終わってみれば雨の日

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根川緑道

勤務先に寄ってから向かったので、立川から歩き始めたのは4時半を過ぎていた。暗い空から雨がぽつりぽつりと眠りかけた人のつぶやきのように落ちてくるのを、単なる戯言のように聞き流していたら、思いがけず、気がつかないほどゆっくりした速度で雨脚は強くなっていって、地面のアスファルトが検閲済みの本のように黒く塗りつぶされた。巨大な動物が通りすぎているかのように一種獣くさい雨のにおいが広がる。

モノレールの隣駅である柴崎体育館駅の下を横切ってせせらぎの流れる緑道があった。根川緑道というらしい。生まれたばかりのカルガモのヒナたちが親鳥にくっついてねぐらにもどろうとしている。水面を泳ぎ、浅瀬はよちよちと歩き、岩を迂回して、隊列を広げたり狭めたりしながら進んでゆく。

このまま緑道を歩いていけるかと思ったらそうもいかず、国立市に入るあたりで住宅地の中に放り出される。ガレージが物置と化しているようなところに、馬のぬいぐるみと並んで猫がねそべっていた。ツーショットを写真にとろうかと思ったが、逃げられてしまった。もちろん逃げたのは馬ではなく猫の方だ。

広い道路に合流する。中央道をくぐったところで、自転車に乗った年輩の男性に道を尋ねられた。多摩川の堤防。道筋まではわからないが、方向だけ教えてあげたら、笑顔で感謝された。散歩して身に付くのは地理感覚だけなので、それが役にたつとこちらもうれしい。

広い道路は退屈なので、脇道をゆくと多摩川の堤防にたどりついた。川沿いをずっと下流に進んでいき、京王線の中河原駅まで歩く。8.1km。途中、何度か空が明るくなって、あともう少しでやみそうというところまではいったのだが、かなり敵もしぶとくて、結局服が乾くことはなかった。

下北沢にでる。本多劇場の並びにあるあさのというラーメン屋に入る。白を基調にした外観からはラーメン屋とはとても思えず、しゃれたカフェのようだ。豆乳タンタン麺を食べる。その名の通り豆乳入りの白濁したスープの中に辛みそをからめた挽肉が浮いている。タンタン麺にしては淡泊な味だが、おいしかった。スープを含め完食。1100円。

三省堂で鈴木謙介『カーニヴァル化する社会』を買う。重い本がいくつかあるので、読めるのはまだ先になりそうだ。

スタバで休憩したあと、閉店間際のOUTLETでマグカップを買う。愛用していたパディントンの絵柄のカップをずいぶん前に落として壊してしまったのだ。

バスの運転手は眼鏡の女性。客がぼく一人ということもある路線だが、今日に限っては盛況。きれいな女性が多かった。いや、夢をみていたのかもしれない。

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