惚けるだけ

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風が冷たい。そのこととは一見何の関係もないように見せつつ、大塚から歩き始める。いや実際関係はないわけだが。強いていえば、寒いと電車を何本も乗り換えてどこかへゆく元気がないから、大塚でおりたということはいえるかもしれない。

線路沿いのにこやかな地蔵に引きつったほほえみを返してから散歩開始。北池袋の駅前から池袋本町、川越街道を渡って要町、椎名町の駅のそばをかすめて、ちょうど池袋から一駅目の街を反時計回りにまわっていることになる。その間にみつけた貼り紙。メモ用紙一枚に「惚れる」「惚ける」と大きな文字で並べて書いてある下に、「惚れることを忘れた男女 残されたことは惚けるだけ」と書いてあった。たぶん出会い系か何かの広告なのだろう。

新目白街道を渡って目白大学前。西武新宿線の踏切を渡って早稲田通りに出た。と書くとあっという間のようだが、実際はかなり長い距離を歩いている。おなかがへったので、久しぶりに中野でお気に入り(行列しなければ行けない店は自動的にお気に入りからははずれる)のラーメン屋喜神にはいることにした。なんだかちょっとメニューが変わっているような気がして迷ったが、結局角煮とんこつ麺、税込み850円の食券を買った。こってりしていておいしかったが、次はさっぱりとした塩ラーメンも食べてみよう、と書いておけば忘れないだろう。

散歩は中野駅まで。11kmだった。

品川に出た。やたら警官の姿が目につく。このままいつまで警戒を続けなければいけないのだろうか。

港南口のアトレ品川をのぞいてみたが、何というか、あまり使えない場所だった。2,3,4階と三階床しかなくて、全体的にカフェやレストランなど飲食店が多い。レストランは食べている時間より行列している時間の方が長くて、しかもその行列代まで料金に含まれているような店ばかりだ。3階はスーパーマーケットのクイーンズ伊勢丹で、これはまあどこかの帰りに寄ったりすることはできそうだ。

アトレの前のコンコースで女性四人が弦楽四重奏の演奏をしていた。といってもビオラの代わりに第三バイオリンがいる編成だ。演目は有名な映画音楽。近くで聞く弦の音色はとても暖かだ。

そのままインターシティーまで足をのばして、スタバへ。港南口の開発中にはよくやってきたが、整備が一通り完了してからははじめてかもしれない。平日はいざ知らず休日はすいていて隠れ家的雰囲気が感じられるので、好きな店だ。落ち着く。

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