月末にいく芝居のチケットが見当たらず、探していたらかなり遅い時間になってしまった。まだ先のことで今日探さなければいけない理由はないのだが、捨ててしまっている可能性が脳裏にちらついて探さずにはいられなかった。
なんとかみつかって、気分をよくして外に出る。だが、その気分を吹き飛ばすかのような悪天候。小糠雨と冷たい空気に体を包まれた。最近週末に天気が崩れることが多くて嫌になる。
散歩ができるかどうかわからなかったが、とりあえず12月1日に全線開業して埼京線と直通運転することになったりんかい線に乗りにいくことにした。
京浜東北線の電車の中で新潮文庫の広告を見た。ポール・オースターの『リヴァイアサン』が文庫になったらしい。以前から読みたいと思っていたが、近々文庫になるのは間違いないと踏んでいたので、ハードカヴァーを買わずに我慢していた。読みがあたってうれしい。
お台場方面にいくには当然大井町で乗り換えるのが近いし、早いし、安いのだが、初回なので新規開業区間全線に乗車するためと、あと埼京線との接続の様子がみたかったので、品川で乗り換えてわざわざ大崎まで出向いた。
山手線のホームの外側に2つ島式のホームができていて、5~8番線と番号がつけられている。問題はどのホームからどの方面の列車が発着するのか統一されていないこと。りんかい線は5~8すべての番線から発着する可能性があるようだ。直通だけでなく、りんかい線、埼京線それぞれの折り返しの電車もあるし、湘南新宿ラインも走っているせいなのかもしれないが、もう少しどうにかならないだろうか。
6番線ホームに停まっていた大崎始発のりんかい線に乗り込む。すぐに地下にもぐってしまって車窓の風景はぜんぜん見えないし、どのあたりを走っているのかもわからない。大井町、品川シーサイド、天王洲アイル、東京テレポートと4駅でお台場到着。Suicaが使えるのでそのまま改札を通ってみたら、440円引かれた。蒲田~大崎間が160円なので、りんかい線の区間は280円ということになる。ゆりかもめほどではないがかなり高めだ。しかもこれはキャンペーン期間のみの運賃で、来年3月からは320円に値上げされる。
外に出ると雨は本降りになっていた。まずは食事をするために長い陸橋を渡ってデックス東京ビーチに向かう。6階、7階が台場小香港と名づけられて、街並が中国風のアジアンテイストになっていた。店もほんとうに香港の街角にありそうな、雑貨屋とかマッサージ店とか風水の店なんかがある。ゲームセンターも中国風だ。
あちこちにカメラを構えている人がいる。どういうわけか初老の人が多く、三脚まで備えた本格的なスタイル。確かにエキゾチックで被写体としておもしろいかもしれないが、うまくとっても所詮は絵葉書の写真にしかならないような気がするのだが。
当然、メインは中華料理店。たくさんある中から百菜百味という四川料理の店に入った。四川風のホイコーロのセットを注文。料理も結構いけたが、食後の杏仁豆腐がフルーティーで最高だった。ほんものの杏仁豆腐には、みかんやチェリーはつかない。
従業員たちが中国語で話しているのも、異国情緒をかきたてた。もっとも、中国語は皆目わからないので、実は彼らは純然たる日本人で、雰囲気を盛り上げるために、わざとなんとなく中国語のような言葉を発しているだけという可能性を否定しきれない。
外はもう暗い。散歩はあきらめて、もときた道をたどりパレットタウンへ向かった。小さな店が密集するヴィーナスフォートの迷宮をぐるりとまわってから、下におりてサンウォークへ。こちらは各店舗ともぜいたく場所をとっている。ヴィレッジ・ヴァン・ガードは下北沢店よりずっと広く品揃えも豊富だ。毎日ここに通って、どこに何があるか見取図を描いたら楽しそうだ。
外の広場に出てスタバへ。レジのところでスターバックスカードというのを勧められた。要するにプリペイドカードだ。最低1000円からチャージをしておけばそこから支払いができる。WWWで残高や利用状況が確認できるのが面白い。
お台場はつくりものめいた街だが、そこがとても魅力的だったりする。模造の生活。人間も半分くらいは模造かもしれない。
またりんかい線に乗り込んで戻る。今度は大井町で降りた。たった3駅。ほんとうに便利になった。ただ、地下かなり深いところにあるのでJRの駅まではちょっと時間がかかる(それほど気にはならないが)。
蒲田に戻ってから『リヴァイアサン』を買った。

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