降雨都市(レイニーシティ)

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蒲田駅ビルサンカマタに開業した有隣堂に寄ってから出かける。本の品揃えは今ひとつだが、広々としていて気持ちがいい。

小岩に向かう。これだけ東にいくのも久しぶりだ。まるで海のような荒川を渡り、新小岩を過ぎたあたりで窓ガラスに水滴がいびつな線を描いた。そう、もうすっかり空は梅雨模様。いつ雨が降り出しても不思議はない。せっかく遠路はるばるやってきたのに、即撤収かとがっかりしかけたが、小岩駅のホームから見る限り、カサをさしている人はほとんどいない。なんとかいけそうだった。

北口から歩き始める。最初、雨はぽつりぽつりと無口な人のつぶやきのように肌にあたってきて、一瞬饒舌になる構えを見せたが、やがて眠気が訪れたようにぱったりとあがってしまった。だが行き場をなくした湿気のせいで不快指数はうなぎのぼり。汗がじわっとしみだしてくる。

基本は北向き、道をさえぎられたら西という感じで歩いてゆく。京成の高砂駅前を通って新金貨物線のほとんど列車の通らない踏切を渡ると、緑道とふつうの道が並走してかなり広々とした道路に入る。そのまままっすぐいくと水元公園まで続いているらしいが、水戸街道にぶつかったところで中川を渡ってしまうことにした。中川大橋という橋だ。環七を越えてしばらく水戸街道をゆくが、右手に並木道があったので、そちらに入る。

再び環七を渡ったところで再び雨。今度はさきほどよりずっと雨足が強い。常磐線の線路にぶつかったので、そのまま線路沿いに亀有駅まで歩いた。7.3km。

亀有は各駅停車しか停まらず、各駅停車はすべて千代田線直通だ。面倒なのでそのまま表参道まで乗ってしまい、銀座線か半蔵門線に乗り換えて渋谷までいくことにした。

渋谷はぽつぽつと小雨。まず食欲を満たすために道玄坂のねぎしへ。ねぎし定食950円を注文。一応禁煙席と喫煙席が分かれていて、禁煙席の方に案内されたのだが、妙に息苦しい感じがするなと思ったら、隣の席が喫煙席で、男がぷかぷかタバコをすっていた。もっとちゃんと分煙してほしい。

渋谷にでてきた主たる目的は本屋。ブックファーストで、笙野頼子『タイムスリップ・コンビナート』、多和田葉子『犬婿入り』という女性作家の本2冊と、ウィリアム・ギブソン『ニューロマンサー』というサイバーパンクの元祖の小説をいまさら買ったりした。ちなみに、今日はタイトルだけサイバーパンクを意識している。

タリーズでコーヒーを飲んで外に出たら、かなりの本降り。そんなことは気にせず、カサをささずに渋谷の街を進んでいったのだった。

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