雨が降っているかときかれれば、そうだとうなずき、カサは必要かときかれれば、肩をすくめ、どんな気分かときかれれば、最悪だと答えるだろう。つまりはそんな日。
7時から新宿で芝居を観る予定なので、早々と新宿へ直行してしまう。ヨドバシカメラの西口本店に上りにのエスカレータが設置されてかなり楽になった。散歩で足を酷使したあと、あの階段の上りはきつかったのだ。案内板にB1から8階まで直行と書いてあるから、最初ノンストップで8階までいってしまうのかと大いに興味をひかれたのだが、ちゃんと各階でおりられるようになっていて、なんだかがっかりしてしまった。
食事する場所をさがして東口界隈を歩きまわる。紀伊国屋書店の営業時間が8時半までと、30分間だけ延長されていた。せめて9時までは延長してほしいと思うのだが。
大ガードをくぐり結局また西口側に出てきて、小滝橋通り沿いへ。ちょっとさみしい感じもするがどういうわけかこの通りが好きだ。税務署通りまでいってひきかえして結局蒙古タンメン中本という店に入った。「蒙古」というのは相当辛いことを意味する接頭辞らしい。写真のスープの色がどれも真っ赤だ。それほど辛くなくてはじめての人にお勧めの味噌タンメンというやつにしようかと思ったが、ほんのちょっとボリュームを付け加えたくて、卵入りの味噌卵麺の食券を買った(税込み720円)。ところが、その食券を差し出すと、店員にかなり辛いですよと釘をさされた。カウンター席にもメニューがあったのでよくみると、辛さが唐辛子の形で視覚化されていて、味噌タンメンが唐辛子半分以下であるのに対し、味噌卵麺は8割くらいある。なんだかわかりにくいネーミングだ。ちなみに北極タンメンは唐辛子まるまる一本で、つまりはここでは「北極」という接頭辞は極限的に辛いことを意味する。
8割でもむせるほど辛い。辛いものは大好きだが、体質的に汗がふきだしてしまうのが問題だ。今日もぼくの体だけ夏がきた。汗をふきふき、メンと具だけ食べて、スープは大半残した。
汗をひかせるためにその辺を歩きまわる。雨をもうほとんどあがっていて、雨上がりの緩んだ空気が気持ちよかった。どうせなら今日は降るだけ降って明日あがってくれた方が都合がいいのだが。タリーズにはいるが、それでもしばらく汗がひかなかった。
新宿は広いので、もう新宿にいると思って安心していても、目的地にたどりつくまでに意外に時間がかかってしまう。青梅街道のこっちから甲州街道の向こうのスペースゼロまで向かう。が、意外にかかると思っているほどはかからないというのも、また真実で、開演の15分くらい前というちょうどいい時間に到着。
芝居が終わったのは10時過ぎ。代々木まで歩いた。新宿のひとごみをかきわけるよりむしろ近い。JRの線路の向こう側から人工の靄が立ちのぼっていて、ドコモのビルを幻想的に覆っていた。ビルのてっぺんの巨大な時計が空中に浮かぶホログラムのように見えた。

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