昨夜会社で、発作のようにでてくる欠伸をおさえるためにコーヒーを飲んだら、家に帰りついたあとにその効果が現れて、おまけに『恋する幼虫』なんていう奇妙な映画をみたものだから、寝つかれなくなってしまい、寝返りを繰り返すうちに空が白み始めた。
昼過ぎに起き出して重い頭をかかえたまま床屋へ向かう。2人も待っている人がいたので明日にしようかとも思ったが、ほかに何をする気も起きなくて、結局待つことにした。シャンプーやマッサージをしてくれたのが眼鏡をかけてなよっとした若い男性で、自信なさげな手つきで力が弱い。もう少し力強く手を伸ばさないと世界にあるものを何も触ることができないぞ、というのはぼく自身に対するつっこみだ。
ようやく4時頃終わって外に出たらもう夕方だ。7時から下北沢で芝居なので、それまで軽く歩くことにする。ある程度近くにいっておく必要があるので学芸大学へ。もう、天然の光は完全に力を失い人工の光がとってかわっていた。
学芸大学の駅は目黒区の端にあるので、すぐに世田谷区に入る。明薬通りを進むと、以前工事中だった広大なマンションがすっかり完成していた。街は変わってゆく。世田谷警察署から環七に出る。若林駅を通り過ぎて、世田谷代田駅のそばで環七を離れ、下北沢方向へ曲がる。やがて商店街の灯が誘蛾灯のようにモーションをかけてきた。
下北沢到着。6.2km。
カウボーイでハンバーグセット(略してHS)を食べる。650円。まだ時間があったので、スタバでカフェモカ。
芝居が終わった帰り、渋谷に寄って、河内屋で赤のポートワインを買う。白はシェリーとどこがちがうのかぼくの舌ではわからなかったが、赤はブドウ由来の濃厚な甘みの中に渋みがまじって独特な味だった。ポートワインは赤がいい。風邪をひいたときに飲むと身体が温まってよさそうだ。

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