里への道

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保土ヶ谷駅前の東海道を渡って入口が階段になっている細い坂道をあがる。駅前だというのにもう山間の住宅地みたいな雰囲気を漂わせてしまうのが横浜の面白いところで、上り坂が全身に与える負荷が心地いい。首都高の上をまたぐとそこは西日がさしこむ墓場で、その脇の階段をおりて下界の喧騒に戻った。

井土ヶ谷駅を通り過ぎてしばらく大岡川沿いを歩く。なんともいえない緑色に染まった水面に浮かぶ落ち葉がきれいだ。川を離れて蒔田のさびれた街を通り抜けて、住宅地の中の細い道をゆくが両側に崖がどんどん切り立ってきて、これはもしやと思っていたら、その通り、前方も崖で道をふさがれた。

幸い、右手の少し引き返したところに崖上のマンションに通じる階段があったのでのぼる。そこは車道になっているのだが、ぐるりと孤を描きながらさらに上にのぼろうとしており、ぼくはその孤につきあうより、まっすぐ階段をのぼる方を選んだ。のぼりきった先はさすがに絶景で、ランドマークがはるか遠くにそびえ、視線をちょっと変えれば、赤く染まった空に富士山のシルエットが望めた。一応もってきたデジカメに収めたが、それを含めて今日はまともな写真がほとんどとれていない。

いまにも行き止まりにぶつかりそうな人気のない細い道をいきつ戻りつしながらようやく「里」におりる階段をみつけた。おりた先は市立脳血管医療センターの裏口。さっきから血管がやぶれそうなくらい冷たい風が吹きつけていた。

医療センターのまわりをぐるりと4分の3週したら、また山に入りそうになったのであわてて引き返して幅広の坂道をのぼる。疲れてきたので少しつらくなってきた。のぼったところのバス停が磯子フラットという名前で、どこがフラットだ、と毒づきたくなる。

なんとか見覚えのある中村橋の商店街に出て、一息ついた。活気のない通りではあるが、あたりにあふれる蛍光灯の灯りに温かみを感じた。

ほとんどの店が申し合わせたようにシャッターを閉ざす医大通りという通りを抜けてイルミネーションがまぶしい伊勢佐木町に到着。実際はここからが長いのだが、食べ物屋をさがしながら歩いたので、長さは感じなかった。大戸屋で妥協しようかとも思ったが、一応駅の近くまでいってみる。

散歩は関内駅で終わったことにする。9.7km。そのまま直進して馬車道に入った。伊勢佐木町と比べてその暗さに驚いた。もっと人がたくさん歩いている印象があったのだが、今日はほんとうにさみしかった。食事の前にタリーズでコーヒーを飲むことにした。

振り子のようにもときた道を戻って、結局大戸屋に入ってしまった。豚肉とキムチの野菜どんぶりというのを注文。630円。ぴりっとしてまあまあおいしかった。

寒いということのひとつの効果は早く家に帰りたくなることだ。電車に乗り込む。

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