寒空

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昨日の穏やかさが嘘のように冷たい風が吹きつけてくる。心にちょっとばかりまとった秋の余裕というやつがいとも簡単に吹き飛ばされてしまう。

さて、このところ週に多くても一日しか歩くことができなかったので、確実に散歩の醍醐味を味わうことができる場所ということで、どうしても武蔵野方面にしか足が向かなかった。今日はその愛すべき固着から足を抜き出すことにして、いくつかの候補の中から選んだのが横浜だ。

横浜駅東口から出て、みなとみらい方面を目指す。高島町の歩道橋で、かなり大回りになってしまうところに下りてしまい、また上りなおしたりして、ちょっと時間をとられた。

みなとみらい大通りへ。高島町に近いあたりに来るのははじめてだ。まだまだ空き地が目立つが、ホームセンターがあったりしてそれなりににぎわっている。まっすぐ進んで、桜木町の駅前から弁天橋という橋を渡り馬車道へ。というか、今まで馬車道という通りの位置関係をよく把握してなくて、桜木町から関内に続く全然関係ない通りを馬車道だと思い込んでいた。正しくは伊勢佐木町から根岸線のガードをくぐって続く道が馬車道だった。ここまでは奇しくも今度開業するみなとみらい線の経路をなぞっている。

ハトが車道の際でぼんやりと何をするでもなくたたずんでいた。生気がなく、黒い大きな羽の死神が降りてくるのを静かに待っているように見えた。

そのまままっすぐ伊勢佐木町。今もにぎやかで楽しい通りだと思うが、子供のころは自分の知る限り一番輝いて見えた場所だった。有隣堂で本の香りにかこまれるとわくわくしすぎてくらくらしたものだ。

左に曲がって横浜橋の庶民的な商店街を抜け、ここまでがまあ横浜の表面。ここからは一転、横浜の裏面、さびれた界隈に入っていった。土埃とヤンキーの街。

中村橋という橋から続く商店街に入ったが、日曜日ということもあってかほとんどの店がシャッターをおろしている。スピーカーから流れる和製のレゲーがいやにさみしく響いた。蒔田の駅前についてもさみしさは続き、その先の南区役所のあたりで、歩道が赤レンガに変わり、少し持ち直すかに見えたが、結局京急の井土ヶ谷の駅までさみしさをひきずってしまった。7.8km。前半信号待ちが多かったので、時間の割りに距離が稼げていない。

横浜駅に出て食事。ルミネの中に入っているブラームスという洋食屋は値段が手頃でいい。森のきのこのハンバーグセットというのを頼んだが、サラダ、スープ、ライスがついて980円だ。ふつう1300~1500円くらいすると思う。ブラームスという名前に反してBGMはビートルズだった。

スタバでも温かい飲み物がおいしい季節になってきた。

ヨドバシとかビックカメラとか無印良品などを冷やかしてみたが、どういうわけか東京とちがってなかなか時間がたたない。うまく時間がつぶせないというか、東京では時間をつぶしているつもりもなく、あれよあれよという間に過ぎてしまう。時間の進み方がちがうのだろうか。早々と7時くらいに横浜をあとにした。

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