しわすでおわす

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十二月は仕事も娯楽もあわただしくて、今日も今日とて、矢野顕子のコンサートにいく。音楽のコンサートは生まれて二回目で、一度目も矢野顕子だった。暖かな気候なのでその前に散歩をしておこうと、水道橋から歩き始めた。

神田川沿いでスケッチブックに絵を描いている女性がいる。絵をのぞきたかったが、ガードがかたくて全然見えない。東京ドームを7時から11時くらいの位置まで時計回りをして、戦没者慰霊公園に入る。太平洋戦争では240万人の人が亡くなったと書いてあった。他国の人を含めるとその何倍もの命が失われたわけだ。この数字のリアリティの前では正義だの悪だのはどうでもいいことのように思える。

いきどまりばかりの道に翻弄されて何度もUターンをする。抜け出して坂をのぼると善光寺の門前。次の詩が貼ってあった。

影あり 仰げば 月あり

坂村眞民

かっこいい。伝通院の前から、竹早という名前の小学校、中学校、高校を順不同で通り過ぎて、春日通りにでる。ファミマがあったので、今日のチケットを発券するために入る。

端末を操作していたら予約番号の入力を求められた。げげ、そんなもの控えてないよ。仕方なしに一回家に戻ることにして、すぐそばの茗荷谷駅で散歩は中断。距離が短すぎて、散歩とみなせない。

家につく直前に、さっき予約番号を求められたのが操作ミスではないかということに気がついた。Uターンしてファミマを探すが、ぼくの記憶は色の系統だけに基づいていて、寒色系の看板の店をファミマと思いこむ傾向があるようだ。いってみるとローソンだったので、渋谷に出てから探すことにした。

渋谷。ナビウォークの助けを借りるが、最寄りのファミマは1.2km離れた代官山などどほざきやがる。そんなはずはないという信念に導かれて進んでいくと、目の前に緑と青の見慣れたコーディネートが浮かび上がる。偶然か卓越した記憶力かどちらかわからないけど、なんとかファミマを発見。近くにホールが多いせいかひどく混雑していたが、チケットを入手することができた。

もう、ゆっくり食事しているひまはないので、会場のNHKホールに入ってしまうことにした。もちろんはじめてだ。席は2階の右側。ステージまで石を投げても届かないくらい離れている。

コンサートはすばらしかった。矢野顕子のピアノの弾き語りもいいし、ゲストで登場したレイ・ハラカミの奏でる電子音や、くるりのパワフルな演奏もよかった。特に新曲として披露された『カンナ』という曲は最高で、シングルでもいいからほしくなった。アンコールの『ばらの花』もよい。

高揚感と共に外に出たら、風がかなり冷たくなっていた。スタバで温かいラテを飲む。

河内屋でまたマディラワイン。前回はミディアムドライだったが(といってもかなり甘い)、今回はフルリッチにしてみた。この甘さがくせになる。

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