駅名に「下総」なんて接頭辞がついているとかなり遠くまできたという感じがしてしまう。隅田川の東側がもう下総の国だったのははるか昔のことだ。
というわけでJR総武線の下総中山にやってきた。行政区分でいえば船橋市。散歩を目的に船橋市にはいるのは原木中山に続いて二度目のことだ。駅前の年期のはいった商店街をまっすぐ進むとすぐに京成中山駅に着く。このあたりは総武線と京成線はほぼ並走しているのだ。
その先はもう法華経寺への参道。広大な寺だ。オレンジ色の五重塔がすばらしい。寺を出てまっすぐ進むと駅前と変わらぬにぎわいを見せる商店街。すれちがう人、それも男性が多いなと思っていたら、その先には中山競馬場があるのだった。門からはきだされた人並みに一時的に合流するが、すぐに離れ、田舎道をとぼとぼゆく。もともとは本八幡のほうにいこうと思っていたのだが、とかくこの世はままならぬ。ずんずんわけのわからない場所へ進んでいった。
やがて右手に線路が見えて、通る電車から、武蔵野線だと知れた。あれからあまり離れずに進むのがよさそうだ。道路をまたいで左手にいったのを追いかけて、その先のT字路で左折する。
「薬」と大きく書いた看板が見えて、駅が近いのかと思い込んでそちらを目指してみたが、街外れのような暗い商店街が延々と続くばかりで、かなり長いこと歩かされた。駅が近づいても特ににぎわうことはなくそのままさみしい感じが続いたのだった。
市川大野の駅に着いた瞬間、ちょうど五時で、新世界よりの第二楽章が陳腐なアレンジで鳴りはじめた。6.4km。
さきほど通った中山競馬場の最寄駅船橋法典から大量の乗客が乗り込んできてラッシュ時並になった。西船橋でかなりおりたが、ぼくは南船橋までゆく。
南船橋のホームから幕張の高層ビル街の光が見えた。東京方面とまちがえそうだ。京葉線の快速電車に乗り込んで、東京まで。相変わらず、八重洲や丸の内の方に出るのにえらく時間がかかる。
カレー屋アルプスにはいろうと思ったが、細かいお金がないのでまずスタバへ。すきっ腹に飲むキャラメルマキアートにはなんともいえない幸福感があった。
アルプスは子供たちに占拠されていた。数家族合同でどこかにいった帰りらしい。それほど騒がしくはなかったが、どうも子供は苦手だ。しかし、もう食券を買ってしまったので引き返せない。なんとか空いた席に割り込む。税込み520円のメンチカツカレー大盛りにしたのだが、カレーとライスはおいしいものの、トッピングのメンチはC級。カツカレーのカツはかろうじてB級をキープしているのだが、ほかのトッピングはだめかもしれない。とにかく腹だけはふくれた。
八重洲ブックセンターで、ちくま文庫怪奇探偵小説名作選の日影丈吉集を買う。
すぐ近くでミレナリオとかいう目がちかちかすることをやっているが、それを避けるように裏道を選んで有楽町まで。用もないのにまたしてもビックカメラにはいってしまった。

船橋法典駅から大量に乗ってきたのですか?大量に乗ってくるとすれば府中本町方面だと思うのですが。
5年近く前のことなのでほとんど忘れていますが、このエントリーの記述通り、船橋法典から南船橋方面の電車に大量に競馬場帰りの客が乗ってきたのは確かです。「大量」といっても相対的なものですから、府中本町方面の方がずっと多いんだよといわれればその通りかもしれません。この文の意図は、ぼくが乗っていた武蔵野線の東京行き電車で船橋法典以前と以後で乗客数が圧倒的に違ったということです。