豊穣

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それなりに喧噪に包まれた大倉山駅前から、坂をちょっとあがるだけで、静けさの支配する聖域のような場所に入る。れっきとした公園なのだが、やけに人の姿が少ない。急な坂を登りきるとシンボル的な大倉山記念館の荘厳な建物があり、その向こうには季節が季節なら色香を楽しめるはずの広大な梅林が広がる。

公園を抜けると郊外の住宅地。木には様々な実がなっている。オレンジ色の枇杷くらいの大きさの実。ほんとうに枇杷かもしれない。小さな赤い実の下では葉も同じ色に染まっている。収穫の秋。

芸術の秋でもあるので、カメラのシャッターを押してはみるが、首をかしげたり、ため息をついてばかりだ。撮りたいもの、撮ることができるもの、カメラに写るもの、この3つがまったく一致していない。

やがて鶴見川沿いの道にぶつかり、ほかに行き場のないまま大綱橋まで連れてこられる。橋を渡れば隣の綱島駅だ。

東横線のガードをくぐってバス通りを北西に進んでゆく。港北ニュータウンを目指そうかと思っていたが、その目論見を自らの足で裏切り、見当違いの方向へ。緑道に入り込んでからはひたすらまっすぐ進む。

すぐ右手に地下鉄の新羽駅が見えたが逆の道を選んで再び大倉山に戻ることにした。歩道の分離されてないバス通りをてくてく歩いて、到着。9.3kmだった。[地図]

いつの間にか駅前にスタバができていた。都心の店舗より郊外にぽつんとある店舗の方が人の出入りがのんびりしていて落ち着ける。今日はようやく涼しくなってくれたので、温かいラテを飲む。

横浜か都内かで迷って横浜になった。東横線の改札を抜けてきた西口から地上にあがると思いも寄らぬ場所で驚いた。

シャルの中のタイ料理店ティーヌンでグリーカレーを食べる。単品で頼むのではなくほかの料理とあわせて食べることを想定しているようで量は少なめ。だが、ココナツミルクの風味に深みが感じられ、具は多かった。900円。

横浜にきたときにはかならずそごうの7階に寄ることにしている。無印良品、紀伊国屋書店、LOFTがあって、たいていの買い物がここで済んでしまう。もっとも今日は何一つ買わなかったが。

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