月曜の目覚めのようなせわしなさとともに目が覚めた。消えた日曜は一足早く降り始めた雨の中に煙っていた。
上野の東京都美術館で開催されているプーシキン美術館展をみることにする。プーシキンといえばロシアの文豪で絵なんて描いてないよなと思うが、美術館の名前がプーシキンなだけで、展示されているのはフランスの近代絵画だ。ルノワール、モネ、セザンヌ、ゴーギャン、ボナール、マティス、ピカソなど画家の名前だけ聞くとミーハー的だが、ほかであまり見られない作品が集められている。
予想通りとても混んでいたが、律儀に行列して見ようとする人たちがそれに拍車をかけている。ぼくはうまく隙間をみつけて入り込む秘訣を習得し、リズミカルに順路を進んでいった。スポーツの技術を覚えたばかりの子供のような気持ちがした。
いつものように気に入った作品を挙げておく。ドガ「写真スタジオでポーズする踊り子」、セザンヌ「池にかかる橋」、カリエール「母の接吻」、レーマン「山脈」。ドガの作品はポスターを買った。
外に出たらいきなり雨足が強くなってきた。カサをさし、ポスターの袋をぶらさげ、雨の上野公園の風景を何枚かでもカメラに収めようとするが、光量が圧倒的に不足している。
不忍池をまわって、御徒町まで歩いた。スタバでクリームブリュレラテを飲む。思ったより甘くなかった。
上野広小路から銀座線で渋谷へ。6時から矢野顕子のさとがえるコンサートがあるのだ。まだまだ時間はあると思っていたら、渋谷に着いたときは5時をまわっていて、特急までいかない急行食事コースということで、ねぎしに入った。豚旨辛焼定食、860円。
開場のNHKホールへ。席が3階なので、上ると暑くなった。
今回はピアノ弾き語りのみで、知らない曲が多かったが、アンコールに登場したスペシャルゲスト忌野清志郎は最高だった。音楽はやっぱりセッションだと思ったのだった。去年もきいたが一番最後に演奏された「Presto」という曲はやっぱり名曲。iTunes Music Storeで購入できるときいたので、早速ダウンロードして、今聴きながらこれを書いている。
NHKホールは託児所がちゃんと用意されていてすばらしい。安くて安心して利用できる託児所を一駅にひとつくらい作るべきじゃないだろうか。
外に出ると、雨は完全にあがっていた。散歩の虫がうずき出す。時刻は8時だがかまうものか。途上の人になる。
イヤフォンのキャップが片側どこかにいってしまったので、東急ハンズに寄って買ってゆく。一つ前にレジに並んでいた人が小型の電球を10個まとめて買っていた。ちゃんとひとつひとつ点灯するかどうか確認してくれるのだった。コンサートで電球が沢山使われているという話をしていたので、関係者じゃないかなと思ったりした。
代官山、恵比寿、プラチナストリート。最初はコンサートの余勢をかって意気軒昂という感じだったのだが、だんだん闇と冷気が心のひだに染みこんできて、ネガティブな気持ちが広がっていった。両側を寺に挟まれた道を歩く。いわゆる怖さはまったく感じないが、ものさみしい雰囲気が自分のなかの嫌な気持ちと共鳴する。
身も心も冷え切って五反田駅到着。8kmちょうどだった。[地図]


コメントする