ぴくぴく

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昼起きたら、右目のまぶたのあたりがぴくぴくする。思い返してみれば、疲れているときにそうなることがあるような気がするが、それが正しい記憶かどうかよくわからない。疲れているときはむしろ、小さなひものようなものが舞い飛ぶ飛蚊症のほうが定番だ。ぴくぴく。

目白から歩きはじめたのだが、吹きつける風の冷たさに意気も何もかもがあっという間に消沈した。コートの隙間から入りこんだ冷気が固体に変わってちくちくと心臓につきささるような気がする。こんなことなら穏やかだった昨日散歩をして、今日仕事をすればよかったと思ってみても、おいしいものを最後に残すぼくの性癖からしてその選択はあまり考えられないのだが。ぴくぴく。

それでも目白通りから一本入った住宅地を抜ける道には、高級住宅地らしいゆとりと飾らない庶民性の同居とでもいったらよいだろうか、とにかくちょっと心弾むものがあった。山手通りの下をくぐるトンネルを抜けたら、そのあるかなきかの雰囲気は消えうせて、もっと即物的な彩のない街並みにとってかわった。その道は西武池袋線とつかず離れずして進んでいき、江古田の駅の手前で踏切を渡る。

歩いていても寒いだけなので、この先の小竹向原あたりを終着点に定めようとしたが、調子はずれの体内コンパスのおかげで、かなり北にずれてしまい、練馬区と板橋区の境界を通って城北中央公園にたどり着いてしまった。公園を突っ切って外に出たところに地図があったので確認すると、目の前の道路を右に行けば、東武東上線の上板橋駅、左に行けば営団有楽町線の氷川台駅だ。上板橋の方が若干近かったが、それだと池袋までしか出られないので、氷川台を選んだ。

寒い寒いと呪文のように唱えながら、氷川台到着。7.6kmだった。どういうわけか、寒さに苛まれているときにはぴくぴくを忘れていた。

有楽町にでて、ビックカメラへ。今ちょっと大型液晶ディスプレーに食指を動かしているのだが、製品の売り文句に「6bitでなくちゃんと8bitでフルカラー表示ができます」と書いてあるのをみて、安い液晶では6bitの分際でディザリングをして擬似的に1600万色相当に見せかけている製品があることを知り、もし今使っている製品がそれだったら、十分買い換える理由になるなと思ったのだった(帰って調べてみたらうちのはちゃんとしたフルカラーだった)。

晴海通りまで出て、定食屋おはちへ。考えてみたら、ぼくがはじめておはちに入ったのはこの日比谷店で、そのときはハンバーグ定食を頼んだのだった。そして今日もまたハンバーグ定食だ。そぼろをつけて850円。おいしかった。

有楽町ビルヂングまでもどってきて、スタバの看板を見つけたのでさがしてみる。フロアに設置してあるテレビに、燕尾服を着た白髪の貧相な男が映っていたのをみたら、なんだかとてもいやな気持ちになってきたので、そちらは極力見ないようにする。歳をとるにつれ彼の顔はだんだん死神めいてきている。スタバは結局地下一階だった。けっこう中が広くていい感じだ。

ビックカメラのポイントを使って、ギネスビールを買って帰った。ぴくぴく。

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