相鉄線に乗るのはほんとうに久しぶりのことで、二俣川で降りるのもほんとうのほんとうに久しぶりのことだ。記憶の底に沈殿した腐葉土をあさってみても、おぼろげな印象しか浮かび上がらない。
快速に乗れたのは少しラッキーだった。昔は各停と急行だけで快速という種別はなかったのだ。星川、鶴ヶ峰に停車して3駅目が二俣川になる。
改札を抜けても思い出すことは何一つなく、とりあえず南口の駅前に出てみたが、さらに印象は希薄だった。小さい頃何度かいったのは反対の北口か、あるいは何もかも変わってしまったかどちらかだが、それはそれとして歩き始めることにした。おおまかな心づもりとしては保土ヶ谷公園を目指す。
駅前の道をまっすぐいくとこども自然公園という大きな公園にぶつかる。「こども」という名前はついているが、もちろん大人も入ってオーケーだ。というより、園内は起伏が激しく、自然のままの植物や水辺がメインなので、特にこどもがきて面白いところではない。とにかく広い。どこを歩いているかわからなくなり、外に出られなくなった。
ほころびはじめた梅の花を見つける。春は案外すぐそこ。
隣の敷地は戸塚カントリークラブ。ゴルフゲームはすきだが、ゴルフをする人たちの浮かべる満足げな笑みはすきになれない。境界沿いに歩いてどうにか出口を見つけた。この時点で、目隠しをしながら体を回転させられたみたいに、方向感覚が狂っていた。
住宅地をぬけるといきなり街のにぎわい。緑園都市駅に向かう道だ。ぼくの記憶の中の緑園都市は、ブルドーザーに掘り返された黒い土の山。それが今ではまがりなりにも都市という名前に恥じない街になっている。変われば変わるものだ。
東戸塚行きのバスを見かけたのであとをついていこうとしたが、住宅地の中に迷い込んで、また戸塚カントリークラブに道をはばまれた。邪魔だ。結局、前に進めないまま、一回転するように、緑園都市に向かう道に戻ってきてしまった。もうくたびれてきたので、逆の二俣川方面を目指すことにする。
車の通りのそれなりに激しい殺風景な道をただとぼとぼと惰性で歩く。散歩としては最悪だ。微かに空から雨粒のようなものが落ちてきた。どうにかこうにか二俣川到着。8.4km。
横浜に出て食事。シャルの6階の天はなという天ぷら屋に入った。でっかい大かき揚丼とかいうのを注文。量だけ多くて大味なものを想像していたが、それなりにおいしくて得した気分になった。880円。
下の靴屋でNikeのスニーカーを買った。Prestoというシリーズの若草色のやつ。日本人の足向きではなく、幅が狭く作ってあるので、ちょうどいいサイズのものだと、両側がきつくしめつけられてしまう。結局2サイズくらい大きなものをもてきてもらったが、幅はどうにかなったものの、足先が2cm近くあまってしまう。店員がそれくらいひもをしめれば平気だというので、買ってしまったが、はたしてどうだろう。最近、2回続けて、サイズが小さくて失敗しているので、大きい分にはどうにかなるような気もする。
携帯を使って近くのスタバを探した。こういうときには便利だ。

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