赤い帽子と黒いウィッグ

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中央線で一番地味な駅はどこでしょう、と聞いてみても、この駅の名前はなかなか挙がってこない。つまり誰も地味だとすら思わないのだ。とぼくが勝手に思いこんでいる駅、東小金井から歩き始める。iPodの電池がきれていてさみしい。

北口の駅前通りというには少しさみしい道をひたすら北上。傍らに溝が並行しているのだが水はこれっぽちも流れておらず、黒い土が全面を覆っている。傾いた太陽の光に照らされて家並はセピアカラーだ。

広大な小金井公園の中へ。わざと舗装された道からはずれて落ち葉を踏みしめると、さくさくと乾いた音がした。広場の向こうにはまた広場。無限に続いているかのような錯覚を覚えるが、やがては出口にたどりつく。もっとゆっくりしたかったが、日暮れまであまり時間がない。

玉川上水沿いから華のない住宅街へ。国分寺駅に続く商店街は車道と歩道が分離されてなく歩きづらい。

国分寺駅到着。7.7km。

吉祥寺に出る。気になっていた東急裏のシャポー・ルージュというレストランに入ってみることにした。思ったより中は狭くて、その代わり1階から3階まで席が用意されている。3階に案内された。仔牛のチーズ焼きのセットを注文、スープ、サラダ、ライス(またはパン)、ドリンクがついてくる。味はかなり本格的だった。1575円。今度はビーフシチューでも食べてみよう。

向かいのタワーレコードに入ったら、スガシカオのニューアルバム「TIME」が売っていた。特典DVDつきの3360円の方を買う。タワーは今日から12月5日までポイント2倍サービス中だそうだ。

タリーズへ。本を読みながらも、まわりの客の会話が耳に飛び込んでくる。中年の渋い感じの男性と、もうそれほど若くはない女性。話しているのはほとんど男の方だ。女性は口をはさむこともなく、たまになされる質問に淡々と答えるだけだ。彼女は外国から帰ってきたばかりだが、身内に病人がでて大変らしい。音楽をやっていたのだが、今は休業状態のよう。男性の方が熱心に語っているのは、音楽関係の仕事の誘いのようにも聞こえたし、遠回しに口説いているようにも聞こえた。

バスの中で変な姿勢でうとうとしてしまい、生まれたばかりの仔牛のようによろよろ歩いていたら、すれちがった女性が黒いものをおとした。マフラーかと思って拾い上げたら、髪のかたまりだった。

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