なぜだか、ちょっとやばいくらい疲れてしまっていたが、夕刻、横浜線の鴨居から歩き始める。郊外にありがちなように駅前だけ集中的なにぎわっていて、バス通りに入ると家ばかりだ。少し離れたところに狭い間口の花屋がぽつんとあって、どういうわけかそこに大勢の客がつめかけている。今、書いていて気がついたが母の日か。
歩道があらわれたりなくなったり退屈なリズムを刻む道をはなれるきっかけをうかがっていると、右手の道からバスが立て続けに三台もやってきた。どれも緑車庫いきだ。すべての道は緑車庫に通ず。バスがやってきた西菅田団地の方に曲がった。
団地の中心的な場所で、犬を連れていた女性に、たまたま通りかかった知り合いらしき別の女性が声をかけた。「あら?犬が変わってない?」まるで車を変えたかのような口調できいていた。
小川伝いに進んでいくと菅田いでと公園という珍妙な名前の公園。「いでと」ってなんだ?公園を出たらバイクに乗ったにいちゃんから道をきかれた。「こんな離れた場所できくのもなんなんですが」という気恥ずかしさを笑顔だけで表現して、それは理解できたのだけど、さすがに三ツ沢への道は「南」としか答えようがない。
国道16号を突っ切って相鉄西谷駅すぐそばのさびれた商店街に入ったが、二回踏切を渡って、また16号に舞い戻ってしまった。しばらく直進して頭上にかぶさってきた環状二号にはい上がる。
車道との間は透明なプラスチック板で隔絶されているのでうるさくない。かなり高い場所を通るので反対側には空撮のような風景が広がる。相鉄の線路、川、まがくりねった道。前方に山があって階段状の通路でつながっていたので、ばかと煙は高いところにのぼるという言葉に従って、煙のようなぼくは息をきらせて山門に続くような道をのぼった。階段が終わってもまだ坂は続いており、なんの目印もないが、ひなびた住宅地の片隅が頂になっていた。
そのさきはだらだらと下り坂が続く。下界にたどりつくと、上星川の駅の近く。もう少しだけがんばって和田町まで。8.4kmだった。
横浜にでる。食事はジョイナスの地下のチャオというイタリアンな店で。パスタとサラダで1240円のセット。パスタはクラシコというコショウ、ベーコン、半熟たまごがはいって生クリームのないカルボナーラといった感じで、名前通り古典的な味だった。サラダもなかなか本格的でおいしかった。

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