My Sweet Jelly Beans

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久しぶりに晴れ上がった休日。太陽はもう疲れ切ってビルの谷間でうたたねをしている。

井の頭線の浜田山から歩き始めた。公園や住宅が立ち並ぶいい感じの道がかすかな曲線を描きながら続く。カメラはぶらさげているが、食指は全然シャッターに触れる気にならない。もうだいたい、どれをどう撮ればどう写るかがわかってきていて、撮る前からどこが失敗したかを指摘できてしまう。

中央道を越えたあたりに警官が立っていて横道に立ち入り禁止のロープが貼られている。何か事件があったようだ。駐車場にもパトカーが数台あって、警官たちが何かを待っているように立ちつくしていた。あまり殺気だった感じはしなかったので、殺人ではなく、空き巣かなにかだろうか。

京王線の八幡山駅はすぐそこ。環八を渡ると背後から夕暮れが追い抜いていった。緑道や住宅街の道を抜けて、スケボウ少年でいっぱいの祖師谷公園。濃紺の闇の中、草むらに入って何かを摘んでいるおばさんがいてぎょっとする。

祖師ヶ谷大蔵駅に続く商店街に出る。なんだかとても懐かしい感じのする通りだ。しばらく来ていなかったが、大好きな場所のひとつだ。この通りには輸入食品店がある。どこにでもあるようなふつうの店だが、なぜか見つけられるときと見つけられないときがあるのだ。今日は店があらわれる。店の中にはコーヒーの甘い香りが広がる。ふだん砂糖入りの菓子はあまり手に取らないのだが、袋の中に色とりどりの卵形がつまったジェリービーンズにひかれて、買ってしまう。たぶん幸福感というものを形にしたらこうなるんじゃないかと思った。いろいろな味があるけど、甘くて一度にそんなにたくさんは食べられない。だが、ときどき思い出したように食べたくなる。

祖師谷大倉到着。9kmだった。[地図]

また芝居をみるので下北沢に出る。まずは腹ごしらえで、久々に担々麺の専門店天手毬に入ってみた。とてもおいしい割にはいつも客が少ないので、ちょっと心配だったが、まだ店はあった。排骨担々麺を注文。いい感じにおなかがふくれる。950円だった。

芝居は7時からだと思っていたので、その辺をぶらぶらしていた。さて、そろそろ劇場に向かうかとチケットを取り出したとき、とんでもないことに気がついた。開演は6時30分だったのだ。長年芝居をみているが、時間を間違えたのははじめてだ(仕事であきらめたことは一度ある)。

15分遅れで劇場に入った。本来の席ではなく、端の方にしつらえた席に案内される。見られるだけラッキーと思わなくては。最初疎外感を感じたが、途中でどうにか追いついて、無事芝居を堪能できた。

芝居がはけて、外に出る。まだ時間が早かったので、三軒茶屋まで軽く歩いて、スタバで休憩した。カフェインのせいでちょっと調子が出てきて、渋谷に出ることにする。

芝居のテーマが「はっぴいえんど」だったので、タワーレコードで細野晴臣の「泰安洋行」というCDを買う。「南京町のおかしなあの娘」ではじまる曲が聴きたかったのだが、これにも(以前買った「はらいそ」にも)入っていなかった。

夜の渋谷。すれちがう人々の顔は、みんな口にジェリービーンズを含んでいるように見える。

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