Dead Board

| コメント(0) このエントリーを含むはてなブックマーク

いつもバスに乗り換えるために降りている新代田に、散歩をするために降りた。駅前で信号待ちをしながらイヤフォンのからみをとっていたら、同じく信号待ちをしていた女性がぼくの横にかがみこんだ。強い喪失感を感じたのでひょっとしてと思っていたら、予感的中。「落ちましたよ」とすてきな笑顔で、イヤフォンの片割れを拾いあげて手渡してくれたのだった。信号待ちをしていたはずなのに、女性は使命を果たしかのようにどこかに消え去ってしまった。あるいは人の落し物を拾うことで自分自身の落し物を思い出したのかもしれない。

環七から西の路地に入り、北に進む。住宅地なので、歩いていると電柱に貼られた迷子になった猫や犬を探す貼り紙がよく目につく。その中からひとつ紹介しよう。場所は新代田の駅のすぐそば(世田谷区羽根木)。「特徴:白地で、頭・しっぽ・背中に茶と黒のキジトラ模様の雑種。首輪はしていません。名前:ぶたさん。声:ちょっとダミ声(あまり可愛い声ではありません)。性別:メス(避妊済み)。年令:6歳。」だそうだ。ホームページもあるらしい。

松原の交差点に出た。しばらくは井の頭通り沿いを進む。永福町の駅に近づくにつれてだんだんにぎやかになってきたが、街並みがどことなくレトロで、何十年も前の銀座や日本橋はこんな感じかと思わせた。井の頭通りを離れて北へ。ふつうの民家のドアの横に人間くらいの大きさ金属製のナスが置かれていたが、どういう目的のものなのだろう。かじったら歯が折れそうだし、それ以前にそもそも口に入らない。

高千穂商科大学のあたりで久しぶりに道をたずねられた。感じのいい中年の夫婦だ。西永福駅にいきたいということだが、正確な道はわからなかったので、だいたいの方向と時間だけ教えてあげた。いつもながら、後から、アドバイスがほんとうに正しかったかどうか不安になる。

善福寺川を渡ってしばらく住宅地を進んでいくと、五日市街道のところでまたしても善福寺川にぶつかった。今度は川沿いの緑地の中を歩く。後から地図をみると蛇行しているのでえらく遠回りだ。緑地がとぎれたところで再び街にもどる。住所は荻窪になっていた。

幽玄という言葉がぴったりな塔を見つけたので荻窪団地の中にちょっと寄り道しつつ荻窪駅まで。8.5kmだった。

吉祥寺に出た。ヘルシー系の定食屋と、ぼくは勝手にカテゴライズしているのだが、大戸屋、東京キッチン、おはちなどはカロリー表示がされているし、味も淡白で値段の割りにとてもおいしいと思う。そのなかで、ぼくがもっとも好きなのが、おひつ家で、おひつに入ってでてくる麦飯がとてもおいしいし、つけ合わせに決まって出てくる、インゲンのゴマ和え、レンコンのキンピラ、デザートの黄桃もいい味を出している。今日は、チーズチキンカツレツ定食にしてみたが、十分満足した。680円。

タリーズで休憩してから、ほんとうにしばらくぶりに井の頭公園にいってみた。吉祥寺には足繁く来ているのだが、なぜだか公園からは足が遠のいていて、調べてみたら去年の10月以来だった。公園の中では、宴会の後でうかれているような若い男二人が木によじ登っていた。足場のほとんどない木だが、酔っているときはふだんできないことができてしまうものだとちょっと感嘆。その代わりいつも簡単にできることができなくなってしまうが。

井の頭公園駅まで歩いて、電車に乗り込む。そして今度はバスに乗るため新代田の駅でおりる。

コメントする