夜の側の人間なので朝日が何時にのぼろうがどうでもよくて、太陽の運行で関心があるのは日没時刻くらいだ。日が沈む、つまり太陽の上端が地平線に落ちきるのが一番早いのは冬至ではなく実は12月前半で、東京では11月の末から12月上旬に16時28分という最も早い時刻を記録し続ける。今年についていえば今日13日にようやく一分だけ日没時刻が遅くなって16時29分になるのだ。
といっても、すぐ暗くなってしまうことには変わりないので、ぼくなりに最善を尽くして外に出る。降り立ったのは笹塚だ。夕食の買物客でにぎわいはじめた十号通りを抜けて方南町方面へ。環七を渡ると町名が和泉になった。
杉並区郷土資料館には特に興味はなかったが、案内板の示す方向に進んでみた。だが、いつの間にか通り過ぎてしまったらしく、松ノ木の街の中に入っていた。中規模の団地があって、バスの終点にもなっている。特に辺鄙な場所ではないが、終点ということでぼくはつい隠れ里的な雰囲気を感じ取ってしまう。
引き寄せられるように阿佐ヶ谷住宅の中へ。土の匂いのするとても気持ちのいい場所なのだが、所詮部外者であるぼくは疎外感を感じてしまう。たぶん、最近何度もきているせいで、この場所がマンネリ化しているのだと思う。
青梅街道から阿佐ヶ谷へ。7.1km。カメラをもってうろうろしながら歩いたので時間の割りに距離をかせげていない。
せっかく阿佐ヶ谷にきたので半年前からいこうと思って果たせないでいるヴィレッジヴァンガードダイナーという本・雑貨の店ヴィレッジヴァンガードが経営するハンバーガーショップで食べることにした。といっても場所がよくわからない。北口の郵便局のそばということだけはわかっていたのでうろうろ探し回っていたら、膀胱の中にたまったものを排泄する必要を感じてきて西友に入る。
一息ついて駅前の地図で〒のマークを確認。ようやく、ようやくたどりつくことができた。わかってみれば、駅のほんとうにすぐそばだった。
アメリカンな感じの店内。壁の「無気力爆発」とかいうイラストがユーモラスでいい(どこかで見たと思ったら、吉祥寺のブックスルーエのブックカバーをデザインしているキン・シオタニという人の作品らしい)。正確な名前は忘れてしまったが750円のなんとかニューヨークバーガーと、サラダ、月変わりのフレーバーコーヒーを注文。バーガーのパンは胚芽入りの固めのものと野菜を練りこんだやわらかいものを選べるということだったが、とりあえず胚芽にしてみた。
野菜がたっぷりの上半分、ジューシーなパテが乗った下半分にわけて出されたものを塔のように積み上げる。当然口を最大限開けてかぶりつなかなければならない。食べるのにちょっと苦労するが、味は本格的だ。あわせて1430円だったが、店員の応対がアットホームで心地いいし、今度またきてみようと思った。もうすぐ吉祥寺に二号店が開店するそうなので、いくとしたらそちらか。ギネスビールを飲むのもいいかもしれない。
フレーバーコーヒーのココナツのフレーバーを口内いっぱいに残しつつ渋谷行きのバスに乗り込んだ。ロータリーから道路に出るところで、バカな黄色いバンが停止線をはみだして停車していたせいで、えらく出発に手間取った。道路も12月の土曜ということでどこもかしこで渋滞で(特に山手通りは地下の高速の工事で車線が減少していてひどかった)、渋谷まで1時間近くかかった。しかもそういうときに限って全然眠くならず、退屈をもてあましてしまった。
デジカメのレンズが指紋などで汚れていることに気づいたので、レンズふき取り用の布を買おうと思った。最初東急ハンズに入ってみたが、やはりこういうものはカメラ屋だろう。ビックカメラで購入。そのあと山下書店で何か本でも買おうかと思ったが、ほしい本がぜんぜんないことに気がつくまでにかなり時間がかかった。気がついたら8時を過ぎていて、いつの間にこんな時間になったのだろうと、タイムマシンに乗った後のような眩暈を覚えた。

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