
同じような場所をいったりきたりするような長い夢から目が覚めるとちょっと驚くような時間だった。なんだかずっとトイレをさがしていたような気がするけど、それは起きてから見つかった。
そんなさえないはじまりではあったが、今日は山手線内でまだいったことがないところ二カ所にいくことができたのだった。
最初は東京都庭園美術館。散歩前に高湿度の中あまり歩きたくなかったので、わざわざ最寄りと思われた白金台までいったのだが、実際目黒からとほとんど変わらないくらい歩かされた。今日はジェームズ・アンソール展の最終日なので軽く行列ができている。ジェームズ・アンソールは19世紀末から20世紀前半にかけて活動したベルギーの画家なのだけど、髑髏や仮面が登場する一風変わったグロテスクな絵を描いている。今日観てみて、それが単なるオカルト趣味ではなくユーモアなのだということがわかった。その作風には日本や中国の妖怪画の影響があったらしく、今回それらを模写した作品が大量に展示されていた。小さいので、そばに寄らないと見えず、人が滞留していた。
この美術館は旧朝香宮邸がベースになっているので、その当時の家具なども展示されている。書庫が広くていいなと思ったり、風呂はレリーフがついていてとても壮麗だったが、トイレが一緒のユニットバスなのがいまいちなどと、住宅展示場にきたような感想をもったりした。
そして館の外は広大な庭。印象派の作品にでてくるように人々が椅子にかけたり、芝生にねそべったり思い思いに過ごしている。ぼくものんびりしたいところだったが、もう5時近かったので、散歩を開始することにする。
目黒通りを白金台方向に戻り、脇道に入って明治学院の前から高輪、三田を通る高台の道へ。三田に近づいたところで愛宕山に初登頂することを思いつき、芝公園の交差点から港区役所前を通って、愛宕山隧道の入口まできてしまう。南側から登る道がないかとぐるっと迂回してみるが、ありそうでなさそうで、結局隧道の反対側に出てしまった。脇にある急な階段を、汗を滴らせながらのぼりつめると、下界と隔絶された静かな空間。NHK放送博物館はとっくに閉館していて、ほとんど人気はない。愛宕神社の中に男女二人連れがいて、神社の脇の食堂の人となにやら話しているくらいで、駐車場には猫がノーガードで寝そべっている。なんかいい場所だ。また来よう。
坂をおりると下界の喧噪。新橋駅前で、ここで散歩をやめて渋谷に出ようかどうか迷って、待ち人が来ない人のようにうろうろしてしまうが、結局そのまま有楽町まで歩くことにした。
日比谷のおはちで食事。最近高野豆腐がおいしいなと思っているので、高野豆腐の辛味煮定食を注文。そぼろをつけて790円だ。料理はおいしかったのだが、途中入ってきたかなり高齢の女性はちょっとどうかと思わされた。まあ、最初にカウンターで注文をせずに、さっさと席に座ってしまうのは、システムを知らないということなので仕方ないだろう。そのあと、カウンターで延々とねばって一向に決めることができない。食べたいものなんて何もないんじゃないかといいたくなる。どうにかこうにか決まったもののお金を払う段になって撤回。結局ヒレカツ定食に落ち着いたかに見えた。ところが10分くらいたって、おもむろに席をたってカウンターに向かい、やっぱり注文を変えたいといいだした。それは受け入れられたのだけど、そのときの言いぐさが、店員のいっていることがよくわからなかったから。確かに、日本語がネイティブでない若い女性の店員だったのだけど、それはないだろうと思った。年はとりたくない、というより、年はとりなくないと思わせる年寄りが多すぎる。
スタバではじめてフラペチーノライトを飲んでみた。ふつうのフラペチーノと何らかわるところはないような気がする。
ビックカメラで鼻毛カッターというものを買ってみる。松下製のER409という機種。歯医者なんかで口をあけて仰向けになっていると気になるのだ。無印で夏物のシャツを3つばかり買う。そろそろ半袖でないと過ごせない。
散歩は9.2kmだった。

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