大きな街だなというのをあらためて確認しながら武蔵小杉から歩き始める。特にどちらへ向かうという考えはなかったのだが、日本医大病院あたりで田園都市線沿線にゆくことを思いつく。
中原街道に入って、このまままっすぐ進むと武蔵中原駅だというのがわかり、犯人を知っているミステリーを読んでいる気分になるが、駅の吸引力はかなり強くて道をはずれることはできなかった。駅をすぎてすぐに中原街道をはずれるが、これが裏目で、目指す田園都市線沿線とは正反対の方角にしばらく進み、横浜市港北区との境まできてしまう。
世界の果てというのはオーバーだが、久末という街はまちがいなく都市の果てである。名前も久しい末だ。街灯もろくにない畑に囲まれた場所を今にも沈みそうな真っ赤な太陽が照らしている。光は激しくて眼をつきさすものの暖かみはまったく感じられない。
逆の空からまんまるの月がのぼる。東名を越える陸橋を渡ったあたりから空が暗くなって光が強まってきた。都市に暮らしているとふだん月は見えてもその光を感じることなど全くないが、道をまちがえて、工事中で行き止まりになっている街灯の照らさない道に入り込んだときに、かすかに地面が明るかったのは、月光というものだったのかもしれない。
ナビウォークの助けを借りて宮崎台駅にたどりつく。13kmだった。
渋谷に出た。定食屋のおひつ屋でジンギスカン定食を食べた。肉はラム肉らしいが、くせはなくやわらかかった。むしろタマネギの方が多かったが。730円。
タリーズで読書タイム。温かいラテが歩き疲れた身体にしみわたる。

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