久しぶりの休暇。
16時ごろから三鷹以西の中央線が大幅に運休になるといわれると、逆に好奇心が働いてそちらの方にひきつけられる。そういうこともあって、武蔵小金井に向かう。運休の前に移動を済ませておこうということなのかどうかわからないが、中央線の電車は心持ち混んでいるように感じた。
武蔵小金井に着いたのは15時30分くらいだったので、当然のことながらいつもとかわらぬ完全な平静さがそこにはあった。ちがいは繰り返されるアナウンスと警備員の数くらいだ。別に何かを期待していたわけではないので、そのまま歩き始める。だが、考えてみれば、電車の代わりに走る代行バスは、まさに運休ならではのものといえるので、乗ってみればよかったと、帰宅してから後悔した。
南口の商店街をまっすぐ進み下り坂にさしかかるところで横手の階段をおりる。前々から気になっていた階段だ。おりると一気に武蔵野の落ち着いたたたずまいに包まれた。家や畑の間を縫う曲がりくねった道を東へ進んでいくと、急に視界が開けて武蔵野公園に出る。
今日の目的のひとつはこの公園の中にあるくじら山というところだ。「すいか」というドラマの最終回を見ていたら、小林聡美と小泉今日子が待ち合わせた場所に、「くじら山」という標識があって、ネットで検索したら、それが武蔵野公園の中にあるということがわかったのだ。もちろん、そのくじら山とこのくじら山が同じという証拠はどこにもないのだが、そこにいく理由としては十分だ。
広い園内を見渡して、ちょっとだけ小高くなっているところを見つけた。おそらくあれだろう。山というのは誇張の上にも誇張で、高さ数メートル、塚というのがせいぜいだ。母親と数人の子供がピクニック気分で頂上近くの斜面に陣取っている。ぼくは一応頂上に上がって標識を確認し、園内を見渡してみた。登らないよりはちょっと見通しがきく程度だった。
登頂を果たしたので近くのベンチで休憩。そうしていると、いつの間にかあたりは完全に秋に包まれていることがわかった。木々が放つ秋の匂いを吸い込みながら、散歩続行。以前来たときの印象だと、武蔵野公園は野川の両岸にへばりついている狭い公園という印象だったが、こうしてみると案外広大だった。
Nゲージのような西武多摩川線の高架線路をくぐって反対側にもまた別の公園が広がっている。野川公園だ。フリスビーやバトミントンなど安上がりな余暇を楽しむ人たちを眺めながら、公園を突っ切る。
公園を出てしばらく進むと調布飛行場が見えてきた。ちょうどオレンジ色のセスナ機が飛び立とうとしていたので、その姿を見送った。滑走路をずんずん走っていって、建物の影に吸い込まれてしまい、影から出たときはもう地面から離れていた。見てたら空を飛ぶ能力を身につけた少年の話を思い出した。空を飛ぶためには、いちど絶望のふちに落ちなければならないのだ。
大沢コミュニティセンターから電通大、そして調布まで。8.3kmだった。
芝居を観る予定なので下北沢に出る。まずは食事。ポポラマーマというパスタ屋で、マイタケとベーコンのペペロンチーノにサラダセットをつけた。780円と値段が安いし、ドリンクはセルフサービスで飲み放題、おまけにパスタの味もなかなか。
芝居のチラシといれるための袋を確保するという目的もあって、ピーコック3階の三省堂で『散歩の達人』10月号を買った。そして風邪予防のため薬局でうがい薬を購入。
芝居は80分くらいでかなり短めだったが、堪能した。三茶まで歩く。

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