散歩日和: 2004年アーカイブ

昇天

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明日は雪の予報なので、おそらく今年最後の散歩。いや、これを書いている今は最後だったことを知っている。 小田急の和泉多摩川駅。改札のところで父娘らしい二人が別れの挨拶をしている。父の方が「よいお年を」などとあらたまったことをいったら、娘の方が照れくさそうに怒ったふりをしていたが、で...
最終出勤日かつ半ドン。食事は会社の食堂ですませた。 雪が舞う中、ただ何となく有楽町へ。でも、すぐに床屋にいくことを思いつき、蒲田へとんぼがえり。床屋はかなり混んでいたが、今日に限っては待つことはまったく苦ではない。 床屋を飛び出すと、雪は雨に変わっていた。まだ早いので、ただ何とな...

冬の西瓜

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長い夢をみていたのでもう一日が終わったような気分で目が覚めた。ぼくの夢は何人かの人たちとの再会と和解がテーマになることが多いのだが、なぜだか居心地の悪さや幻滅に似た気分を味わってしまう。そんな気分が冷めやらぬうちに、西永福から歩き始める。 何年か前に入った、父と息子が留守番のよう...

月の光

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大きな街だなというのをあらためて確認しながら武蔵小杉から歩き始める。特にどちらへ向かうという考えはなかったのだが、日本医大病院あたりで田園都市線沿線にゆくことを思いつく。 中原街道に入って、このまままっすぐ進むと武蔵中原駅だというのがわかり、犯人を知っているミステリーを読んでいる...

冬到来、all right

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冬到来。歩くことに苦痛が伴う季節がやってきた。どれくらいの苦痛かというと、耳を指でつねられるくらいだ。目を閉じてつねっているのがかわいい女の子だと思えばやりすごせる程度。だがときおり厳しい北風が強引に目を開かせる。 新宿湘南ラインの特別快速というやつに乗ってみた。大崎から高崎行き...

ロジーナ・バジリコ

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息が白く凍える日。武蔵小金井についたのはいつもながらかなり遅くて、3時40分ごろだった。ホームから見える北口の街並に見覚えがなくて魅力的に映ったので、足がそちらに向いた。が、その風景は書割にすぎなくて、分け入った間からは何というとこともない退屈な住宅地がしみ出してきた。 基本的に...
自由意志を捨てて、奴隷となって歩く。ご主人様は先週のぼく自身だ。つまり、先週つまらない勘違いで中断してしまった散歩を完遂しようという腹づもりなのだ。スタート地点は水道橋。歩き始める時間がほぼ同じなら、気候も暖かで似た感じだ。といっても何もかも同じというわけではなく、たとえば水道橋...

遠いはるのひ

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「はるのひ」をアナグラムで並び替えると「はるひの」になって、これは昨日開業したばかりの小田急多摩線の新駅だ。電車を乗り継いではるばるいってみたが、駅前は家と道と公園を造成している真っ最中で、見事なくらい何もなかった。 しんしんと寒気が袖の間から忍び込んできて、スリ名人のように身体...

しわすでおわす

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十二月は仕事も娯楽もあわただしくて、今日も今日とて、矢野顕子のコンサートにいく。音楽のコンサートは生まれて二回目で、一度目も矢野顕子だった。暖かな気候なのでその前に散歩をしておこうと、水道橋から歩き始めた。 神田川沿いでスケッチブックに絵を描いている女性がいる。絵をのぞきたかった...

みなと現在

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夜来風雨声。花落知多少。花以外にもいろいろ落ちたようだが。 開けて今日は春のような一日。湿った南風が吹き込んでくる。東神奈川から歩き始めた。 京急と第一京浜の間の薄皮のような地域が古い住宅地になっていた。幸ヶ谷公園という小高くなった公園からはみなとみらいの高層ビル群が見渡せる。今...

タマクエ

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ルーラでいこうとおもったがMPが0なので、電車で聖蹟桜ヶ丘にいった。 同じ多摩市でも先週歩いた多摩ニュータウンのワンダーランド的雰囲気とは異なり、駅から数ブロック離れただけで、地味な住宅が立ち並ぶ典型的な郊外の風景が広がる。猿なんていそうもない野猿街道に直角に反射して総合体育館方...

もっと光を

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蒲田から乗った電車の中で、芝居の台本を読みながら携帯電話で話している男がいた。銀ちゃん、ヤスという役名が書かれていたので『蒲田行進曲』だろう。ベタッとした古くさい芝居だと思うのだが、またどこかで再演するのだろうか。そういえばその男もどこかベタッとしていた。 出るのが遅かったので品...

オールドタウン

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ニュータウンというと、車が幅をきかせていているイメージがあるのだけど、地図をみていたら多摩ニュータウンはやたらに歩行者専用道があることに気がついた。 多摩センター駅前のコンコースからパルテノンの方にはいかず右手のレンガ坂というレンガの敷き詰められた坂をのぼってゆく。もうそこから車...
中央線で一番地味な駅はどこでしょう、と聞いてみても、この駅の名前はなかなか挙がってこない。つまり誰も地味だとすら思わないのだ。とぼくが勝手に思いこんでいる駅、東小金井から歩き始める。iPodの電池がきれていてさみしい。 北口の駅前通りというには少しさみしい道をひたすら北上。傍らに...
南武線の南多摩駅でおりるのは2回目だ。前回は橋を渡って府中市に入ったが、今日はそのまま稲城市の中心部をめざす。とはいえ、もう3時20分。この時期はすぐに暗くなってしまうので、あまり長くは歩けそうもない。 今日はちょっとミーハーに映画『花とアリス』のロケ地を訪ねるのが主たる目的だっ...

タッチ

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昨夜会社で、発作のようにでてくる欠伸をおさえるためにコーヒーを飲んだら、家に帰りついたあとにその効果が現れて、おまけに『恋する幼虫』なんていう奇妙な映画をみたものだから、寝つかれなくなってしまい、寝返りを繰り返すうちに空が白み始めた。 昼過ぎに起き出して重い頭をかかえたまま床屋へ...

短い逢瀬

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ここに明記していないが、大森はよく通っている街だ。井の頭線方面から帰るときに乗るバスの終点が大森なので、バス停から山王口までの数十メートルは脳裏に深く刻み込まれている。バス停の前の中華料理屋、向かい側のふらんす亭の前で配っていたドリンク割引券、シュークリームの甘い匂い。だが、どう...

パースペクティヴ

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六日連続で勤務先のそばの海辺にいってみた。曇っていて風が少し冷たかったが、その割には人の姿を多くみかけた。ショートパンツと黒いタイツ姿の女性がポーズをとり、傍らでアシスタントの男性が反射板をもって向きを調整している。そのほか数名はカメラを構えている。つまり撮影会だ。おたくっぽい男...

ほんとうの日曜日

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東口だけをみて、綱島は猥雑なところが鶴見に似ていた街だなと思っていたが、西口を歩いてみて、綱島は閑静なところが鶴見に似ていると思った。 駅から数ブロックのところに急な上り坂の入り口があって、それを上りきると綱島公園がある。上り坂は生い茂る木の下でまだ続き、さすがに息が切れかけたと...
あと一ページで小説を読み終わるというところで吉祥寺についた。それはあとのお楽しみにとっておく。 半ば定期的に訪れている吉祥寺ではあるが、井の頭公園は久しぶり。ところどころ木々が色づいてきていた。コーディネートしたように空も淡いオレンジに染まる。もう夕暮れだ。パフォーマーやショップ...

天文台裏

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穏やかな風が無駄な力を奪ってゆく。それにつられて頭の中の思いのかけらがシャボン玉のようにふわふわと浮かび上がり、行く手を邪魔しなくなる。歩くことがとにかく気持ちいい。 三鷹南口の商店街は大好きだが、今日は毛色を変えてちょっと車が多い三鷹通りをゆく。芸術文化センター、山中通り。 目...

ノスタルジー

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意外に暑くて腕がジャケット用のハンガーになってしまった。 今日はノスタルジーの旅。川崎から歩きはじめる。まずは今年の1月まで通っていた通勤経路をたどる。こちらはつい最近のことなので懐かしいもへちまもない。引き続いて8年前まで主に自転車で通っていた通勤経路に入る。8年前に引っ越して...

雨と雨の間の間

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閉め切った窓の向こうからホワイトノイズのような雨音が聞こえる。予報はビンゴ。初台の東京オペラシティギャラリーでやっている写真家ヴォルフガング・ティルマンス展にいくことにする。 ティルマンスの写真はどちらかといえば静的で平面的。瞬間を切り取るのではなく、平面上に投影されたものの形や...

Tool me!

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鶴見の街を知らない人はまったく知らないだろうし、少し知っている人はそこ川崎だっけ横浜だっけというようなものだろうし、かなり知っている人はわざわざ足を向けようとは思わないだろう。というのはJRの駅の東側の話であり、西側には総持寺という名刹があって、芸能人が好んで住むような閑静な高級...

ゆれる日

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ほんとうは休日の今日芝居にいくはずだったのだが、事情により平日の昨日いくことになってしまった。そういうときに限って急ぎの仕事がふりかかるのが世の常で、その場は無理矢理ふりきったものの、代わりに今日出社しなければならない憂き目をみた。 すぐ終わるはずがずるずると長引いて、試行錯誤し...

首筋の疵とローソン女

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床屋にいったら、首筋にひっかき傷ができているといわれた。確かに爪でひっかいたような赤い筋が二本できている。猫か、そうでなければ女とからかわれたが、夜中に悪夢をみて自分で掻きむしったということに落ち着いた。悪夢の内容は覚えていない。 京浜東北線の中で独りで会話をしている小太りの女性...

冬支度

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曇りだが空気は澄んでいて、街は凛としたたたずまいをみせている。もう冬はそれほど遠くない場所にきている。冬支度の季節だ。 神田から歩き始めた。西口商店街からいったん小川町、神保町に向かって、お濠沿いにでた。気象庁の前の信号で左折してきたバンにひき殺されそうになる。分泌されたアドレナ...

東京一周

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昨日と同じ灰色の空。郊外に食傷したので、東京駅丸の内中央口から歩き始める。年末には派手な電飾が飾られる日比谷方面に向かう道をゆく。高級店ばかりでぼくとはいかなる縁もない店ばかりだが、街並みがどこかヨーロッパ調だ。 日比谷公園の中へ。東京周辺をあちこち散歩しているが、日比谷公園は背...

なるほど

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昨日は一日家に閉じこめられて、何をしていたのか一つも思い出せない無意味な日だった。明けて今日は台風一過で快晴と思いきや、どんよりと雲がたちこめている。そんな中散歩に向かった先は、草加。東武伊勢崎線準急で北千住から二駅目だ。 草加といえば草加煎餅という知名度の割に寂しげな西口の駅前...

雨のマチス

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今日から四連休。今週はとても疲れたので、こんな雨降りの日でも、休日であるというただそのことだけで、ある種のすがすがしさとともに目覚めることができた。 せっかくの平日の休みなので、休日は混んでいそうなマチス展にいくことにする。上野の国立西洋美術館で開かれているのだ。行列らしきものが...

溶けた日曜日

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日曜日に雨がしみこんで、濡れたトイレットペーパーのように溶けてゆく。 六本木に出て、9月29日に再開店したばかりの青山ブックセンターにいってみる。雨のせいか、極端に客の数が少なくて心配になるが、ご祝儀として、外国文学の文庫本を三冊購入した。イタロ・カルヴィーノ『見えない都市』、ポ...

水源地にて

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腹立たしいことがあった。その気持ちが投影されたように、突然復活した夏。日光がさんさんと降り注ぎ、熱気がたちのぼる。 いつもより大幅に早くでかけて、新宿のヨドバシカメラに寄る。イヤフォンがこのところ見あたらなかったのでてっきりなくしたと思い、パナソニックにインナー型のやつを買ってし...
多摩湖畔にいってみようと思っているのだが、今日はあいにくの霧雨、しかも出かけた時間もふだん同様遅かった。今日のところは手前の所沢で地歩をかためることにした。池袋経由で向かう。 所沢というと西武池袋線と新宿線が交差する交通の要所であり、かなりのにぎわいを期待していたのだが、降り立っ...

台風カレー

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ふつう芝居の夜の部の開演時間は7時なのだが、今日みるやつは6時だった。事前に気がついていてよかった。そうでなければ開演1時間後に到着するところだった。 いつものように家を出るのが遅くなったので、散歩する時間は残されていなかった。渋谷のブックファーストで時間をつぶす。買いそびれてい...

リアルな散歩

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角を曲がっても自分がほんとうにそこで曲がったのかどうか確信がもてず、あたりの風景はなんだかぼんやりとしていて、はっきり見ようとすればするほど現実感を失ってゆく。やはり、夢の中で散歩しようとしてもちっとも散歩した気になれない。おまけに知らぬ間に左足の小指の付け根が切れていたり、手首...

orz, oazo

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残暑はなかなか過ぎ去ろうとせず、代わりに気力と体力がどこかへ去ってしまった。ずた袋のような身体をひきずりながらとりあえず亀戸にむかってみる。 以前はさみしかったがサンストリートなどができてから少し活気がでてきた東口から歩き始めた。北十間川を渡ってからしばらくは東武亀戸線に寄り添う...

源流へ

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荒川や多摩川だと源流をたどろうとすると「旅」というふうになってしまいそうだけど、鶴見川なら散歩の延長でいくことができる。鶴見川は夏になるといやなにおいが立ち上る汚い川だったけど、生まれ育った場所のすぐ近くを流れていて、それなりに思い出深くもあるのだ。子供の頃に源流の場所を調べて、...

中途半端

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久しぶりに部屋を掃除して、原初的な混沌の状態から足の踏み場のない状態にまで復旧させてから出かけたら、なんだか中途半端な時間になってしまった。7時から芝居をみるのだが、それに直行するほど遅くもないし、どこか別の場所にいくほどの余裕もない。時間だけでなく気分も中途半端だ。 新宿のヨド...

大師

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首都圏で大師といえば西新井か川崎だけど、そのうち自宅から遠い西新井大師にお参りしたくせに、目と鼻の先(直線距離だと2.8km)の川崎大師からは足が遠のいていた。大人になってからはじめてではないだろうか。 京急の川崎大師でおりると表参道と名付けられた昭和のにおいがする商店街がのびて...

植木の里

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その赤い矢印を最初にみたのは、歩き始めてからかなりたって半ばあきらめかけているときだった。葡萄棚くらいの高さの灌木の下で宴会をしている一団がいて、ぼくはそちらに気をとられていたのだけど、彼らとはまったく無関係に「有馬植木の里」を矢印で示す標識が出現したのだった。その矢印は左右両方...

揺れる町田

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大井町線の電車の中で、80歳は優に超えていると思われる女性が、髪を染めて髭をはやした若い男に乗り換え方法を尋ねていた。彼は、親切に教えてあげるばかりでなく、自分も電車をおりて連れて行ってあげようとする。ところが、女性は具合が悪くなったのか、駅のベンチに横たわってしまった。電車が発...

悪循環

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このところ週末のたびに天気が崩れる。今日も空は厚い雲で覆い隠され、耐え難いほど蒸し暑い空気がただよっている。中途半端に高円寺から歩き始める。環七の高円寺陸橋から救世軍ブース病院。ブースというのは救世軍の創設者の名前だそうだ。 神田川から善福寺川がわかれる地点、あるいは善福寺川が神...

降りやまぬ雨

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雨はやまなかった。何度か弱まるそぶりを見せはするのだが、期待を裏切ってすぐに強さを増す。最初ハスキーな囁き声のように感じていた雨音がしまいには小言に聞こえるようになった。 その時点では雨はやむという確信をもちつつ、町田から歩き始めた。繁華街とは反対側のビジネス街に出て、多摩市方向...

知らぬが仏

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雨が降ったら仕事にいこうと思っていたが、いつのまにかそれが、雨が降ったら床屋にいこうにすり替わっていた。でも、面倒でもあるが、床屋はいい。無意味な時間が積み上げた余計なものが取り除かれて身軽になる感覚。 外に出ると雨があがっていた。拍子抜けだ。もともと渋谷に行くつもりだったが、田...
重力を生み出すのはヒッグス粒子だけではないらしい。おそらくその謎の粒子のせいで会社にいくことができなかった。もう一眠りしたら少し楽になったが、それでも身体が重い。駅ビルのてもみんでマッサージしてもらうことにした。 20分後。滞った血が急に流れ始めてふらふらする。ついでに食事をしよ...

こどもの国のアリス

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長津田についたら雨がぽつぽつ落ちていた。このあたりまでくると建物が低いので意外な方向に空が見える。あまりにも暗い色で、それが空だということにすぐに気がつかない。 こどもの国線のホームにいくにはいったん東急の改札を出なくてはいけない。だが、こどもの国線の改札というのは存在しておらず...

ゴミの島

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空気がかすかに秋めいている。ちょっとほしいものがあって散歩の前に有楽町をぶらついたが、目的果たせず。東京メトロ有楽町駅から目と鼻の先にある隣駅の銀座一丁目から有楽町線にのって新木場へ。 新木場は夢の島の端にある。ゴミで埋め立ててできた島だ。熱帯植物園のある夢の島公園の中に入ってみ...

灰色のプリン

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昨夜の驟雨のおかげで、一晩冷蔵庫に入れておいたプリンのように空気が冷えていた。空は灰色なので、灰色のプリン。今日は気持ちよく歩けそうだ。大塚からスタートする。 都電と微妙な距離をとりつつ、鬼子母神。目白の駅から一転山手線の外を歩く。すぐに新宿区になるのだが、それでも目白という名称...

豹柄

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相変わらずの睡眠障害から抜け出して、西武池袋線のひばりヶ丘。曇っている分心持ち楽に感じる。団地の中を抜けて延々歩くと西武新宿線の田無につく。にぎやかな北口からさびれた南口へ。郊外の大きな駅は駅の片側が栄えて、反対側がさみしいことが多い。 ときどきぽつりぽつりと雨が落ちてくるが、ア...
今日も暑い。田園都市線の青葉台から歩き始める。にぎやかなバス通りを歩いていたが、たちばな台の東急ストアをすぎたあたりから田舎のにおいが漂い始めてくる。鶴見川を渡って川崎市に入り、両側が田圃の田舎道を歩く。 白山神社を過ぎたところで、新百合ヶ丘方向へまがる。電柱の広告がおもしろい。...

りんごの城

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マカーではないが、アップルストア銀座店にいってみた。銀座通り沿い、松屋デパートの向かい側にある。平日なのに店内はかなり混んでいた。ぼくはiPod用のケースをまた購入。先週買ったやつは、ホルダーのクリップがとれてどこかにいってしまったのだ。今度はスカイブルーで革製のおしゃれなやつに...

海の波より人の波

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出るのが遅かったので、まず渋谷の夢吟坊で食事。ふつうどんぶりものは味が濃いと相場が決まっているが、ここのあなご天丼はとても淡泊だ。うどんがついて1081円。狭い席ですみませんとか、入り口のそばで申し訳ないですとか、無理矢理のように自分たちの至らない点をみつけて一言添える心遣いがい...

シャボン玉の哲学

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三田線の車内がいやに混んでいるなと思ったら、今日は板橋花火大会があるんだそうだ。花火大会より気になったのは乗り合わせていた男性の服装で、全身が女子高生の鞄になったようにいろいろなものをぶらさげている。大半はアクセサリー系の小物だが、中には手錠、ホルスターに入ったモデルガン(だと思...

郊外のアリス

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しばらくぶりに町田にやってきた。以前工事中だった道路が開通し、商店街が分断されて、雰囲気がかなりかわってしまった。 華やかな商店街をぬけて横浜と似たアップダウンの激しい住宅地に入る。町田はやはり東京というより神奈川というイメージが強い。だが田舎じみたところはなく郊外のニュータウン...

イン・ベイスの謎

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今日も風が気持ちよい。品川駅港南口から歩き始める。 駅のすぐそばに芝浦水処理センターという広大な施設があり、その一部が公園として開放されている。芝浦中央公園というえらそうな名前で、品川の高層ビル群が見えて景観はいいのだが、中は意外に狭くて、閑散としていた。 公園を出てJRのガード...
会社でちょっと作業をしてから外に出たのは4時をちょっと過ぎたところだった。風が気持ちよすぎて、頭の中がいきなり散歩モードに切り替わる。昼休みの憩いの場所、竹芝に立ち寄ってから、本格的に歩き始めた。 ゆりかもめの下、すなわち海岸沿いを歩いてレインボーブリッジのたもとへ。今日はレイン...

go to hell

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曇っている。いい風が吹いている。蒸し暑さは相変わらずだが、夏という時期に望むことができるものはとりあえず満たされている。西荻から歩き始めた。 善福寺池のほとりにはカモやらアヒルやらがたくさんいた。人が近づいても物怖じすることなく、かといって積極的にエサをねだることもなく、冷静沈着...
いい加減うっとうしくなってきて、満を持して床屋に向かったのだが、そう感じていたのはぼくだけではなかったらしく、えらい混みようだった。結局二時間半かかってしまい、たぶん床屋滞在時間の最長レコードを更新してしまったと思う(時間がかかったおわびのサービスで顔のパックをしてもらった)。 ...

乾いた風

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乾いた風がときおりふきつけてきて、この三日間の中では一番過ごしやすい。久しぶりに東京の東側に遠征してみることにした。東京駅日本橋口から目と鼻の先の三越前駅で半蔵門線に乗り込む。 来た電車は押上どまりだった。押上から先東武伊勢崎線と直通運転をしているのだが、半分以上押上どまり(一部...

推量される主体

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暑さのせいでほとんど人事不省の状態に陥っている。昨日もそのせいでiPodのリモコンとイヤフォンを紛失してしまったらしい。「らしい」と推量をまじえて語らなければいけない存在が、夏場のぼくだ。とにかくイヤフォンだけでも買うことにして新宿のヨドバシへ。同じものを買うのもしゃくなので、A...

中華鍋

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曇天。たとえると、火を消したばかりの中華鍋に蓋をしたまま閉じこめられて蒸されている。そんな気候だ。それでも浜松町から歩き始める。 大門の手前から田町方面へ折れる。月曜日帰宅するときに田町まで歩いたのだが、そのときのコースをなぞる。NEC本社ビルから慶応大学の方へ。ビジネス街と学生...

暑さは一回休み

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雨が情熱的なドラム捌きを聞かせてくれたおかげで、暑さは一休み。音が静まり、窓に明るみがさすのをまって出かける。 府中はかすかに雨が残っていた。農業高校のあたりにつくまでに完全にあがる。気温は低いが、湿度はそれなりにあるので、じんわりと汗をかく。日射しがてりつけるときは頭から汗が噴...

水の戯れ

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Iさんのお誘いで急遽しながわ水族館にいくことになった。 水族館はそれ自身青い夢のようで、魚たちも終わりのない夢をみているようなとろんとした眼をしている。そんな魚たちの回遊をみているとこっちまで夢をみているような気分になってくる。オヤジのような顔をした大きな魚たちがいる。頭の中でオ...

暗愚な休暇

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しばらく前から銀行印が見あたらない。それでも別に不便はなかったのだが、カードを作る段になって、困った。銀行印を変えるために銀行にゆかなければならない。それが休暇をとった目的のひとつであり、めんどうなミッションを果たした余勢をかってどこかにくりだそうと思っていた。 ところが、写真付...

after vote

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不在者投票あらため期日前投票をすませる。封筒にいれなくてよくなっただけで、投票する方としてはあまり変わらない。「首相小泉純一郎は参院選後、首相の座を又吉イエスに明け渡すべきだ。そうできないのなら小泉純一郎は腹を切って死ぬべきだ」という又吉イエス氏に投票したいのはやまやまだが、それ...

after exam

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日和ったせいで会社に数時間拘束され、4時頃ようやく解放された。まっすぐ渋谷に向かって、京風うどんの夢吟坊でごまだれせいろを食べる。名前の通りのごまだれとうどんのせいろのほかに、しゃぶしゃぶ用の豚肉とわかめがついてくる。わかめとごまだれがよくあう。976円。 7時から芝居の予定だっ...

図像とカレー

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徹夜明けのあとの半ドン。そのまま帰りたくなかったので渋谷あたりにでようかと、山手線の外回りの電車に乗り込んだが、座席に座ると同時に意識を失ってしまい、結局3/4周して上野でおりた。 寝ていない眼にはむきだしの太陽はまぶしすぎる。上野公園の光と影のまだら模様の影の部分を選んで歩く。...

洗面器をたたく

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さんざん眠ったはずなのに、頭が重くてしかたがない。だが、それでも井の頭公園は楽しい。公園全体がフリーマーケットと化していて、さまざまなものを売っている人たちがいる。似顔絵、ポストカード、アクセサリー。たまに手に取りたくなるほどきれいなものもある。質問に答えて語るというのを商売にし...

湊町レヴュー

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自分の尻を拭うようなむなしい作業からようやく解放されて、家を出たのは3時過ぎだった。こういう日は郊外より都心を歩きたくなる。浜松町から、芝の商店街をぬけて新橋の手前にさしかかると、港の近くによくあるような街並みがひろがっていた。 場外馬券売り場から吐き出された灰色の男たちは、まる...
バーベキューでもできそうなくらい強烈な日射しがジリジリとあたりを焦がしている。台風の余波らしい強風が微かに涼を運んでくれるが、気休めにしかならない。高幡不動の門前通りもくまなく太陽の容赦ない視線にさらされていた。 以前多摩川の対岸の国立、府中あたりから日野市側を望んで丘の斜面に同...

緑道という比喩

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下北沢の街は意外に狭くて、井の頭線ホームに直結している西口から出ると、もう商業地と住宅地の境界だ。ぐるっと迂回して、南口の商店街をかすめ、そのあとは北沢川緑道をたどる。 緑道は緑道なりに変化がある。でも、それは主に、お金のかかっている度合いに伴う変化で、お金がかかってないところは...

眠りの極意

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眠る方法を忘れてしまった。思い出せないまま空が白みはじめて、頭が重いので会社は休むことにした。午後になって少し気分が回復してきたので、横浜まで出る。 山下公園で潮風にあたりながら本を読むが、照りつけてくる強烈な日射しに耐えきれなくなり、折よく空いた日陰のベンチに避難した。風に心地...

Streptopelia decaocto

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ぼくはずいぶん昔に猟犬と栗毛のウマ、それにキジバトを失くして、今でもまだその行方を探している。 と、『ウォールデン』からの引用で始めてみたが、探したのはキジバトではなく、シラコバトだ。埼玉県の一部にしか生息しておらず天然記念物に指定されている。95%の確率で見ることができるという...

池袋の果て

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世界の中心よりも世界の果てに惹かれてしまう。「果て」はどこか遠いところにあるのではなく、すぐそばの人目につかないところに隠れているものなのだ。たぶん自分で作り出すこともできて、本屋で『世界の果ての作り方』という本が売られていても何の不思議もない。さて、いつものようにネットを巡回し...

39段

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雨の勢いの割には空が明るいと思っていたら、床屋で髪を刈っている間に上がっていた。秋葉原に向かう。駅の改良工事は着々と進んでいて電気街口がずいぶん広くすっきりしていた。1,2件PCショップをみて買うべきものが何もないことだけを確認して、歩き始める。 裏道を選んで本郷三丁目。赤門の前...

渋谷双六

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渋谷マークシティの前で立ち往生する。どちらに進んでも知っているところばかりだ。頭の中でサイコロをふってセルリアンタワーの方に足を踏み出した。 南平台から代官山、中目黒、東山。家を出てから一度も座れていなかったので池尻のタリーズでブルーベリーソイヨーグルトを食べて休憩。ブルーベリー...
「どき」がひらがななのがまぬけだが、大江戸線の勝「どき」から晴海埠頭をめざす。橋を渡って最初の曲がり角で右折した。この先はどこにも抜けられないとばかり思っていたが、いつの間にか月島との間に人道橋ができている。そちらにも惹かれたが、今日のところは予定通り埠頭を目指した。 白バイやパ...

日曜日の妻たち

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たまプラーザからスタート。真夏のような蒸し暑さと、並び立つ木の巨人のような高さが、南国のリゾート地を思わせる。 まずは東急のある北側をくるりと一周してたまプラらしさを味わってから南側に出た。國學院大学の校舎の間をぬける遊歩道の日陰を楽しむ。あゆみが丘、すみれが丘という不動産屋発の...

激臭

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平仮名で二文字の駅名シリーズ。志木からスタートする。駅構内に新座市の施設があるのは、駅がまるごと新座市内にはみだしているせいだ。南口から出て、志木市と新座市の境を縫うように歩いていゆく。 柳瀬川を渡って一瞬だけ富士見市を侵犯するがすぐに三芳町に入る。市部や区部でなく「町」を散歩す...

天気のつくりかた

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昨日の天気をコピーして、さらに冷たい風を加えてみました。そんな天気だ。 三鷹の北口から上水沿いに歩く。浄水場脇の気持ちのいい細い道は、やがて大きな道路が通ってのみこまれてしまうそうだ。そして、自動車と虚無が街を支配する。 自転車と歩行者のみ通行可能な、多摩湖自転車道は驚くほどまっ...

冬青木

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五月だというのに、御茶ノ水駅前のスクランブル交差点でふうっと息をはいたら、白く濁った。出がけに降っていた雨は上がっていた。 数年ぶりの古書店巡り。朽葉色の箱に収められたたくさんの学術書がとてもえらそうに見える。本はかつて「知」の王様だった。いまや、「知」そのものが one of ...

本屋の哲学教室

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先週に続いて雨の日曜日。新宿でカサを買うというミッションを与えてみた。軽い折りたたみのカサがほしかった。まずは南口の改札を出てすぐのルミネ1、ルミネ2にいってみるが、見つからない。タワーレコードでCDをみて寄り道したあと東急ハンズにゆく。 いろいろあって目移りする。軽さということ...

階段の上

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高田馬場駅の鉄腕アトムの発車メロディーを合図に散歩開始。神田川を渡ったら、目の前に階段があらわれた。そこは下水処理場のはずなので上れるとは思っていなかったのだが、女性が上っていくのをみて、あとをついていくことにした。別にその女性が魅力的だったからではない。とあえて書くのも失礼だ。...

Mound of Joy

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雨と呼ばれるもの、雨そのもの、つまりは雨以外の何物でもない。東京駅からバスに乗って木場公園内の東京都現代美術館へ。「YESオノ・ヨーコ」展を見る。 ビートルズの音楽のファンとして、オノ・ヨーコという存在にはアンビヴァレンスな感情を抱いてしまっていたのだけど、ジョン・レノンと出会う...

夕刻という名の祝祭

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代々木から歩き始める。西へ西へ。初台、不動通り商店街を経て笹塚あたりまで達したあと北へ進路を変更する。 神田川の沿道で、辻ごとに柱状に舞い飛んでいる小さなハエの一団。夕暮れ前のひとときによくみる光景なのだが、彼ら、彼女たちは何を目的としてそんなことをしているのだろう。うれしくてう...

眠りの方法

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昨夜の狂騒的な風雨から一転して沈鬱な灰色の凪。雨さえも中空で落ちるのを躊躇している。何としても蕎麦を食べようと、田園調布の兵隊家に向かう。 客はぼくただひとり。ぼくという存在が静止した店の中に動きをもたらす。穴子天せいろを食べた。天ぷらはおいしかったが、蕎麦つゆに消毒液のようなつ...
埼玉県の蕨は全国で人口密度が一番高いそうだ。だが、駅から一歩出たら身動きとれないくらいのラッシュ状態ということはなく、ふつうににぎやかな駅前だった。東口からおりたので、すぐに川口市に入ってしまう。 青木町公園はスポーツ施設ばかりで超体育会系だが、京急の古い車両が隅の方に展示してあ...

抽象的な生活

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平仮名で二文字の駅名はどこにあるだろう。今例として思いついたのは「よの」だが、今日降りたのは都心からみて正反対の「ひの」だ。立川までのにぎわいが嘘のようにローカルなたたずまいの駅前。大河ドラマの新撰組の旗がさみしく踊っている。 川崎街道に沿って多摩川の支流浅川を渡り、高幡不動の前...

袖が汚れないシャツ

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