山手線の車内で、隣に座っていたカップルの女性の方が、これおいしいよ、といって取り出したのはどうやらキャンディーの袋で、しばらくするとフルーツの甘いにおいがただよってきた。ひとつの袋の中にいろいろな味のキャンディーが入っているらしく、どれがいい、ときいている。ぼくもほしくなったが、あまりじろじろ見るわけにもいかず、ただ袋の模様が、オレンジとシースルーのストライプだということだけ記憶した。
高幡不動の一つ先、京王線の南平の駅前はとてもローカルだった。ちょっと北野方面に向かってから、南にそびえる山を越える道に入る。長い坂をのぼっているとじんわりと汗が湧いてきた。のぼりきると多摩テックの入口があって、ちょうど到着した送迎バスの客が女性一人だけだったので、経営がうまくいっているか心配になる。
中央大学の敷地の間をぬけると中大トンネルというトンネルが口をあけていた。トンネルの規模が中から大ということではなく、中央大学の略だと思う。地図で確認したら260mくらいあってかなり長い。車の音が反響してうるさいが、車がトンネル内から出払って、一瞬静寂につつまれた。モノレールの中央大学・明星大学の駅が左手にみえてくる。モノレールができるまでは通学は大変だっただろう。
高台の住宅地をぬけて再びモノレールに合流。大塚・帝京大学の駅前だ。モノレール沿いに歩けば多摩センターまで最短経路だが、あえて迂回して遊歩道を見つけた。
桜はちょうど満開だ。わざわざ桜の名所にいかなくても、その場で360°回転すればどこかしらに淡い桜色がみえる。感慨が薄れてしまったが、それでも乞田川沿いの桜は見事だった。
かなり遠回りして多摩センター到着。9.4kmだった。
三越6階の山志菜という蕎麦屋で春野菜天せいろを注文。ぼくが入った後、すいていた店内がにわかに混み始めた。それも団体客が多い。三越自体客が少ないのだが、この店は人気だ。大勢でひとつの席に着ける店がほかにないのかもしれない。蕎麦は二枚ついていて満足。天ぷらもおいしい。1200円だった。
新宿に出た。転んで傷をつけてしまったiPod miniを見る度にまざまざと自分の失敗の記憶がよみがえるのは精神衛生上よくないので、ラッピングして傷を隠してしまうことにした。シート3枚で2000円以上するのだが、仕方ない。ビックカメラ新宿西口店で購入。Macの前で店員の説明をきいていたのは女優の古川理科さんではないかと思ったりする。
この間井の頭公園で演奏していたのを耳にしたら聞きたくなったので、タワーレコードでバッハの無伴奏バイオリンソナタとパルティータを買う。2枚組になってしまうので、安いNAXOSレーベルのにした。Lucy van Daelという女性がバロックバイオリンで演奏している。これで、ポイントカードがいっぱいになった。iPodを買ってから買うCDの枚数が格段に増えた。
ところで、パルティータってなんだろうと広辞苑で調べたら「17~18世紀の組曲。バッハの鍵盤用組曲が著名。元来は変奏曲。また、18世紀後半には多楽章の器楽曲にも用いられた」ということだそうだ。
ルミネ2の成城石井でシェリー酒のテオペペ、ルミネ1のブックファーストで、斉藤環『「負けた」教の信者たち』を買う。
電車の中で見かけたキャンディーはSony Plazaにあるとみたのだが、そう簡単には見つからなかった。

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