ザオ

| コメント(0) このエントリーを含むはてなブックマーク

昨日はひどく寒々とした一日だったので、今日はぬくぬくしようと、八重洲のブリジストン美術館に向かった。

はじめてなので常設展をじっくりみる。印象派以降を中心にかなり充実している展示だった。印象に残ったものを挙げておくと、ルオー「赤鼻のクラウン」、モディリアーニ「若い農夫」、デュビュッフェ「暴動」、グロス「プロムナード」。

さて、一応目的はザオ・ウーキーという中国出身でフランスで活躍してきた画家の展覧会。作風を分類すれば抽象画ということになる。抽象といっても、幾何学的なタイプと視力が悪い人が見た世界のようなタイプがあるが、ザオ・ウーキーは後者だった。見にきていた人もつぶやいていたけど、初期の作品は確かにクレーに似ている。複雑な塗りの層の上に、線で人や船などのプリミティブな形が書き込まれている。少し年代が進むと、その形が象形文字のようになっていて、その部分はまるで中国の書を思わせる。

60年代に入ると、そういう小さな形は姿を消して、キャンバス全体を使って躍動感を表現する作品が増えてくる。遠くからみると自然の風景のように見えるのだけど、近づくと複雑な細部が見えてきて、自分が何を見ていたのかわからなくなる。中には何体かの巨大ロボットが激しい戦いを繰り広げているようにみえるものもあった。正月にふさわしい力強い絵だ。

途中からギャラリートークの集団に合流したのだけど、最後の大きな絵の前でキュレーターの人がクイズを出した。

「この絵はある有名な画家に捧ぐというタイトルがつけられていますが、誰だかわかりますか。」

しばらくしてから前列にいた中年男性がぼそりと「ボナール」といったが、はずれだった。こういうクイズは一度で正解してはおもしろくないので、勇気を出して間違える人が必要だ。そういう意味で、この人は新年早々いい仕事をしてくれたと思う。正解はモネだった。

八重洲地下街のねぎしで、鶏グリル定食。胡椒がきいておいしい。861円だった。

気の迷いで新宿に向かう。ヨドバシカメラをのぞいたりする。散歩に気軽に持ち歩ける小型で画質のいいデジカメがほしいのだが、これはというものがない。

ぐるぐる駅のまわりを歩き回る。このままでは何のために新宿にきたのかわからないので、タワーレコードでCDを買おうとする。リヒャルト・シュトラウスのいいカップリングのCDがないか一枚一枚手に取っていると、女性が二人が同じ棚のところにやってきたので、こちらはまだまだ時間がかかりそうなこともあり、脇にどいてあげた。偏見をもって申し訳ないが、あまりクラシックを深く聞き込んでいるようなタイプに見えなかったので、隣のヨハン・シュトラウスの棚と間違えているんじゃないかとも思ったりして、いずれにせよすぐ終わるだろうと思ったのだ。ところがなかなか探し終わらない。

いったんそこを離れてしばらくしてからいってみると、ようやく彼女たちの姿は消えていた。ところが、ぼくがつばをつけておいたCDもいっしょに姿を消している。そのどうやらぼくと似たような曲目を探していたようだ。何という偶然。

代わりにくるりのシングルCD「ハイウェイ」を買った。1曲しか入っていないが、525円とは安い。

コメントする