どういうわけか、友人夫妻にお呼ばれして、一緒に映画を見にいくことになった。映画は「トリック-劇場版-」。見ようと思っていた映画だ。
待ち合わせは吉祥寺。いつもの日曜日よりかなり早起きして出かけるがそれでも10分ほど遅れてしまった。着いてみると、友人だけで、友人妻さん(奥さんという言い方はしっくりこないのでここではこう書く)の方は遅れてくるとのこと。昼食がまだだったので、待っている間に済ませようということになり、結局パン屋でパンを買い込むことにした(ついでにビールも買った)。
まだ上映時間には早かったが、そのまま映画館に向かう。そこで友人妻さんと待ち合わせをするとのことだ。なかなかこないなと表でずっと待っていたら、実はもう映画館の中にいることがわかり、上にあがって合流。まだ人気のない館内の暗がりのベンチで買ってきたパンを食べた(ついでにビールも飲んだ)。
一応食べ終わって(ひとつは食べきれずに残した)、まだ時間はあるなと思っていたら、急に人がなだれこんできた。かなりの人気で行列ができているようだ。ぼくたちも遅れないように行列に紛れ込む。なんとかいい席をゲットした。
映画はとてもおもしろかった。久しぶりに大笑いした。
紅葉を見ようということで、映画館を出て井の頭公園に向かう。公園の中に入ると半裸の白塗りの男性(中年、スキンヘッド、彫が深い顔立ち)の周りにひとだかりができている。人間美術館というパフォーマンスで、その人が有名な絵の中に出てくるさまざまな人のポーズをとるというものだ。ぼくたちが到着したときはちょうど今日の最後の作品にとりかかるところだった。なんとピカソのゲルニカ。どうやって表現するんだろうと思っていたら、観客のうちの何人かが指名されて、参加させられるようだった。ぼくは、やばいと思って気配を消したのが功を奏し、視線をかいくぐることができたが、代わりに隣でしゃがんでいた友人が指名されてしまった。結局5人が指名され、それぞれポーズをつけられた。友人のポーズは悲惨で頭を地面につけ四つんばいのまま片足をあげるというもの。その腰のあたりにやはり指名された女性が蹴りを入れている。友人は見事この難役をやり遂げていた。すばらしい。
あとでゲルニカの絵を確認してみたが、どうしてもそういうことをしている人物は特定できなかった。人間じゃなく馬か牛の役立ったのだろうか。
紅葉はまだもう一歩という感じだった。友人妻さんはグラフィック関係の仕事をしているとのことなので、目のつけどころがとても面白い。鴨が水面に描く航跡に注目してみたり、夏には気づきにくい木々の緑の濃淡の違いに感動してみたり、ふだん何気なく見ている風景も、そういう風に見られれば面白いだろう。
しばし鴨たちが餌を追う姿を高みの見物をする。
公園に入る前、なぜ「井の頭」という話をしていたのだが、その由来を記した立て看板を発見。三代将軍徳川家光が御殿山に鷹狩のおり、泉水の一等地であったこの池の水に、「井の頭」という名前をつけ、それを刀で木に彫りこんだという故事からきているらしい。勉強になった。
池のまわりをぐるっとひとまわりして公園を出る。友人妻さんは仕事の打ち合わせがあるとかでいったん離脱して、あとからまた合流することになった。
伊勢屋という焼鳥屋で待っていたらどうかと言われたが、すごい混雑と煙で退却し、本屋に向かう。『日本科学技術大学教授上田次郎の どんと来い、超常現象』は置いてなかった。
友人妻さんと再び合流し、お好み焼き屋に入る。明石焼というものを多分初めて食べた。たこがはいっていて、形も似ているが、たこ焼きよりずっとあっさりした食べ物だった。小麦粉系食事の常として、ちょっと食べ過ぎてしまった。
吉祥寺の駅で友人夫妻と別れた。ほんとに楽しい一日だった。どうもありがとうとこの場を借りてお礼をいっておこう。
といいながら昨日買ったばかりの手袋をなくしてしまっていた。どこでなくしたのかとんと記憶がない。その数日前にはマフラーもなくしているようだし、忘れ物パワー全開だ。まあ人でも物でも去るものは追わずがぼくの信条だ。
時計を見るとまだ7時。せっかく吉祥寺にきているのにこのまま帰るのが惜しくなってきた。ちょっと歩くことにした。
いつものように井の頭公園の中に入り、井の頭線の井の頭公園駅の手前で公園から出て暗い住宅地の中に分け入った。千歳烏山に近づいて、なんか乗ってきたので、このまま世田谷線沿線くらいまで歩いてしまえと気を吐いたが、いつの間にか離れたつもりの千歳烏山に向かっていることが判明。気力をなくして、千歳烏山で散歩終了。6.6km。ラスト近く、千歳烏山の駅の方向を誤って、文字通り右往左往というか正しく順番を並べると左往右往してしまった分は含めていないので実際はもっと歩いているはずだ。
せっかくなので下高井戸から世田谷線に乗り換えた。三軒茶屋までいって、スタバでコーヒーを飲んで、今日はほんとうにこれで終わり。

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