武蔵野を歩きたくて井の頭線経由で国分寺に向かった。北口に出てまず西国分寺方向に進み、それから北に進路をとる。日立の研究所の前を通って東恋ヶ窪という街。そして西武多摩湖線沿いの滑走路のようなまっすぐな道に出る。線路を越えるため普通より高い歩道橋を渡った。眼下にまっすぐのびる単線の線路。
国土交通大学校のグラウンドの伸びきった芝を横目に警察学校の前へ。あとはアカシア通りという道をただひたすらまっすぐ。
途中、細い通路のような店があって、鳥の止まり木がいくつもおかれ、その上に小型のタカやフクロウなどがいた。タカはばたばた暴れていたが、フクロウは身じろぎもしなかったので、最初剥製か何かかと思った。だが、立ち止まってじっと見ていると、向こうもきこちらに顔を傾けてきた。なんかハリーポッターのダイアゴン横丁に迷い込んでしまったようだった。
小平駅到着。たった5.6kmだった。
西武新宿線で西武新宿駅に到着。JR新宿駅とは反対のさみしい方の改札から外に出てみた。歌舞伎町のはずれ、道路ひとつ渡れば新大久保といってもいいような場所に出た。歩いている人たちの目がみんなどことなく虚ろだった。
ガードをくぐって小滝橋通りを通って新宿中心部に向かいながら食事する場所をさがす。だが、結局青梅街道に出てしまい、信号を渡ってすぐの大戸屋に入ることにした。場所と時間のせいでものすごい混雑だ。注文をするのに並び、席に案内されるために並び、さあに席についてからも料理が出てくるまでずいぶん待たされた。食べたのは豚の生姜焼き定食+ひじき。見た目はたいしたことなかったのにかなりおなかがふくれた。710円。
ビックカメラでいろいろ見てみた。実は、散歩のときに音楽を聴くためのプレーヤーを新調しようかと思って、大容量のHDD内蔵のやつを見てみたのだが、どれもサイズが大きくてびっくりした。唯一アップルのiPodだけは手頃なサイズだったが、今のCLIEがいくらほっとんど音楽再生に特化しているとはいえPDAはPDAで必要な気もして、まだまだそう簡単には決めきれないのだ。
来た道をもどって、タリーズに入ったが、あと20分くらいで閉店だといわれた。まあそれくらいならいいやと思って、注文してしまったが、店員が閉店の支度をしているのを見ながらコーヒーを飲むのは、どうも落ち着かなくてよくない。しかもストロベリーシロップというのをつけてしまったのがちょっと失敗で、甘すぎて口の中がべたついた。
ちょっとのんびり帰りたかったので、バスに乗ることにした。地下にある案内板で行き先を眺めていたら「品川駅」という文字を発見。乗り場に上ってみるとちょうどあと数分でくるところだった。
運転手はめずらしく女性。そこまではよかったが、かなりお年を召した女性の一団が乗り込んできた。中の一人が耳が遠いのか、酔っ払いのように箍のはずれた大声で話し、あろうことかぼくの直後の席に座った。しかも、途中から乗り込んでぼくの前に座った男の様子がどうもおかしい。拳を作ってガラス窓をたたいてみたり、手すりをこきざみにたたいてみたり、体をバスの動きとは無関係に前後に揺さぶってみたり、ぶつぶつ独り言を話したりする。夜のバスはなんだか怖い。夜のそんな時間帯にバスに乗ろうなどと考えるのは多分ふつうの人間ではないのだろう。
緊張感にいだかれながらバスは進んでいく。よっぽど西麻布で降りてまた六本木ヒルズにいこうかと思ったが、我慢した。次の停留所で年配の女性の一団が降り、四つ橋で、前の男が降りて、ようやく平安が戻ってきた。

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