谷へ。昼食は東急東横店の新宿中村屋で。カレーの店だ。野菜カリーとシーフードサラダでベジタリアンのふりをしてみた。
木曜日に散歩にするか映画を観るか迷いながら歩いた道がなかなかよかった。その日は結局映画を観てしまったので、今日は散歩としてその道をたどり、その続きを歩くつもりだった。
東横線改札前から東急文化会館に続く歩道橋を渡る。渋谷にはよく来るが、こっちの方にはあまり縁がなかった。渡るのは十数年ぶりだと思う。映画館の入り口の前を通り過ぎると、木曜日にみつけた路地に続いている。改札は2階なのに、アップダウンしないでいつの間にか地上に出てしまうのがおもしろい。渋谷の駅がすり鉢の底のような場所にある何よりの証だ。
またチョコレート色に塗られた歩道橋を渡って渋谷クロスタワー前へ。この前は下の道路におりてしまったが、今日はそのままクロスタワーのテラスを歩いてみた。スタバを発見。席数も多そうだし、駅から多少離れているので穴場かもしれない。チェックしておこう。テラスを横切るとまたしても地上。すり鉢はかなり大きいようだ。
この前の映画館を横目に通り過ぎ、青山学院にぶつかった。右折して、六本木通りを渡り、渋谷図書館の方へ。レンガ敷きの気持ちのいい通りだった。その先は氷川神社。境内は工事中で工事用の車両が中に入っていた。それにしてものどかで、渋谷と恵比寿の中間くらいにこんな場所が残っているのかと、ちょっとした感慨につつまれた。
渋谷橋の交差点の歩道橋を渡り奥に入ると、恵比寿プライムスクエアがある。建物のまわりに設けられた通路を通ってみたが、レンガの階段があったりして、この前やっていたPS2のゲームICOを思わせた。
広尾方面へ。ぼくは一応頭の中に(あまり正確ではないが)コンパスをもって歩いている(こっちの方向が新宿で、あっちの方向が渋谷というようなおおまかな位置の把握をしているということ)。そのコンパスがずれていたせいで、何度も通っている道が、まったく見知らぬ街のように見えた。まるで萩原朔太郎の『猫町』のようなシチュエーション。ああいうことは小説の中だけでなくほんとうにあるのだなと思った。ところで、方向音痴といわれる人は、そもそも頭の中のコンパスがないという話をきいたことがある。そういう人からすると、常に猫町状態なのだろうか。それとも、そもそもコンパスがないので、そういう奇異な状態になることがないのだろうか。
有栖川宮公園で休憩。犬を連れた人が多い。マスクをした50歳くらいのおばさんと、背が高く目鼻立ちの整った若い女性(外国人のように見えたが流暢な日本語を話していた)というほとんど接点のないような二人が、犬のことで親しげに言葉を交わしていた。
園内にかすかに青みがかった白い花が群生していた。花びらの中央には紫色の紋のようなものがある。宮廷のお抱え絵師がこの上なく細密な筆先で書きつけたような繊細な紋だ。プレートによればシャガという花らしい。
西麻布から六本木に抜けた。6.5km。
日比谷線で日比谷に出た。ビックカメラを冷やかすが、特に収穫はなし。

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