サーチエンジン・システムリカバリーフェイリャー

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いきつけの理髪店で、これからどこかにいきますかと問われて、口から出た言葉は「池袋」だった。蒲田から池袋まで30分で着けたのは奇跡的といってもよかったが、もう時刻は4時をまわり、夕闇と冷たい風が競い合うように忍び込む隙間を物色していた。

今日は、池袋を舞台にした小説『サーチエンジン・システムクラッシュ』をめぐる旅だ。主人公町村の歩いたコースからなるべくはずれぬよう歩いてみる。

かろうじてサンのシャインに照れされているサンシャイン通りから、ひかり町というアーチのかかった路地に踏み込むと、行く手からちんどん屋の隊列がやってきて、あっという間にタイムスリップ。適当に道を折れながら進んでいくと、第一チェックポイント池袋六ツ又陸橋に到着した。ここから駅方向にもどるさびれた道に入る。途中に「ここではありません」とドアに書かれたビルがあるはずだが、探しようがないので、単に直進して、線路にぶつかり、清掃工場の煙突が覆い被さってくる。

元映画館文芸座があったあたりはさらにいかがわしさが増して、すべて風俗とギャンブルで埋め尽くされていた。町村はゲドンという喫茶店をさがしてその付近をいったりきたりしたはずだが、ぼくは省略して再び駅前に戻る。そのあたりで、和子という若い女性と再会して、彼女の家にテレビとビデオを接続するために向かう。

ジュンク堂の脇の東通りという商店街から墓地の傍らを抜ける通りへ。向こう側は寺の境内になっていた。ぼくはその先で、たぶん道をはずれ、鬼子母神の方に向かってしまった。都電の踏切を渡ってから補正し、「上を都電が走る小さなガード」にたどり着く。和子の家は、ここからさらに歩いたところにあるのだが、何もヒントはなくただ白い建物とだけ書かれている。ぶらぶら歩いていくと、目白通りの手前にきていた。こうしてみるとなかなか白い建物というものはないものだ。もとは白だったのかもしれないが、今ではくすんだ灰色になっている。

鬼子母神の商店街を通って、明治通り。町村は「アブノーマル・レッド」に向かうため、このあたりでタクシーをひろったはずだ。ぼくは徒歩で路地をぬけて西口に向かう。以前は通り抜けられたJRの踏切が廃止されていて、びっくりガードの方へ曲がる。

西口の広場から、銀行をさがす。「銀行を右手にまっすぐ進み、一本目の角を右に曲がる」ことまではできたが、「Rという映画館があるビル」というのがみつからない。あっさりあきらめて通常の散歩を開始する。われながら、そんなことでいいのかと説教したくなるが、もとから何かあるものをさがしていたわけではなく、ないものをさがしていたのだから、みつからなくてもいいのだ。

立教大学から緑道をぬけて目白方面へ。目白通りをさかのぼって目白まで歩いた。8.5kmだった。

渋谷。おひつ家に入ったが、混んでいて少し待たされた。チキンチーズカツ定食を頼んでおなかいっぱい。720円。

最近また渋い赤ワインがおいしいと思うようになってきたので、河内屋で南アフリカ産の安いやつを買う。

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