夢の新宿中央公園

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蕎麦がたべたくなった。それで中野に向かう。「それで」にはちょっと省略があって、実際はどのあたりを歩きたいかという散歩の気分と、おいしい蕎麦が食べたいということの論理演算で中野が選ばれたわけだ。

中野には北口と南口にそれぞれさらしな総本店という蕎麦屋があるらしく、総本店のくせに2件あるとは何事だとも思うが、それはおいておいて、まだ入ったことのない南口店にいこうとした。携帯でなんとか場所を確認したら、すぐ駅前だった。ところがシャッターが閉じられている。定休日はないはずなのだが。2件ある店の両方とも閉めるなんて野暮なことはしないだろうと、北口店に向かう。ところがこちらは今の今まで営業していた雰囲気があるもののシャッターが半ばおろされていた。定休日のない店が閉まっているなんて、なんだか果てしなくついていない。

仕方なくいつものラーメン屋喜神で、おすすめのえびワンタンラーメンというのを食べることにした。税込み880円。えびを座布団型の団子にしたものをワンタンの皮でくるんである。スープはさっぱりとしたしょうゆ味。まあおいしかったが、湿度が高いせいで、スープを飲んでいるととめどなく汗がふきだしてくるので、スープは残した。

散歩開始というか、いちおう中野駅から散歩をはじめたことにしているので、正確には再開だ。早稲田通りを都心方向へ。誠美学園の手前で裏道に入り、北野神社の角を切り取るように曲がる。ふつうの民家みたいな家のドアの隣の壁に「ちょっとの間の外出でもきちんとカギをかけましょう」というような貼り紙がはってあって、通行人に向かって家族全員がずぼらであることを宣伝しなくてもいいだろうと思ったが、信者会館と書いてあったので納得した。その道は細いが、文園通りという立派な名前がついている。

掘割になった中央線の線路沿いの道に合流して、そのまま山手通りを渡って東中野へ。そのあたりからは南側の新宿高層ビル群を目指してゆく。高層ビルの間近とは思えない落ち着いた街並み。栄橋という橋で神田川を渡ると、再開発中で、緑色の網の柵に囲まれた廃墟がちらほらしていた。

青梅街道を渡って十二社の通りを進むと、新宿中央公園。今日夢の中で、何かの用事で新宿中央公園に来ていて、用事が終わったのでさあ散歩をしようかと歩き始めたところ、夢の中特有のあいまいさにはばまれて、どうしても歩くことができないのだった。想像力が公園の外の街を思い描けないといった感じだった。そういうこともあって、このあたりを目指してみたのだった。

公園のそばのスタバで休憩。そのまま新宿駅を目指し、小田急ハルクの中のビックカメラで、いろいろ物色。いつの間にかキリンジのニューアルバム『OMINIBUS』が出ていたことに気がついた。発売日はなんと去年の11月だ。ほんとうにこの情報孤島状態をどうにかしなくては。CDはもちろん買った。あと、なんだかブロードバンドルーターに目がいってしまった。今使っているのは、ほとんど「走り」のときに買ったものなので、機能・性能ともとても見劣りがするのだ。最近では1万円弱ではるかにいいものが買えてしまう。買おうかどうしようかさんざん迷ったが、まだ歩きたかったので、余計な荷物をかかえるのはやめることにした。

散歩後半戦の開始。南口のところで甲州街道を渡り、高島屋の膝下を進むと明治通りに合流した。鳩森小にぶつかる脇道に入って、中央線の高架をオレンジ色の光に照らされたトンネルをくぐる。その向こうは夜のとばりにつつまれた、千駄ヶ谷、神宮前の迷宮地帯。原宿を目指しているつもりだったが、外苑前に出てしまった。9.8km。途中、Le Sang des Poetes(詩人の血)という妖しげな店を発見。

やっぱりどうしてもほしくなって、新宿に出て、ヨドバシカメラで、coregaのブロードバンドルーター BAR SW-4PHGを買った。

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