雨がフォルテッシモの演奏をやめるのをまってから出かけた。相変わらず蒸した空気に、雨上がりの太陽のまっすぐな光線が射し込むのと同時にどこからか冷たい風が吹き込んできて、暑いのか寒いのかよくわからない気候だった。でも空は透き通るくらい青く、この連休で一番の散歩日和になった。
まず、大井町でブックオフに寄る。それは同じ本を二度買うための儀式なのだと書いておく。
そのまま大井町から歩きはじめる。ほぼ大井町線沿い、道路拡張のため半ば見棄てられたような場所。生い茂った雑草の緑が気持ちいい。戸越公園駅の手前で道を折れた。
星薬科大学のまわりをめぐって名刹らしい寺の脇の小道。僧服姿の男性とすれちがうが、なんだかとても疲れているようだった。行く手を遮る緑の障壁が見えたが、その先も抜けられて左手は神社、右手は公園になっていた。右手に進み、段差があるところが見えたので階段かと思ったが、高さ3メートルくらいの断崖絶壁になっていた。ロープが垂らしてあって、そこをよじ登るためのもののようだ。そこからロープ伝いに降りるのも一興だったが、怪我をしてもつまらないので脇の階段からおりた。
公園から出ると、首都高にぶつかった。目黒川を渡って、目黒線の高架をくぐる。その先は心臓破りの坂。汗を噴き出してのぼり終えて、そのあたりの雰囲気のよさに気がつく。目黒駅はすぐそば。駅の東西にあるとんかつ屋、とんきの看板を確認しながら目黒通りをゆく。
自然教育園の東側の道からプラチナストリート。どこからともなく香をたいたようないい香りが流れてきた。しばし外苑西通りを進む。いい夕暮れだ。有栖川宮公園の中はもうすっかり暗くなっていて、街灯の光が月の光のようにおぼろに道を照らし出した。
けやき坂通りに入って六本木ヒルズ到着。カレーうどんの店古奈屋を探そうとするが、迷宮のようでどこにあるかまったくわからず、しばらく探し回る。いったん外に出てさみしい階段を降りたところに発見。エビ天カレーうどんを注文。杵屋がまねをして同じようなメニューを用意しているが、やはり本家のこちらには全然かなわない。とてもおいしかった。1350円。
散歩は六本木まで。10.4km。
一応六本木では一番大きな本屋のラピロスのあおい書店でヴォネガットの『タイムクエイク』の文庫を買った。ハードカバーは持っているはずだが、さがしても見当たらなかった。
スタバに入る。考えてみると、スタバはぼくにとって一義的には本を読む場所なのだった。

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